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メディアグランプリ

いま、息がしずらい人にすすめる一冊


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:成田陸(リーディング・ライティング講座)
 
 
息がしづらい社会だった。上を見上げても工場から出てくるモクモクとした煙がかかっているようで、希望を抱けなかった。そして、下を見たら底なし沼にズブズブと落ちていくように、心が沈んでいくようだった。
 
わたしの心は着実に死んでいった。死んでいくとゆうより、幽体離脱のように心をどこかに逃していた。目の前に広がる光景は、どこか映画を見ているようで遠い世界のことに思えた。けど、顔に衝撃がはしれば、その世界がリアルだったとわかる。
 
「死にたいな」誰に話しかけるわけでもなく、わたしはつぶやいた。
 
小学校のころいじめを受けていた。暴力や悪口、物を隠されるなど大抵のいじめを経験したと思う。中心にいじめてくるのは、両手で足りるぐらい。けど、あの閉鎖的な空間かつ日本人だ。同調圧力が悪い作用をもたらした。クラスメイトは誰かがいじめていれば、正当な理由もなく人をいじめていいのだと勘違いする。そもそも正当な理由があるのか、怪しいが。ただ、5人、6人とはじまったいじめは次第に広がって、学年が上がるころには学年全体からいじめを受けるようになっていた。もちろん、最初の方は抵抗したが、次第にそんな力は失っていく。数の暴力には決して勝てないと実感した瞬間だ。それが小学校だかですめばよかったのだが、中学校まで続いた。
 
わたしは“できない”人間だったし、“しない”人間であった。
 
たまたま、運動神経が悪かったのかもしれない、いや算数や英語ができなかった。科目の優劣ではなかったのだろう。わたしがもっともできなかったことは集団行動だった。いわゆるみんなが当たり前にできることができない人間だった。“だった”というのも怪しいかもしれない。いまのわたしも集団行動に向いているかと言われたら、首を縦にふることは決してないのだから。
 
ただできないからといって、そこを重点的に責めるのをやめてほしかった。できない瞬間というのは、本人が重々承知していることがほとんどだ。テストで「平均80点です」と先生が教壇で話して、返却されたテストが30点だったら、“できない”ことは客観的にわかるだろう。けど、なぜか外野がそれを責め立てる。次第に言われてくると、やろうとする前、挑戦をする前に諦める。そしていずれ、“しなく”なる。このなんともどんよりとした雲がかかった気持ちは晴れることはなかった。
 
そんなことを感じながら登校していたある朝に駅前の本屋に寄った。少し家に居づらくてけど学校にはもっと居たくなくて、通学路にある本屋に入っていったんだ。フラフラと店内を歩く。いつもはマンガコーナーに向かう足は、なぜかその日はライトノベルコーナーに足が向かっていた。はじめみたときは、きれいなイラストだなと思って手にとった。どうやら帯をみるとアニメ化するようだ。
 
カラーページをめくり、1ページ目にその言葉はあった。読んだとき、「救われる」と思ってしまったんだ。すぐさまレジにいって買った。朝礼まで残り20分、歩けば10分の距離だ。余裕があると思った当時のわたしは、危険とはいっさい思わずに、本を読みながら登校した。
 
その本には、様々な生き方をしている人が出てくる。ヤクザ、ヒモ、パチスロ、そしてニート。彼らはいわゆる落ちこぼれ、社会的にダメ人間といわれるような人達だった。ずっと人間社会には多様性なんかないと思っていた。できるか、できないかの丸バツテストだけだと。ただ、その本は、息のしかたはたくさんあるんだよと教えてくれた。劇中の扉に掲げられている一言は、いまでもわたしの指針となっている。
 
どんな職についたって、どんな環境に居たって、なにもできないわけではないし、考えて足と手を動かすことができるんだよ。誰かに馬鹿にされて、笑われたとしても、自分自身のことを笑わないようにね。そんなメッセージが込められていた。
 
それからは過剰に自分を下げることにしなくなった。いじめてくる人間はチンパンジーだと捉えて、反応しなくなった。そうすると相手は面白くなくなって次第におさまっていく。
……いや正直にいえばしゃべる腐ったみかんみたいに思っていたのだろう。
 
それからわたしが手に入れたのは、独特のバランス感だ。さまざまな人がいるんだと実感したわたしは、よく良い面と悪い面を両方みる癖がついた。
「人生には無限の可能性があるんだよ」と聞いたとき、言ったとき、だいたいポジティブな印象を与えるだろう。夢を見させる言葉だ。けど、同じ分だけ失敗を孕んでいて絶望に突き落とす言葉かもしれない。
 
それだと君は行動しないのか?
とあなたはいうかもしれない。行動しないというのも立派な選択だ。ただ、扉に書かれている言葉だけはやめることを決してしない。そうすれば、道を拓けるのだ。
もし、息がしづらい方がいるなら、手に取ってみてほしい。
タイトルは『神様のメモ帳』という。ニート探偵と男子高校生のまわりで起きる事件を目に焼き付けてみるのだ。
そして、あのもじったセリフを見つけるのだ!
 
 
 
 
***
 

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2020-11-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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