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子離れできない予備軍になったら


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記事:いいだれいこ(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
私は「子離れできない予備軍」である。
子離れできない人の一歩手前といった意味合いで、私は予備軍と呼んでいる。
一般的な子離れは、小学生または中学生頃から成長段階に合わせて徐々に行うようだが、最近は子どもに依存しすぎて子離れできない人が多いそうだ。その特徴の1つに「心配しすぎる」傾向があるという。子どもの幸せを考えるあまり、心配や不安が大きくなってしまうからだ。
私の場合は娘がまだ3歳なので、子離れする以前の段階で親のサポートが必要な時期だ。けれども、ふり返ってみると娘のことが「心配」だと思う日を多く過ごしてきたように感じる。生まれて間もないとき、発熱したとき、歩き始めたとき、キックスクーターに乗るようになったとき、友だちとやりとりするとき、引っ越して生活環境が変わったとき、いつだって娘のことを「心配」していた。もちろん、子どもの成長がうれしい気持ちは大いにあるのだが、やっぱり心のどこかに「心配」がつきまとっていた。
だから、私は「子離れできない予備軍」なのだ。
 
自分が子離れできない予備軍であることに気づいたのは、娘の幼稚園生活が始まったときだ。
先日の入園式のときも心配していた。普段は甘えん坊でわがまま放題の娘だから「入園式で名前を呼ばれたらお返事できるかな? 落ち着いて話しを聞けるかな?」などと心配していた。けど、親の心配をよそに、娘はしっかりしたものだった。
 
先生の話しを落ち着いて聞いている
先生に名前を呼ばれて「はい」と返事をする
先生に合わせるように、歌いながら手の振りを真似ようとがんばっている
入園のお祝いをもらう時に「ありがとう」とお礼を言う
撮影会では、カメラマンの声に合わせてキメ顔で写真を撮る
 
入園式の様子だけでも娘の成長を感じられ、とても嬉しかった。
「なんだ、心配しすぎだったんだ」
 
そして、新たな幼稚園生活が始まり、ある日お迎えに行った時のこと。
先生から「今日は泣いちゃいました」という話しを聞いて驚いたと同時に心配した。
先生に状況を聞いたところ、娘が集めていた木の実をお友だちに取られてしまい、泣いてしまったそうだ。
娘にも事情を聞いたところ、取られたのが嫌で泣いてしまったという。
突然のあまり「やめて」の気持ちが言葉として出てこなかったのかもしれない。次からは言葉で気持ちを伝えようと教えたら、娘は納得してくれたようで笑顔になった。
この時も私の心配がちらついていたが、娘と話し合いして解決できたことでその気持ちは消えていった。
 
幼稚園生活は刺激がいっぱいだ。新しい生活が始まり、新しい場所で過ごす時間や友だちとの関わりの中から学び、成長していくのだ。そのことを実感した1シーンである。
 
それと同時に、こうも思った。
 
これから先、このような事が日々繰り返されるだろう。いつの日か、娘をどうサポートすればよいか分からず、ただ見守るしかできずに不安になる時があるかもしれない。そのとき私はどう対処すればいいのだろうか。
「お友だちと上手くやっているかな? 今日は大丈夫だったかな? 心配だなぁ……」
心配が常につきまとう。心配しすぎるあまり心がアンバランスになり落ち着かない日々を過ごすことになるのか。
 
このモヤモヤについてしばらく考えていた。
気持ちをリセットするにはどうしたらいいのだろう?
 
ネットで子離れのことや心配について調べてみたら、たくさん記事が出てくる。世のお母さんの多くが同じ悩みを抱えているのかもしれない。その中で目にとまったのが、親の心配は子どもの成長の証しという内容だった。
なるほど。私が心配している時は娘が成長している時なのだ。見方を変えるだけで全然違う。ポジティブ思考に切り替われそうな気がする。
 
そして、辿り着いた答えが、「心配」をリセットする時を意識的に持つということだった。意識的に持つことがポイントだ。そうすれば気持ちを別のことに向けやすくなるからだ。
いわば、慣れ親しんだ場所での生活に区切りをつけて、新しい場所や生活に意識的に目を向ける「卒園式」と同じようなことだ。
「心配無用だ。娘なら大丈夫だ」と娘を信じるように自分に言い聞かせてみる。
娘の成長は、私の卒園式なのだ。
 
もし、娘のことを心配しすぎて「子離れできない予備軍」になる自分がいたら、心の中で「卒園式」をしてみようと思う。
 
この考えを持てたことで、私のモヤモヤは消えていった。
 
さぁ、私の新しい生活を始めよう。
今まで子育てを優先して出来なかったこと、興味があること、勉強したいこと、たくさんあるじゃないか。やりたいことを頭の中で考えながら、晴れ晴れした気持ちで梅シロップを作り始めたのだった。
 
 
 
 
***
 
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2020-06-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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