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長野でボーっとしませんか


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:KATO RISA(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
今から1時間半か……。
 
4年前のゴールデンウィーク。
おばあちゃんちにいこうと、名古屋からJR中央線に乗って
長野に向かっていた。
 
「特急しなの」もあるけれど、節約して鈍行の各駅停車で
帰省することがほとんどだ。
 
名古屋から3時間ちょっと。
 
ゴールデンウィークにもなれば、日によっては半袖でも過ごせそうな
名古屋から、まだ桜がちらほらと残る長野へと。
 
駅が進み、トンネルをこえるたび、少しずつ季節が巻き戻っていく。
 
本を読んだり、ゲームをしたり、疲れているとずっと眠ってしまう時もある。
 
その日もいつの間にか眠りについてしまっていたようだ。
 
ハッと気がつくと、降りたい駅の降車アナウンスが終わり、
扉がしまっていた。
 
しまった…… 降り過ごしてしまった。
 
すぐ折り返さなきゃ、慌てて次の駅で降りた。
 
折り返しの電車の時間をGoogleMAPで調べ、ふっと笑ってしまった。
 
1時間半後。
 
一駅なら、もはや歩いたほうが早いかも……
 
電車から徒歩に変えて検索し直すと、表示された目的地までの距離は、
10km 約2時間。
 
2、3回検索し直したり、別のアプリで検索もしてみたりするけれど、
 
結果は同じだ。
 
1駅、2駅くらいは歩けるなんて、いつの間に名古屋の感覚に
なってしまっていたんだろう。
 
おじいちゃん、おばあちゃんは免許を持っていないし、
迎えを頼むこともできない。
 
これはもう、降りた駅で待つしかない。
 
電車を降りたのは無人駅だった。
 
誰もいない駅に、木の箱が置いてあり、
「切符はこちらにいれてください」
と手書きされている。
 
電車を降りたのは私だけ。
ホームで待っても良かったけれど、せっかくなので
いったん駅の外に出てみた。
 
駅前には鍵のかかったコミュニティセンターがあるだけで、あとは
民家が並ぶ。ベンチさえない。
 
せめて座って待ちたい。
 
座れそうな大きめの石を見つけ、
そこに腰掛けて、いったん気持ちを落ち着ける。
 
10分、15分と時間がすぎても、車も人も、誰も通らない。
聞こえるのは鳥の声と、風で動く木々の音。
 
スマホを持っているのさえ、違和感があるような、のどかな景色。
「ボーーーーっ」
漫画の飾り文字が空に浮かんできそうだ。
 
名古屋に引っ越して14年、
1時間半外にいて、何もせず、誰ともすれちがわない時間ってあっただろうか。
 
時は進んで2020年。コロナで外出が難しい1年だった。
人との距離を気にして、仕事にも学校にも行けない。
遊びにいくことも、外食も、しゃべることさえ制限される。
 
いつまで続くのか分からないトンネルに、地球ごと入ってしまったような
長い長い不安が世界中に広がっている。
 
コロナをきっかけに閉店、廃業、失業、自殺など苦しいニュースも
たくさん見かけ、コロナが人に与えたストレスははかりしれない。
 
そんな今こそ、おすすめしたいのが長野の旅だ。
 
GoToトラベルも制限がかかっているので、今すぐにとは
いかないかもしれないが、また少し落ち着いてきたら、
ぜひ足を運んでみてほしい。
 
ここに行って欲しい! という特定の場所がうかぶわけではない。
ただ、自然にふれ、自分の心を落ち着けて、
ボーっとする時間をつくってみるのはどうだろうか。
 
「いやいや、さんざんステイホームしたし、ボーっとする時間は
嫌というほどあったよ」 と思われるかもしれない。
 
私も3月ごろにテレワークをはじめて経験し、
5月には会社が休業になり、1カ月間休みがあったので、
時間はいくらでもあった。
 
けれど意外と、ボーっとする時間ってなかったような気がする。
 
「もしかしてこのまま会社にこなくていいよ、とか言われるんじゃ……」
「実家に帰れないけど家族は元気かなぁ」
「みんな家を片付けたり、新しい趣味を
見つけたりしているのに、私は何も始めてないや」
 
先行きのみえない不安が、どこかでいつも頭をめぐっていた。
 
長野の自然は、そんな不安な気持ちを優しく包み込む
母のような包容力がある。
 
何も話さなくても、共に時間を過ごすだけで
不安や悩みが吸い込まれていくような不思議な感覚。
 
ボーっとする時間は、実は、人が安心しきっている
時にしかできない、特別な状態なのかもしれない。
 
だからそのボーっとできる時間をつくるための、
こんな旅はどうだろう。
 
雪景色を堪能する冬のキャンプ。
 
童心にかえって、積もった雪に思いっきりダイブ。
 
かまくらの中で、地元の食材をつかったアツアツの鍋を食べる。
 
山の上から眺める、冬の星空をお気に入りの一眼で撮影。
 
猿と一緒に露天風呂でのんびり。
 
明日への不安を一時忘れ、目の前の景色や、
それをみて生まれる感情で心をいっぱいにするのだ。
 
この一年でぽっかりとあいた心の穴を
うめてくれるような体験が、きっとできる。
 
けれど、あまりにも全国から集まりすぎてしまっても
コロナがやっぱり心配だ。
 
長野は、「長寿県」としても知られており、高齢者割合が全国水準よりも高い。
 
だから、本当に明日に不安を抱えている人だけ行って欲しい。
 
今こそ、ボーっとする時間を。
 
 
 
 
***
 
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2020-12-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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