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「ぼくがナマを好きな理由」


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記事:Katsumi ISHIKAWA(ライティングラボ)

 

ぼくが天狼院で初めて参加したイベントは映画ラボだ。

映画はただ観ただけでは消化したことにならない。作品について語ることで、より作品を考えるようになり、より作品を理解することになる。だから、映画ラボは映画をより理解できる貴重な経験ができるイベントだ。

さてそんな映画についてだが、
昨今、大型シネコンが各地にオープンし、一方でミニシアター等の小規模映画館の閉鎖が続いている。映画館は大型シネコンが占めるようになった。
また、このようなシネコンでは収入の期待できる超大型作品の公開が主流となり、収入が小さい小規模作品の上映が少なくなっている。すなわち、映画館も作品も大型化が進んでいる。
これらのことは経営上ごく当然のことだとわかってはいるが、映画の大型化は少しばかりさみしい思いである。

超大作もピカピカのシネコンも好きではあるが、ミニシアターだって必要なのだ。
マッドマックスがどんなに素晴らしくても、毎回観ると疲れてしまう。
低予算ながらも人間の内面をしっかりとらえた映画とか、一般受けしないであろう格闘技の映画とか。そういう映画もぼくにとっては、マッドマックスと同じくらい大事なのである。

未公開映画のDVD化は進んでいるので自宅等で見ることは可能ではある。
しかし、ぼくは映画館に行かないと満足できない。

個人的には映画とは映画館で観るものであり、DVD鑑賞は別なものだと考えている。

なぜなら、映画はナマモノだと考えるからだ。

ナマモノである理由の一つは鮮度である。
劇場公開の映画は期間限定であるためいつでも観られるものではない。公開中に時間をつくって観に行くことに価値があるのだ。もちろん、観て損したと思うものもあるが、それも貴重な経験である。
また基本的に映画には時代性が反映されている。題材が旬であったり、俳優が旬である。すなわち今の時代を体験するのが映画である。

ナマモノのもう一つの理由はライブ感である。
迫力のある大型スクリーンや音響設備は映画館というライブ空間でのみ体験できるのだ。
さらに、他の観客の様子も興味深い。上映中のリアクションの起こり方や上映後の雰囲気など。無言で他のお客と感想を確認しあうのだ。つまらないと思った作品は他のお客もつまらなそうにしていることが多い。また、自分は大満足だったのに他のお客が納得していない時も多々ある。
こうしたことが味わえるのはライブの映画館ならではだ。

このようにぼくはナマを体験するのが好きなのだ。
映画にとどまらず、サッカーも落語もナマの方が絶対に楽しい。
書籍にしても、通販や電子書籍ではなく、ナマのリアル店舗に行った方が出会いや発見があるものだ。
ナマの体験者が増えることでそのジャンルは盛り上がる。
ナマでしか見られないものが沢山見える。
好きなものに対してはどんどんナマを体験するべきと考える。

しかし、なんでもかんでもナマがいいというわけではない。
特にアレに関しては注意が必要だ。

やっぱり野菜は火を通した方がおいしいと思うから。

 

 

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この記事は、ライティングラボにご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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