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ビジネスはゴールのない駅伝である


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記事:小川卯人(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
ビジネスをしていると、よく耳にする言葉に「戦略」や「戦術」、「競合」などの言葉がある。これらに「競合に勝つには」などの言葉が続いていく。
ビジネスにおける「勝負」について、どの様に表現することが、未来の幹部たちに分かりやすく伝えることができるのか、といつも考えていた。
 
「戦略」や「戦術」という言葉は、もともと戦争で使われる言葉であるので、現在の日本では全くなじみがない。となると、同じ競でもスポーツで説明することができないかと考えた。
 
ビジネスをスポーツに例えるとどの様に伝えることができるのか。
ボクシングや柔道などの格闘技か、サッカーや野球などの球技か、これらのスポーツでも「戦略」や「戦術」などの言葉が使われるが、ビジネスに例えようとすると、どれもしっくりこないのである。
団体競技であることは間違いないが、ビジネスとは、ライバルである敵と直接対峙するものではないと考えている。
 
年末年始になるとなぜか駅伝のテレビ中継が多くなる。ある年末、いつも通り駅伝の中継を観ていて、ふっと、気付いたことがある。
ビジネスは、ゴールのない駅伝ではないか。
 
「戦う相手は、環境と自分自身」
駅伝にもライバルとなる他のチームが存在しているが、直接、戦わなければならない相手は、天候とコースと自分自身である。
試合当日の天気や気温、コースの特徴や状況、自分のチームの各自の状態把握、それに合わせたペース配分、でベストタイムを狙う。
試合では、ライバルチームの存在も心理的、体力的に影響するので、その意味ではライバルチームを意識する必要はある。
しかし、本質的に戦う相手は、環境と自分自身なのである。
 
これらの感覚は、ビジネスでも全く同じである。
世の中の流行りを読む、あるいは、流行りを創り、自社の商品を開発し品質を高め、世の中に認められ購入してもらう。
ライバル社はいるが、それはあくまでも比較対象でしかない。
まさしく、戦う相手は、環境と自社なのである。
 
「自分勝手で楽なペースで練習し試合をしていては勝てない」
常勝チームであっても、自分のペースで楽な練習をしていては、決してタイムを伸ばすことができない。また、常勝していたときの練習を同じようにやっていては、いつかは勝てなくなる時がくる。
いつでも、ライバルチームを意識し、より速いタイムを目指すための新しいトレーニングを取り入れることにより、本当の常勝チームとなるのである。
 
試合で勝つため、ベストタイムを出すため、には、走るコースの特徴や自分たちのコンディション、ライバルチームの実力など、相対的な関係で決まってくる。
 
ビジネスの世界でも、自社だけが良いと思って作った商品が全く売れない、ということがある。これは、世の中の「声」を無視した結果、つまり、自分のペースだけでモノを作った結果、そうなるのである。
また、今まで売れてきたものを常勝パターンとして考え、何の工夫もなくモノを作り続けていても、いつの間にか世間の流行りから取り残されたり、いつの間にかライバル会社の方が良いものを作っていたり、して、自社がお客様から選ばれない存在になっていくことになる。
 
さらに、最悪なことは、駅伝でもビジネスでも、自分の意思で歩みを止めることである。
自分の意思で歩みを止めるのは勝手であるが、それは、負けを意味している。ビジネスでは廃業であろうか。
 
「次の世代につなぐタスキ」
駅伝は、マラソンと違い長距離をチームでタスキをつないで走るスポーツである。
一人でも完走できなければ、ゴールにたどり着けない。
だから、走っている当事者は、これまでタスキをつないできたメンバーのため、これからタスキをつなぐメンバーのために、必死になって走るのである。
 
ビジネスにおいても、自分たちの世代で終わらせずに、次の世代にタスキをつないでいく必要がある。
長い歴史を持つ会社であれば、会ったこともない大先輩たちが、それぞれの時代の荒波に揉まれながら適応し、お客様に信頼されたことにより、脈々とここまで営んできたのである。
 
我々の世代においても、現在、起きている様々な環境に適応できるように工夫して、お客様から信頼を得て、しっかりと走り、未来の社員へ永遠にタスキをつないでいく必要があるのである。それがビジネスを行う会社に求められることなのだ。
 
ビジネスとは、通過点はあるが、ゴールのない駅伝なのである。
 
 
 
 
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2020-12-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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