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程よいゆるさが社会を良くする


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:西部十翔(チーム天狼院)
 
 
社会課題は、終わりのないジャングル迷路だ。
一つの問題が完全に解決することなんて、多分無いし、本質的な課題解決のアプローチが何かすらわからない。一見、問題にアプローチしているように見えても、トレードオフで他の問題を生んでいることだってあると思う。
 
日本には、たくさんの社会課題が存在する。
食品ロスや海洋プラスチック問題、児童虐待、自殺、貧困、少子高齢化、まだまだ自分が深く知らない社会課題が山積していると思うと、危機感や使命感といった、さまざまな感情が押し寄せてくる。かく言う僕も、世の社会課題に意識を向け始めたのは、大学生になってからのことだ。きっかけは、ドイツで行われたとあるプログラムに参加した時のことだった。そこで、同じ世代で既に自分で事業を興しているドイツの社会起業家から、こんなことを言われた。
 
「日本とドイツはよく似ていると言われるけど、それぞれ異なるさまざまな社会課題が存在するよね。ところで、君はどんな問題を解決したいの?」
 
返答に戸惑った。
関心程度であれば、たまに勉強したり、調べたりしているものはある。
だが、ドイツの彼のように自分の人生をかけてこの問題を解決するぞ、というような熱量や志は僕には無かった。
もちろん無いからと言って卑屈になる必要はないと思う。
ただ、国は違えど同世代の人間が、ここまで社会課題に真摯に向き合い、高い志を持って物事を考えていることに衝撃を受けたのだ。
彼の話や活動に刺激と感銘を受けたと同時に、僕はその日以降、社会課題を少しずつ自分ごとに捉える努力をしていった。そして、社会課題解決に少しでも寄与できるようアクションを起こしていくことを誓った。
 
冒頭から繰り返し述べてきた、社会課題。
 
その中でも特に関心が強かったものが、食品ロスの問題。
平成29年度の環境省の推計では、日本でまだ食べられるにも関わらず捨てられてしまう食品は年間612万トンも発生している。その莫大な量の食品ロスを廃棄するため、ごみ処理には多額のコストがかけられ、ゴミを焼却することによって、多くの温室効果ガスを排出する。食品ロスは地球温暖化のような環境問題にも大きく影響しているのだ。
しばらくの間、論文を読んだり、イベントへの参加などを通して食品ロスにまつわる情報をひたすらインプットしてきた。
そして、ここから話の本題に入るのだが、それまでは自分ひとりで完結する学びや行動を行ってきたが、ある日を境に次のステップとして、自分の周りの無知・無関心層に問題を知ってもらうべく機会づくりに注力した。
そこで、はじめに行ったアクションがSNSでの啓蒙的な発信。
それまで美味しいご飯やひとり旅の写真をアップしていた僕のインスタグラムが、急に食品ロス関連の投稿やストーリーに染まっていった。その上、「○○すべきだよ」「こんなデータがあるよ」といった理屈で周囲を干渉し、危機感を煽るようなやり方で発信をしていた。おそらく、一部の人たちからは俗に言う意識高い系に認定され、引かれるケースもあったのではないかと感じる。その中でも、もっと詳しい話を聞きたいと興味を持ってくれたり、メッセージを頂いた子も何人かいたので、問題を知ってもらうという意味では全く効果が無かった訳でもない。ただ、このやり方では、多くの人に興味・関心を持ってもらえないし、周囲との人間関係は崩れる。なんと言っても、発信している自分自身が全然楽しそうではなかった。いつの間にか僕はこのアクションに対してある種の使命感のようなものを持って、日々やらされている感覚を覚えてしまっていた。
これでは到底、持続可能ではない。
一人ひとり置かれている立場や状況、価値観が異なる中で、一方的な自分軸で伝えることがいかに乱暴なやり方だったことか今でも反省している。論理や感情論だけでは伝わらない、それらを超える別の何かが必要だと感じた。
 
そして、その答えを自分なりに見つけることができた。
 
それは、「誰でも気軽に、気負いなく、楽しく」
 
この3つが社会課題を自分ごとに捉えてもらえる入り口のキーワードになるのではないかという結論に至った。
問題の深刻さを知り、危機感や使命感を持って取り組むことは、非常に素晴らしく尊いことだと思うのだが、やっぱり全員ができることではない。僕自身、その向き合い方で疲弊した一人なので、心身ともにヘルシーでは無いことがよくわかった。もちろん場合によっては、そのスタンスが適している人もいるかもしれないが、多くの人を巻き込むという点では少々ハードルが高いように感じる。
可能な限りハードルを低く設計した方が幅広い世代の多くの人を巻き込める。
 
実際、前述した3つのキーワードを意識して食品ロスの問題を深く知ってもらうべく料理イベントを一度開催したのだが、それが想像以上に好評だった。参加した方の紹介でとある小学校から、生徒の保護者向けに開催してほしいと依頼を頂くほどだった。しかし、それより嬉しかったのが、イベントに参加してくれた僕の友人たちが、問題についてお互いの意見や考えを共有し合っていたことだ。その光景を目にしたときに確信した。
自分が伝えたい問題・コトを知ってもらうべく興味・関心の輪を広げるためには、3つのキーワードに共通する、程よいゆるさが必要なのだと。もちろんこれが最適解ではないかもしれないが、僕の中では、社会課題を含め何か目的を持って発信をする際やイベントのような機会づくりをする際は、この程よいゆるさを意識してこれからも取り組んでいけたらと思う。
 
 
 
 
***

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2020-12-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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