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メディアグランプリ

茶道のファッション的楽しみ方


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:菊田麻矢(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
JR関内駅から徒歩5分ほど。まちなかに佇む、なんの変哲もないマンション。5階にある一室のドアを開けると、そこは別世界だった。四季折々の草木が植えられ、丁寧に手入れされた日本庭園。雨に濡れた苔を眺めながらその先を進むと、およそ60センチ四方の小さな引き戸が。引き戸をあけ、腰をかがめてそこをくぐると、待っていたのは美しい茶室だった。畳や壁の色がモノトーンで統一された空間。広さは四畳半ほど。なんだか落ち着く……。そのまま、茶室でお抹茶をいただくことに。茶室の主がお茶を点てている様子を、ぼーっと見つめていると、あることに気がついた。「あれ? 畳が光ってる?」一瞬、目の錯覚かと思ったが、何度見ても、確かに畳の縁が光っている。茶室の主に仕組みを聞いてみると、畳にLEDを仕込んであるとのこと。「今どきの茶室はすごいな」と思いながら、床の間に目をやると、そこにはレゴブロックで作られてたオブジェが。茶室にレゴブロックという意外な組み合わせに驚いているうちに、お茶が点て終わったようだ。目の前にさし出されたお茶碗を見て、またびっくり。お茶碗がドクロをかたどったものだったのだ!
これは文彩庵という茶室にお邪魔したときの体験談。この茶室は、SHUHALLYという茶道教室を開いている松村宗亮さんが作られたものだ。松村さんの活動のコンセプトは「茶の湯をもっと自由に! もっと愉しく!」だそう。まさに、その心意気を体現した個性あふれる茶室だった。
 
この茶室にお邪魔することになったのも、学生時代、茶道部に入っていた私は、いまだに茶道に心惹かれているからだ。今でも機会があれば、あちこちのお茶会にお邪魔している。江戸千家の次期家元、川上新柳さんのお茶会にもお邪魔したときも、驚いたことがたくさんあったのを覚えている。江戸千家とは茶道の流派のひとつで、東京ではメジャーな流派だ。「メジャーな流派だし、ルールを忠実に守ることを大事にしているのかしら……」と、なんとなく思っていたが、お茶会に参加させていただき、そのイメージは見事に覆された。
正式なお茶会では、お茶をいただく前に軽い食事をいただくのが通例だ。これは後からふるまわれるお茶を美味しくいただくためのもの。この食事のことを懐石料理と呼ぶ。懐石料理は、焼き魚やご飯、お漬物など、王道の和食メニューであることが多い。しかし、川上さんのお茶会でふるまわれたのは、食用花が散りばめられたカブのスープ、フムスと呼ばれるひよこ豆のペースト、大豆でできたお肉”ソイミート”のそぼろなど、モダンなテイストのヴィーガン料理だったのだ。お料理が出されるたびに驚きながらも、見た目も美しいヴィーガン料理を堪能した。懐石料理を食べ終わり一息つくと、いよいよお茶がふるまわれる。川上さんのお点前をじっと見ていると、ある道具に目が止まった。「ふくさ」だ。それは赤色または紫色の布で、お茶を点てる道具を清めるのに使う。多くの流派では、ふくさは無地であることが多い。しかし、川上さんのふくさには雪輪模様が描かれていたのだ。これは江戸千家の家元の家紋なんだそう。料理から道具にいたるまで、江戸千家の茶道は自由に個性を表現できるものだと体感できた。
 
川上さんのお茶をいただきながら、学生時代、自分が茶道部でお茶をふるまうお稽古をしていた時のことを思い出した。その頃は部費を節約するために、普段のお稽古で使うお菓子はスーパーで買える数百円のおまんじゅうや、時にはクッキーなどの洋菓子を選んでいた。部内でお菓子の一番人気は、カントリーマアムだったくらいだ。お稽古で使う道具を選ぶときは、海外旅行のお土産として部員が買ってきた器を、抹茶茶碗に見立てて使ったことも。
 
実は、茶道とは基本の型は決まっているもののアレンジ可能で、料理やお菓子や道具の選び方、茶室のしつらえによって自分の個性を表現できる。これはまるで、身につけるアイテムを選んだり、着こなし方(パンツの裾やシャツの袖をロールアップするなど)をアレンジすることで個性を表現できるファッションのようなものである。
 
お茶会には、道具の拝見という時間がある。これは、客人がお茶会の主催者に、使用された道具の名前や作者について質問する時間だ。これは普段の暮らしに置き換えてみると「そのTシャツかっこいいね。 どこのブランドの?」と聞くようなものかもしれない。
 
茶道は、ルールがたくさんあって敷居が高い、と思われることもよくあるが、相手を精一杯もてなそうというココロと、もてなしを精一杯受け入れるココロを持ち合わせてさえいれば、あとはファッションのように、気軽に楽しめばよいものではないだろうか……ということをお茶を飲みながら考えたのであった。
 
 
 
 
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2020-06-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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