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メディアグランプリ

グラスの中の君は友人であり恋人


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:知念穏希(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
プシュッ。コポポポォォ……。
ゴクッ、ゴクッ
「ぷはぁ〜うまい!」
 
22歳一人暮らしの私は、思わずオジサマのような独り言をいう。私の1日の締めを彩るのは、生意気にも少し値の張るクラフトビールだ。
 
華やかでフルーティーな香りに、程よい苦味に深いコク。
(ふむふむ。今回のビールは……)
グラスの3分の1ほど呑み終えると、私は決まってある一冊のノートを取り出す。そこには、私が今まで呑んできたクラフトビールの記録が書かれている。醸造所や原材料、香りや味わいなどなど。ノートに記している今まで呑んできたビールと、呑んでいるビールと比較して嗜んでいる。
 
なぜ私はこれほどまでにクラフトビールに熱中しているのか。
きっかけは2年前の夏、私はとあるスーパーでクラフトビールと出会ったことにある。
 
私はもともとビールをあまり呑む方ではなく、関心もそれ程なかった。
しかし、その時は視野に入ったクラフトビールが気になり、何の迷いもなく購入していた。大手メーカーが製造する生ビールの1.5〜2倍の価格なのに。
まるでビール好きな妖怪にでも取り憑かれたようだった。
 
(……やってしまった。なんで買ってしまったのだ。このビール一本でスーバーの弁当が一つ、もしくはスナック菓子が2、3個買えたんだぞ)
家につき、改めてそのビールを手に取ると私は深く後悔していた。
しかし、買ってしまったものはしかたない。旨いかどうかもわからないビールを恐るおそるグラスに注いだ。
 
鮮やかな琥珀色の中に、小さな泡が立ち上る。ついつい見とれてしまう。
(いや、見た目がよくても味が悪ければ駄目だ)
 
勇気をもっていざ一口!
 
(う、うまい! これがクラフトビールなのか……)
香りがよく、嫌な苦味もない。以前、居酒屋で呑んだ時のビールは微かに臭く良い印象がなかったが、一瞬にして払拭された。
翌日にはまた新たなクラフトビールを数本購入し、胸をときめかせながら呑んだ。一本あたりの価格が高いため、1日に一本を大切に呑む。それが至福であり、贅沢な時間である。
 
ビアラバー歴2年とまだまだ青二才の私だが、これだけは言える。
「ビールは人間と同じである」
ビールが人間? この人は何を言っているんだ、と思われるかもしれないが、ひとまず聞いて頂きたい。
 
一括りに「ビール」と言っても、発酵の方法やホップの種類、醸造所などによって千差万別である。また、同一のビールであっても、その日の温度や湿度、注ぐグラスによって味わいが変化する。
その様はまるで人間のごとく、それぞれがアイデンティティを持ち、感情のようにその日その日で味が変わっていく。
 
このようにビールは人間に似ていて、親近感というか愛着というか、そのような気持ちで私は日々接している。
 
数多くのビールが存在する中、私の親友と呼べるビール(正確に言えばビールの種類)を紹介させて頂きたい。その名は……
 
「IPA」
 
IPA(インディア・ペールエール)は、18世紀末、インドがイギリスの植民地だった時に生まれた。インドに住むイギリス人に向けてペールエールというビールを海上輸送するため、防腐剤としての役割があるホップを大量に投入した。結果、香りと苦味が強いビールとなりIPAが誕生した。
 
IPAは香りと味にパンチのあるビールで、クセがあり変わり者のイメージがある。しかし、何度か呑む内にその香りと味に慣れ、打ち解けあい、美味しく感じ始めてハマってしまう。
 
私自身も何かと周りに癖のある友人たちがいるが、友人になる前はとっつきにくく、距離を置いていた。しかし、同じ空間と時間を共有する度にどんどん話すようになり、気づけば友人になるまでに発展していた。
どうやら私はクセのある友人が大好きなのだと、今こうして記事を書くことで理解した。
 
しかし、そんな友人に対して恋人は別である。
ビールの恋人、それが「ベルジャンホワイト」だ。
 
ベルジャンホワイトは、ベルギーのヒューガルデン村で14世紀から醸造されていたビールが発祥だ。コリアンダー(別名パクチー)とオレンジピール(オレンジの皮)を用いた風味が特徴のビールである。
見た目は淡黄色で色素が薄く、香りが高く、フルーティーな味わい。
 
人間で言えば色白の愛嬌のある人で、一緒にいて癒やしてくれる、そんなイメージだ。
少し惚気けるようだが、今現在私が交際している恋人にとても似ている。
やはり、ビールも人も似たようなものであり、好きなタイプや苦手なタイプも似てくる。
 
この記事をご覧になっている皆さんにも、友人や恋人をつくって頂きたい。ビールを呑んだことのない方はもちろんのこと、ビールが苦手な方、いつも同じビールで飽きてしまった方などなど……
 
そこで今回、みなさんにビールマッチングの場を少しながら設けたいと思う。
 
《クラフトビール初心者や苦手な方にオススメ》
「ヴァイツェン」は南ドイツのバイエルン州バイエルン州が発祥の伝統的なビール。バナナを思わせるフルーティーな香りで、苦味が少ない。
とてもフレンドリーで明るいビールである。
 
《苦味が強いのを欲している方にオススメ》
「ダブルIPA」はIPAよりアルコールやホップ、麦芽を多めに使用し、更なるパンチを効かせた個性派ビールだ。苦味を強く感じ、余韻に麦芽の甘みをほんのり感じる。
生粋の頑固オヤジ、といったところだろうか……
 
《どっしりとしたビールを欲している方にオススメ》
「スタウト」は、イギリス発祥のポーターという黒ビールの改良版でアイルランド出身。焙煎されたナッツやコーヒー、チョコレートといった風味を感じる。
足腰がしっかりしていて、力士さながらの貫禄である。
 
ほんの一例ではあったが、どうだろうか。気になる相手は見つかっただろうか。
もし見つかったのであれば、ぜひとも顔合わせをしてお喋りをしてもらいたい(クラフトビールを購入して呑んで欲しい)。
そうしたら、きっとあなたもビアラバーの一員になるだろう……
 
私は本日も次なるビールをグラスにそそぐ。
 
プシュッ。コポポポォォ……。
 
「皆さんとビールとの出会いに乾杯!!」
 
 
 
 
***
 
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2020-07-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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