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自分を出すことは人生を全うする近道


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記事:長谷川順子(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
自分を出すのがこわい。
誰しもがそう思っている。
でも、自分を出さないと何も始まらない。
そのことに気がついた。
 
アメリカ短編小説の講座で、都甲幸治先生が仰った。
「惹きつけられるけれども、わかりきらないもの。そうゆうものが描かれているような気がする」
わからないものを、わかろうとする。
わかりたいと思う。
わからないとモヤモヤする。
そのモヤモヤが嫌だから、なんとか白黒はっきりさせたいと思ってしまう。
例えば、愛するということはどういうことか?
愛って何?
正解はない。わかろうとして、わかったつもりになっても、本当にわかったかどうかわからない。
本を読んだ感想を話す。一人一人いろんな感じ方がある。
ある人が言った。
「発言して思いを話すことで、自分を出すのがこわいです」
ああ、みんな自分を出すのがこわいんだなあと思った。
 
私も自分を出すのがこわい。
本当の自分を出して、どうなるかわからないからだ。
そんなことしたくない。
できることなら、自分を出さずに過ごしたいと思う。
でも、それでいいのか!?
 
自分がいちばん価値があると思っていることを書こうとしたとき、どうしても自分のことを書かざるを得なくなった。自分の思いをさらけだして書く。恥ずかしいこと、こんな胸の内を誰にも知られたくない、と思うようなことを書いた。そんな思いを持って生きてきたことを書かないと、この価値に到達できなかったからだ。
 
いいことと悪いことは同時に起こっているということ。そのことを実感として腑におちたのは、体験を通してだった。
 
書いたものを、皆に見せた。
清水の舞台から飛び降りる覚悟で、思い切ってみんなに読んでもらったのだ。
家族も、親友も、同僚も、恋人も、知らない私を見せる。
そんなことを思っていたなんて知らなかった、と言って驚かれた。
私のなかでは、そんな大きなことでもなく、みんなが同じようなことを抱えていて、みんな似たようなものではないかと思っている。
でも、それを読んで、ますます私のファンになったと言ってくれる人がいた。
友人は、電車の中で読んで、泣いてしまったという。
自分を出すと、人の心に届くのだ。
自分をさらけだすことは、人の心を動かす力がある。
 
ボイストレーニングの先輩が、僕はそんなふうにとても自分を出せない、と仰った。
会社の同僚も、自分にはそんなことできないと言う。
多くの人が、自分を出すのがこわいと言う。
 
私もそうだった。
自分を出すのがこわかった。
でも、やってみたら、こわいようなことは何もなくて、むしろよいことだった。隠すものがなくなった。クリアになった。そのままの私を出して生きていいといわれている気がする。
 
ボイストレーニングの先生には、「本当の自分をさらけ出したら、すっきりしたでしょう」と言われた。
そう、先生は、「本当の自分を出す」というトレーニングをしてくださっているのだ。本当の自分を出すには、本当の声を出す。本当の声を出すと、本当の自分を出せる。
本当の自分を出すために、私はボイストレーニングに通い始めたのだった。でも、なかなかそれができない。本当の自分を出すのがこわい。取り繕ったり、引っ込めたり、偽りの仮面をつけたりして、なんとかして自分を出さないようにして生きてきたのだ。
それは、過去の経験からそのようになってしまっているのだろうけれど、本当の自分を出さないと自分を生きられない。そんなふうに感じて、私は本当の自分を出せるようにするにはどうすればよいかと、ずっともがいていた。
 
ボイストレーニングによって、すこしずつ本当の声を出せるようになってきた。でも、長年の話し方はなかなか簡単には変わらない。
 
いろんな人に、書くことを勧められて、書くことを始めてみる。何を書いたらよいかもわからなかった。当たり障りのないことを書いていたが、つまらない。
私は書くことで何を伝えたいのか。
私が経験してきたことを書いてみた。恥ずかしいことだらけだったけれど、恥ずかしいことを書かないと、経験して得られたことが書けない。自分をさらけ出した。
渾身の文章。
それが、やっと人の心に響いた。
多くの人に読んでもらったのだ。
嬉しかった。
 
自分をさらけ出したら、嫌われると思ってこわかった。バカにされると思って心配していたのかもしれない。
実際やってみると、本当の私の文章を読んで共鳴してくれる人が熱い思いを語ってきてくれた。私に逢って話したいと言ってくださる方々がいた。読んでどう感じるかは人それぞれだと思うけれど、私の書いたものを読んで共鳴してくださる方々は、私と同じ何かを共有されているのだと思う。
自分をさらけ出すことで、自分と同じ何かをもつ人がわかる。クリアになっていく。
世界がどんどんクリアになってゆく。
 
まるで、霧の中を歩いていて何も見えなかったのが、自分を出すことで道が見えてくるような気がする。はっきりとくっきりと、道が見えてくる。
ということは、自分を出さないことには、何も始まらない。
 
自分をさらけ出して、初めて人生が始まる。
 
勇気を出して、自分をさらけ出していこう。
それが、人生を全うする近道なのだから。
 
 
 
 
***
 
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2020-12-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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