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私は、プロの私だ。


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:十一智教(ライティング・ゼミ5月開講通信限定コース)
 
 
私は、自分の思いや考えを思うように伝えることはできているのだろうか?
 
直接口頭で伝えたり、伝言したり、
手紙やメール、チャット、動画、
はたまたプレゼントや提案に自分の思いを乗せて
相手に届けられているのだろうか?
 
時間のなさを言い訳にして、
届けられるはずのものが届けられなくなってしまったのではないだろうか?
 
そんな私も時間のなさを言い訳にしている1人である。
 
私たちはチャットに囚われて過ごすようになった。
 
もともと、チャットとはおしゃべりという意味である。
 
英語で表現するときは、
家族との何気ない会話も学校の友達や同僚との会話も
チャットという言葉を使って「会話をした」という事実を表現することができる。
 
しかしチャットと聞くと最近思い浮かべるのは、
LINE、Mssenger、Slack、Hungout、Teamsといったツールで行われる、
Web上で短い文章を交換し合って行うコミュニケーションだ。
 
24時間365日連絡を取ることが可能になった。
場合によってはなぜ返信をすぐに出さなかったのかと
問いただされるシーンも出てきてしまったことだろう。
 
何枚にもわたる長々として書類に目を通す前に、
意味不明な前置きや結びが画面を埋めるメールを読むことなく、
要点を短文だけでやり取りできるようになった。
 
仕事だけではない。
 
友達とも、恋人とも、家族とも、
短い言葉だけでコミュニケーションをとるようになった。
 
言葉には視覚的言語と聴覚的言語の2種類ある。
見る言葉、そして聞く言葉だ。
書き言葉と話し言葉と表現することもあるだろう。
 
能動的に言葉に触れるか、
受動的に言葉に触れるか、
見ようが聞こうがどちらも常に自分の姿勢を問われている。
 
何十年も前から活字離れが進んでいると言われ、
国語力の低下が問題になっていると指摘され続ける一方、
テレビやゲームに当てられる時間が増え、
最近では携帯電話、とりわけSNSに割く時間が増えた。
 
これ整理すると
読む言葉に費やす時間が減った
→聞く言葉に費やす時間が増えた
→加えて書く言葉に費やす時間が増えた
となる。
 
つまり、言葉に対する対応能力の指標が変化したのだ。
 
何十年か前までは一人で言葉を読んで多数の人の前で言葉を話すことが重宝されていたが、
今は一人で書いて大量の発信された情報を聞く力が求められるようになった。
 
読む言葉と話す言葉がベーススキルだった頃は、
書く言葉と聞く言葉を扱うスキルが希少価値があったが、
今は価値の重み付けが逆転してしまったのだ。
 
大量の情報に触れなければならない現代では、
1つの文章にじっくり向き合うことが困難になった。
そんなに集中していられない。
 
何年か前に、米国のマイクロソフトが人間の集中力の持続時間を調べた。
2000年ごろの人たちの集中力の持続時間は12秒だったが、
2015年ごろに再度測定したところなんと持続時間が8秒まで減少していたそうだ。
ちなみに金魚の集中力が9秒程度とのことなので、
今の人類の集中力は魚類に劣っている。
 
そんな中注目を集めているのは動画コンテンツだ。
 
Youtube、Instagram、Tiktok。
これらのプラットフォームには、
時間やお金を投下して読みたくなるような様々なコンテンツが転がっている。
 
紙媒体になかった情報が
文字としてWeb上に放出されて、
そしてそれらの言葉が今度は音と動きを
伴ったコンテンツに変換されつつある。
 
だが果たしてこの流れは、
アナログデータがデジタル化されていったように、
デジタルのテキストデータが
動画コンテンツにスムーズに転換されていくのだろうか?
 
私はそうは思えない。
 
私たちの時間は日々価値が高くなっている。
 
日々溢れていく情報量と
絶え間なく埋め尽くされるスケジュールに
自分で決めたプライベートな時間がどんどん削られていっている。
 
そんな中でも周りの流行りについていくために、
動画コンテンツを倍速再生して
内容だけキャッチアップするようになる。
 
今の若い世代は情緒的な部分は切り捨ててでも、
要点だけ抑えられればいいという思考回路なのだ。
 
ところが人の心を動かすような要素は
サマリーを見ただけでは経験することができない。
 
例えば映画の要約ブログで主人公の母親が亡くなると書いてあり、
映画.comを見るとこのシーンが涙を誘うという感想があれば、
どこかで話題に出たとしても話題についていくことはできるだろう。
 
しかし本来の動画コンテンツは1倍速再生を想定されており、
そこでは話のテンポや余白も考えた上で設計されている。
 
動画コンテンツを見る目的の中には、
流行りのコンテンツの内容把握もあるかもしれないが、
元々は自分の心が動くかもしれない可能性を信じて、
そのコンテンツによって自分の価値観や行動が変わることを
期待しているのではないだろうか?
 
私たちの人生だってそうだ。
 
誰の人生だって要約してしまえば、
「生まれ育ち老いて死ぬ」と10文字に圧縮されてしまう。
もうどれだけ圧縮したか見当もつかない。
 
だけれど、この中に数えきれないほどのドラマがあり、
そのドラマを生み出す意志を自分の中で作ってきているのだ。
 
他の人が作ったコンテンツや人生を倍速で再生できても、
自分の人生は倍速再生できない。
酸いも甘いも時間をかけて噛みしめるのが自分の人生だ。
 
自分のテンポ、自分の余白で
人生というコンテンツを日々積み上げていくしかないのだ。
 
自分の五感を総動員して、
周りの感性と理性を動かして
ドラマチックなコンテンツを作る。
 
私は、プロの私だ。
私にしかできないストーリーを周りに届けるのだ。
 
 
 
 
***
 
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2020-09-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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