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わたしがいつも取材先で必ず日本酒を買う理由


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:成田陸(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「「乾杯~!」」
なみなみに注がれた日本酒をこぼさないようにして、おちょこをあてる。
「お~あんたが持ってきてくれた、この日本酒美味いね!」
「本当ですか!? お口にあって良かったです!」
「つぎは、ここらで一番美味いお酒呑みなぁ」
「いただきます! ……美味いですね!」
「そうか! もっと呑みぃ~」
 
……どんちゃん騒ぎをしながら、時間が過ぎていく。
 
私は大学生のときから、森林のなかに入り、木を育てて伐りだす、ダイナミックな産業、林業を取材している。それもコロナが蔓延するまでは、夜行バスと18切符を駆使して、それこそはしご酒をするように日本各地を転々としていた。
 
行く先々はだいたい、田舎や過疎地といわれるような山村になる。そしてお話をお聞きするのは、若くて40代前半、最も多いのが還暦前後の男性のかたという特殊な環境でもある。同世代のかたとごくまれに出会ったときは、まるで色違いのポケモンにあったときみたいに、とてもテンションがあがる。
 
ただどちらにしても、山の人は良く呑むんだ。しかもだいたいの人は、私より酒飲みで、軽く四合瓶を空にして、また四合瓶をおかわりするぐらいの酒豪だ。
 
だから、山の人へのお土産には、日本酒を選ぶことが私は多い。泊まる場所が取材先に近く、夜もご一緒する場合は、必ず日本酒を持っていく。
 
もちろん!
持っていくお酒にはこだわりがある。美味いのは当然だが、私がお酒のストーリー、特別な話ができるものを選ぶ。
 
お土産やギフトは、贈り先のことも想って贈るものだが、購入したお土産の企業や地域を応援する意味もある、と私は考えている。
 
たとえば、最近、取材先でお世話になっている先輩が結婚すると風のうわさで聞いた私は、サプライズで夫婦用のタンブラーを買って贈った。プレゼントを買った六本木のお店は、和紙や漆器など伝統工芸を現代版にデザインして販売する会社になる。この会社の社長さんには、大学時代からお世話になっていて、私が応援したい企業の一つになる。同社の特徴は、伝統工芸を今風にアレンジしたモノづくりと顔が見える家具づくりで、私はこの姿勢が大好きだ!
 
何かを購入したり、人に贈るとき、モノの性能だけ見る時代は終わった、と私は考えている。
たとえば、どこで牛丼を食べても、大きく外れることはなく美味しく、夏に活躍する扇風機も、どのメーカーも似たような性能だったりする。ただ本を買うだけなら、書店に行かずAmazonでポチっとすればいいのだ。
 
似たような価格、似たような性能、似たようなサービスがあふれている現代では、何かを購入するには、その企業や製品、人を応援したい気持ちや機能を超える体験が必要だと思う。
 
まさしく、このライティング・ゼミを開講している天狼院書店がリーディングライフの提供という体験を売って、差別化しているように。
 
だから私が取材先に持っていく日本酒は、特別なストーリーを語れるのが差別化のポイントになっている。そうすると日本酒がありふれたお土産から特別なお土産に変身する。
 
日本酒を製造している酒蔵は、国税庁の調査によると全国で1400社以上あるといわれる。日本の市町村が約1700あるので、だいたんにいうと1市町村に1社はある計算になる。もちろん日本酒の製造に適していない土地もあるから、偏りはあるだろう。
 
ただ私が訪れる山村は、ほぼ地元の酒蔵がある。
なぜか? それは日本酒をつくる条件を満たしているからだ。日本酒をつくるには、お米と麹、水が必要になる。そして使用する水はきれいでなければ使えない。山村のほとんどの地域は源流もしくは、それに近いところにあり、水がとてもきれいだ。
 
同じ地域などはなく、お酒にも個性があるが、全国のお酒の味が全く違うかというとそうでもない。
もちろん。
飲み比べて違いがわかるかもしれないが、よほど舌に自信がない限り、飲んだだけで銘柄を当てることはできないだろう。だからお土産の味でアピールするのではなく、日本酒がつくられた地域の話や、取材での裏話などをお土産にプラスする。そうするとその日本酒は特別になる。
 
たとえば松茸酒。龍泉洞という鍾乳洞があるので有名な岩泉町のお酒になる。岩泉町はほかにも松茸が有名で、このお酒は龍泉洞のお水と松茸を使ったものになる。林業の世界でいえば、岩泉町とはミズナラやサワグルミなどの広葉樹が多く、森林を荒らさずに利用している証明のFSC認証を取得していることで有名な地域になる。このような更に濃い話を別の地域、たとえば奈良県の吉野地域や鳥取の智頭町などの林業地に取材に行ったときに、このお酒を渡すときに話す。
 
そうするとだいたい冒頭の会話になって、距離を一気に縮めることができる。そして、ふたたび取材先の日本酒を購入して、別の地域にもっていく。わらしべ長者のような物々交換とはいかないが、私にとって日本酒をお土産にすることは、地域と地域をつなぐものだと思っている。
 
なにかを持っていくなら、身近な人がつくっているものを買って、贈るのが良いかもしれない。

《終わり》
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
 


 
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2020-09-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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