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メディアグランプリ

広告とお金の本で、育児放棄していた自分に気がついた


*この記事は、「リーディング・ライティング講座」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:武田かおる(リーディング・ライティング講座)
 
 
二年前、実家近くにあるカフェで、キングコングのにしのあきひろさん作の絵本
『えんとつ町のプペル』の光る絵本展が開催されると知った。芸能人の方のイベントのため入場料がかかるのかなと思ったら、イベントへの参加は無料だった。芸能人の方の絵本展がなぜこんな田舎町で無料で開催されることになったのだろうと疑問に思ったが、せっかくなので行ってみようと前知識も無く会場に向かった。
 
夜に会場に行ったのだが、光る絵本展はとても盛況だった。壁に展示されていたいくつものイラスト画は、それ自体が光る仕掛けになっていた。カフェの空間がいつもと違って幻想的な雰囲気に包まれていて、人々をえんとつ町の世界観に一気に引き込んだ。帰り際に、出入り口近くのカウンター近くで絵本を売っていたのが見えたが、とても混雑していたので、絵本を買うのを断念して実家に帰った。
 
それから、月日が経ち『えんとつ町のプペル』のことは忘れていた。時折、西野さんのオンラインサロンの事や書籍の話は耳にしていたが、読む機会が無く時が過ぎた。
 
私はサラリーマンを経てアメリカへの転居で仕事を辞めた。その後、子育てをしながらも仕事ができるようヨーガを指導する資格を取った。自分の好きな分野でフリーランスで働こうと決めたことまでは良かったが、フリーランスで働く人がさらに勉強しなくてはならない分野があることに後から気がついた。それは広告や宣伝を含むマーケティングの分野である。
 
世の中のI T化が進むにつれ、日常生活を始め、消えていく業種や新たに生まれる仕事、働き方やお金の価値、マーケティングの方法なども異常なスピードで変わっていくのを目の当たりにし、焦りだけはあった。売り上げを伸ばすために、いくつかのマーケティング講座を受けた。が、どうもマーケティングに苦手意識があり、思うように学んだ内容を実行できないままだった。
 
販売が苦手なものは苦手なんだから仕方が無いと諦めていたのだが、最近、軽い気持ちで西野亮廣さん著『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』を読んだ。
 
その本を読んで、先ず突きつけられたのは私は「育児放棄」の状態だったということだった。
 
「作品の育児放棄をしてはいけない。お客さんの手に届くまでの導線作りも、作品制作の一つだ。導線作りができていない作品は『未完成品』という認識を持ったほうがいい」(1)
 
マーケティグが苦手だからという理由で、積極的にやっていなかった自分は、サービスをお客様に届けることを放棄しているのと一緒だったと気が付かされた。同時に、お客様に届くまでの導線作りを自らやっていかないと行くことの大切さについて今一度考えさせられた。
 
本書には、西野さんが過去の失敗を踏まえて実行された『えんとつ町のプペル』の販売戦略の成功例の数々が記載されているのだが、驚きの連続だった。本書は3年前に出版されているが、自分が今社会で起こっていることに目を向けていなかったのかという現実を目の当たりにした。と同時に、もっと今は別の新しい常識や販売戦略が生まれていているのだろうと想像した。
 
まず、冒頭に書いた、2年前に、なぜ田舎のカフェで『えんとつ町のプペル』の光る絵本展が行われていたのかの答えを知ることができた。詳しくは本書を読んでほしいが、西野さんはクラウドファンディングを利用をして、光る絵本展の開催希望者を一般の人たちから募っていたのだった。クラウンドファンディングについては、募集案内を見たり、支援したこともあった。だが、販売戦略のツールとして利用できることについては初めて知った。また小技を含めた効率的なクラウドファンディングの使い方とそのタイミングについても学んだ。
 
もう一つ本書を読んで驚いたことは、『えんとつ町のプペル』をインターネット上で無料公開し、結果的に販売部数の増加に結びついたということだ。
 
今までの常識から考えたら、型破りな手法で、当時関係者から多くの批判を浴びたようだ。だが、本書を読み進めるにつれて、絵本をネットで公開することの意味を納得する。実際にそれらが広告として成功し、同じようにコンテンツを無料化する人が増え、新しい販売戦略として確立し成功している例を見ると、逆に、今までの常識に囚われることで失う利益があるかもしれないことを証明している。そして、西野さんは常識を破っているのではなく、時代のニーズにあった新しい常識を自ら作っているのだということに気が付かされる。
 
この本は、広告やお金がテーマである。その一方で、西野さんご自身が、芸人という肩書で絵本を出版したことや、過去にテレビ番組の収録時に急に帰った事で様々な批判を浴びた時の状況について、本音を吐露している箇所がある。本書を通じて、西野さんの自分に嘘がない真っ直ぐな生き方や、自分の利益だけでなく、社会へも貢献するに本当の姿を知り、その信用できる人柄が見えてくる。その事は、「『お金』とは信用を数値化したもの」(2)という本書の一つの理論を実証している。
 
フリーランスで働いていると、自分の評価は気になるのが自然だと思うが、評価を上げるために人に好かれようと人の顔色を伺うことばかりに気を取られていると、常識を疑って行動したり、先見の明を持って物事をみたり行動する力までが失われていくようにも思えた。
 
本書を通じて『えんとつ町のプペル』の制作から販売戦略の裏側を学び新しい広告とお金について学んだことで、作品の制作の経緯から販売戦略のプロセスを読者に本という媒体を通じて開示することに価値があるのだということも学んだ。
 
読後、『えんとつ町のプペル』の無料で公開されているサイトを検索し、絵本を読んだ。それは、子供向けではなくて、私も含めていろいろな事情で行動きないでいる人たちすべての人へのメッセージが込められているように思えて泣けてきた。
 
内容を見て本を買いたいと思った。英訳が付いていることも西野さんのブログで知ったので、地元の図書館にも寄付したいと思った。無料でコンテンツを開示することが、購入に結びつくということをまさに自分の思考と行動で実体験した瞬間であった。不思議だったが、今までの常識がもう通用しないのだということを身を以て感じた瞬間でもあった。
 
本書の最後は、「がんばってください。応援しています」(3)という言葉で締めくくられている。
 
もしも、あなたが広告やお金のことを知りたいと思ったら本書をお勧めする。きっと読了後は、新しい価値観と常識を疑う力、新しく一歩踏み出す覚悟をあなたに与えてくれるだろう。
 
西野亮廣(2018)『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』幻冬舎 (Kindle版)
 
引用文献
(1) 西野亮廣(2018)『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』
(Kindle版)位置No.508/1915 (幻冬舎 作品の販売を他人に委ねるな。
それは作品の「育児放棄だ」)
(2) 西野亮廣 前掲書 位置No. 205/1915 (幻冬舎 キミの才能をころしたくなければ、お金の正体を生活に促えろ)
(3) 西野亮廣 前掲書  位置No. 1152/1915 (幻冬舎 おわりに)
 
 
 
 
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2020-12-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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