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ここだけの話、女にとって化粧とは、極めてめんどくさい行為である


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担当:世良菜津子(ライティング・ラボ)

 

まず初めに、男性諸君に知ってもらいたい。
化粧とは、本当にめんどくさい行為であるということを。

私の場合、毎朝の化粧に15分~20分かかる。
大好きな人に会うときは、いつも以上に丁寧に化粧をするため、30分以上かかることもある。
何よりも睡眠が大事な私にとって、毎朝のメイク時間を、できれば睡眠時間にあてたい、そう思うほど、毎朝化粧をするのがめんどくさい。
そうは思うが、毎朝化粧をすることを10年以上続けている。

「化粧」がどれくらいめんどくさい行為かということを説明する為に、私の毎朝の化粧手順を書き出してみた。

まずは、化粧をする前にお肌の下準備を整える。
洗顔後、化粧水でお肌に水分を与え、お肌に与えた水分が蒸発しないように、乳液で油分を与えてふたをする。
今回は、化粧手順を説明する事が目的のため、「スキンケア」と呼ばれる部分を簡単に書き記したが、本来ならば、美容液、アイクリーム、パックなどもこの工程に含まれるが、今回は割愛させていただく。

お肌の下準備が整ったら、メイクアップベースを顔になじませる。お肌の表面に「膜」をつくり、ファンデーションとお肌を密着しやすくする。その後、リキッドファンデーションを薄くのばし、コンシーラーで目元のクマを隠す。ファンデーションで顔の色を均一に整え、コンシーラーには顔の悩みをカバーする役割ある。
両手で顔を覆い、ファンデーションとコンシーラーをお肌に密着させたのち、フェイスパウダーで仕上げる。フェイスパウダーを仕上げに使うことで、メイクを長持ちさせることができる。
ここまでで、「ベース」がようやく出来上がる。

この後、眉毛を整え、アイシャドウ、アイライナー、マスカラで目元のメイクを仕上げ、チークでほっぺたに色を載せ、口紅、グロスで唇の色をきれいに魅せる。

後半、項目を説明するだけにとどめたが、それぞれにちょっとしたテクニックがあり、こだわりがある。毎朝、飽きもせずに上記の手順を繰り返しているのだ。

つい先日、会社の同僚が「顔を突っ込むだけでメイクができる、顔用のプリンターができるらしい!」ということを言っていた。なりたい顔をアプリで選び、そのプリンターに顔を突っ込むと、30秒ほどでメイクが完成するらしい。女性にとって、本当に夢のような機械だ。
「それ、めっちゃいいやん!」
「化粧するの、本当にめんどくさいよね……」
「わかるー!! ほんと、めんどくさい!」
その話を聞いていた女性たちが、口々に言っていた。

ではなぜ、「めんどくさい」と言い切ることができる化粧を、女性は毎日時間をかけてするのか?

化粧の最大の魅力は、「色々な自分」を演出できることだと思う。
私の場合、会社に行くときは、ベージュ系の無難なメイクを心掛けている。デートのときは、ピンク系のアイシャドウやチークを使って女の子らしい雰囲気に仕上げる。女子会の時は、ラメ感がきれいなアイシャドウや、流行のカラーのチーク、口紅を使い、気合を入れる。
素顔を変えることはできないが、化粧によってなりたい自分を演出できるのだ。

また、「かわいく見られたい欲」もあるだろう。
スッピンと化粧をした顔を比べると、確かに違う。化粧をした顔のほうが、絶対にかわいいと言い切れる。女は、みんなそれを知っている。

私は、「化粧=気持ちを切り替えるスイッチ」だと、思っている。

朝起きて、顔を洗って寝癖を直してパジャマを着替えて……と、出かける準備を進めていくと、徐々に「ON」モードに気持ちが切り替わっていく。
私の場合、化粧がその流れの一環に入っている。
化粧が完成した様子を鏡越しに確認しながら、「よし!」と、自分自身に気合を入れる。

休みの日で予定がなく外出しない日は、化粧をほぼしない。1日中「OFF」モードで過ごしている証拠だと思う。

男性から、こんなことをよく聞く。
「化粧せんほうがいいのに」「スッピンのほうがいいよ!」
それを聞くたびに「いやいや、ちょっと待てよ」と、心の中で突っ込みを入れる。

男以上に、女は外見で判断されることが多い。
やはり「キレイでかわいい子」は得をする世の中なのだ。
理不尽ではあるが、しょうがない。
わかってはいるが、私だってちょっとはかわいくみられたい! その思いから、女は化粧をしている。男性から「化粧せんほうがいいよ!」という言葉を聞くと、なんだか女心を否定されている気分になる。

「半顔メイク」というものをご存じだろうか? 知らない方は、是非ググってもらいたい。
化粧の力がどれほどすごいか、知ってもらえるだろう。
これは、極端な例ではあるが、それでも「スッピンのほうがいい」と思うのだろうか?

そもそも、男が言う「スッピンがいい」は、おそらく「スッピンに近いメイクがいい」とうことではないだろうか。
ここ数年、「スッピン風メイク」という特集が、雑誌でもよく組まれている。
「彼の家で過ごす時のスッピン風メイク」「寝起き風メイク」など、その手法を紹介している。その魅力は、無防備なのにすごくキレイ! なところにあるらしい。
スッピン風のメイク手順を見てみると、ナチュラルに魅せるために、いつも以上に細かく時間をかける必要があるようだ。「めんどくさそうだなぁ」と思いつつも、特集内容を見て、その技を習得しようとしている自分がいる。

日曜日の夕方、サザエさんで、こんな場面を度々見かける。
出かける直前にサザエさんが鏡に向かい、パタパタとファンデーションをはたいている。
カツオやワカメが「お姉ちゃん、まだー?」と不満を漏らしている場面だ。
小さい頃、カツオやワカメと同じ気持ちを、母に抱いていたことを思い出す。
「どれだけ準備に時間がかかるんだ!化粧とかしても大して変わらんくせに!」と内心、思っていた。

化粧に時間がかかるのは、「少しでもキレイに、かわいくみられたい!」そんな、女心の表れではないか?
化粧とは、本当にめんどくさい行為ではあるが、それ以上に、自分を彩るための「手段」なのである。

男性諸君にお願いしたい。
女性が出かける前に「ちょっと待ってー」と鏡に向かっている姿を見かけたら、是非あたたかい目で見守ってほしい。
その時間は、ちょっとでもかわいい自分に変身するために、必要不可欠な時間なのである。

 

 

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