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話下手な私が言葉の職人からもらった気づき


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:まりこラベンダージョーンズ(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
わたしの敬愛する、言葉のプロである友人から、率直かつ思いやりあふれた言葉をもらいました。
 
「踏み込んだことを書いてしまってごめんなさいね。でも、せっかく私が関わっている出来事なのだから、私も見て見ぬ振りはしないようにしようと決めたから、これを書いています」
 
それは、私のプライベートに関することでした。そのうえ本業に関わるテーマでもあったので、1週間ほど考えたのち、言葉を紡いで伝えてくれたようです。
 
メッセージを最後まで読み、浮かんだのは「ありがとう」という言葉と、柔らかな光で辺りを照らされたような心持ち。この件をきっかけに、伝える技術、とくに優しさと率直さについて、考えるヒントをもらいました。
 
話下手で、誤解され角を立てまくって生きてきた私です。地元の公立小中校に通っていたころは、思ったことをすぐ口に出すような子供でした。その後、青春時代を経て、率直すぎはダメ、考えをストレートに表現するのは良くないと「学習」する体験をしてきました。
 
たとえば、高校のころ進路の話をしていて、何気ない一言が友人を怒らせてしまったことがありました。口からでた言葉は取り返しがつかず、謝っても弁解しても、あとの祭り。誤解が解けるまで、数ヶ月かかったと記憶しています。
 
いま私は、イギリス人の夫と家庭をもち、英語圏で暮らして18年目となります。
 
日本よりは、思いを直球で発言する人が多いためか、はたまた、歳を重ねて私の伝え方が少しはマシになったのか……以前より人を怒らせることは減ったとはいえ、いまだに書くことも話すこともスキル不足を感じ、悩む毎日です。
 
コミュニケーション法については、異文化で暮らす毎日で考えを言語化するよう鍛えられる場面が多いのですが、日本的な思いやりや謙譲の美も忘れたくないと感じます。
 
空気を読み、和を尊ぶ伝え方があるいっぽう、第三の道を探すためには議論もいとわないコミュケーションがある。どちらのスタイルにも良し悪しがあります。
 
さらにいえば、日本語だから英語だから、と単純に言い切れる問題でもありません。同じ英語圏でも、単刀直入な傾向のあるアメリカ人と含みある表現が好きなイギリス人という対比があります。さらには同じ「イギリス人」でも、そこは多民族国家。インド系・中華系・カリブ系など文化的背景の違いもあり、コミュニケーションスタイルが多様なのです。
 
そう考えると、国や言語の違いに関わらず私たち個々人が、どのように他人と関わりたいのか、という基本に戻るのが良さそうです。
 
私が考える理想的なコミュニケーションとは、ディマースイッチのように明るさを変えられること。
 
つけるか消すしかない一般的な電灯とちがい、ディマースイッチは調光器のある灯りです。だから、時と場合、相手にどう感じて欲しいのかなど、場面ごとに伝え方や話し方を変えられます。
 
たとえば、高級レストランのように、昼間の明るいワイワイした会話から、宵のムードある親密な会話まで、ディマースイッチなら、明暗を段階で加減しつつ場面にあった照明を演出できるのです。
 
周りを観察すると、私もふくめ、たいていの人はコミュニケーションの癖があり、性格的な傾向として「率直さ」と「優しさ」のどちらかに偏りがち。
 
ほのかな灯りで、優しく相手の気持ちを推しはかること。
スポットライトのように、言いにくいことを明るみに出し、率直にズバリ言うこと。
 
その両方ができるのが、コミュニケーションの達人といえそうです。
 
ディマースイッチみたいに言葉を選べるようになりたい。率直すぎて人を傷つけるのでも、うわべの優しさで言いづらいことを飲み込むのでもなく。先の友人が贈ってくれた言葉のように。
 
真摯にものを伝えようとすると、うまく伝わらない時もあるかもしれません。それでも、相手のためを思って灯した言葉を届けたい。
 
落ち込んでいる人なら、ほっこりし前進する勇気を取り戻してくれるかも。見えない我が身について指摘された人が怒らずに、むしろ関係が深まることだってあるかもしれない。率直さと思いやりの光加減が絶妙な言葉は、私たちの視界を広げるから、その光でお互いに新しいステージに進める気がするのです。
 
だから、コミュニケーションの場面で考えたいのは、目の前の人は、どんな光を必要としているのか。そして空気を読みすぎて息苦しくなったり、逆に空気が読めなくて上滑りの会話ばかりだったり、うまく人と関われてないと感じるときは、ディマースイッチを思い浮かべようと思います。
 
率直さと優しさの軸で自分のコミュニケーションの癖を知り、あえて違う方法で伝えてみたら、両極端ではなく、いつしか、ほどよい加減を見つけられるようになれそうです。
 
優しい表現が苦手ならば、共感をもち謙虚に話す。反対に、率直に話すことに不慣れなら、自分を信じ、真実と思うことを自分なりの言葉で伝えてみる。
 
さて、あなたの伸びしろは率直さ、それとも優しさですか? どちらにスイッチを動かしたら、良い雰囲気が創れそうですか?
 
 
 
 
***
 
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2020-09-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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