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多くの東京人は、東京を知らない。


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記事:金子千裕(ライティング・ラボ)

 

東京都豊島区池袋駅のほど近く。東京天狼院書店に足繁く通うお客さんの中に、何人東京生まれの東京育ちという人が居るだろうか?

東京の隅から隅まで。街の歴史や謂われを熟知している人が何人居るだろうか?

そういうわたしも生まれは宮城県仙台市。ずんだと笹かまと牛タンの国から就職のためにやって来た。上京するまで東京について知っているのは池波正太郎の小説と時代劇や刑事ドラマの中の事だけ。

就職してドラマが結構、実はリアルだったんだ! とカルチャーショックを受けたくらいだ。お局様の存在や会社同士の政略結婚。仙台が誇る高層ビル『アエル』より高いタワーマンション。

周囲を見渡すとうちの家人も青森県青森市生まれ。リンゴ帝国から就職のために上京してきた。そういえば店主の三浦さんも宮城県出身だったはず。

現在働いている会社の中でも、地元が東京という人は少数派だ。

そう。東京人の多くは外からやって来た移民だ。三代続いた江戸っ子に会う事は結構、珍しい。そして、そういう江戸っ子は結構訛りが強かったりする。

うちの近所の八百屋さんが左を「しだり」とか七味唐辛子を「なないろ」と言うのが最初は理解できなかった。しかし、本人は標準語でしゃべっているつもりのようだ。

これは宮城県で言うところの『ひょうずん語』と一緒だ。標準語もどきだ。

『なないろ』は、あえて言うなら仙台弁でジャージを『ジャス』と呼ぶのと同じだ。

東京の人が『ひょうずん語』に面食らうという話はよく聞いた事があったが、私は江戸っ子の訛り、そして山の手言葉というものにカルチャーショックを覚えた。

山の手言葉だと「~なのよ」って言っている女性を見た時の衝撃は忘れられない。

実家のあたりは「~だっちゃ」なので。

ちなみに、私の周囲だけの話かもしれないが仙台出身の20代後半~30代半ばの世代は自分の事を『ウチ』という90年代から00年代のギャル語が抜けきらないせいで、素の状態でしゃべるとラムちゃん語になる人が居る。

かくいう私もその口で……

それはさておき、つまり、東京人だぜシティボーイorガールだぜ! と言っている人たちは私も含め案外、東京の文化や歴史に詳しくない。

なぜなら、外から来た人間だからだ。

東京ほど東京について無知な人が多い街は、もしかしたら無いかもしれない。

わたしも宮城の郷土料理である『おくずがけ』や『はらこめし』などは作れるし、貞山堀がどうして作られたのかとか、仙台の城下町がなぜ山沿いにあるのかなどは祖母や学校の先生から教わって知っているが、東京の歴史や文化はちんぷんかんぷんだ。

駒込の吉祥寺が今の武蔵野市の吉祥寺に関係があるとは聞いたけれど、なぜかは分からない。本郷のなんちゃらの壁が江戸の境界だったとか、千住、板橋、品川、新宿の四つの宿場町から先は江戸じゃないとか中野のあたりに犬屋敷があったけれど、そこは江戸じゃないのか? など疑問がふつふつ沸いてくる。

江戸東京博物館に行っても、東京天狼院書店にもある『江戸の用語辞典』を読んでもいまいちピンと来ない。根津のあたりには昔、川があって……と言われても、谷中で窪地だという認識しか抱けない。

そこで出番なのが歴史ラボであり、落語部だ。

私は落語部ではない。でも、落語に興味はありたまにNHKの寄席の中継を見たりしている。すると次々と出るわ出るわ江戸時代の固有名詞やら、地名やら。

『目黒のさんま』なんて、東京について知っている人じゃないと100%の面白さが分からないと思う。宮城県民の感覚だと、東京という街自体が東京湾に面しているのだから目黒で買おうが日本橋の魚河岸で買おうがサンマには変わりなかんべえと思う。

東京を知らない宮城県民にとっての面白ポイントはサゲより家臣が油を抜いちゃうところだ。

しかし、それは宮城県では女川、気仙沼というサンマの産地があるからの感覚であって。どこでも新鮮でおいしいサンマが手に入る環境にあるからであって、目黒のサンマとは状況が違う。

つまり、目黒のサンマは内輪ネタというか、地方ネタの特色が強い。

また江戸の街には煮売り屋や夜なき蕎麦の屋台があったと聞くと都会だなあ。人が多かったんだなあと思う。

『時そば』も地方の人にはいまいち想像しにくい部分があると思う。まず、わたしは上京するまで『ちくわぶ』が何かが分からなかった。

せっかく、東京に住んでいるのだから東京について色々学ぶ機会があってもいいと思う。そして、それは本を読んでいるだけだと分からない。その先、一緒に東京の街を歩いて解説して貰って、味わって始めて分かる気がする。

中の人には当たり前の事が外から来た人間には新鮮な驚きや発見だったりする事がある。カルチャーのギャップが面白さを生む。

東京をもっとよく知ろう。こんなに文化や歴史が入り組んでいる深い街は世界中探してもあまりない(らしいですよ。受け売りです)

ぶっちゃけて言ってしまうと、歴史ラボで東京というのは面白いと思います。

お散歩フォト部と同時開催みたいな。

こんなんどうでしょう? という提言で今回は締めさせていただきます。

お後がよろしいようで。

 

***
この記事は、ライティングラボにご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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