メディアグランプリ

ハロウィンの想い出


山田さん ハロウィン

記事:SHOJI THX YAMADA(ライティング・ラボ)

 

ハロウィンのニュースを見て、遠い昔のことを想い出した。

先に述べておくが、実は小生、イベント大好きである。元旦の初詣から、年末の‘歓喜の歌’迄(あえて、紅白歌合戦は除いています)年がら年中、イベントをしているといっても過言ではない。

イベントとは、友人知人と集うことと考える。

中学高校と男子校で過ごした小生達にとって、当時、一年の最大イベントは学園祭だった。当然、目当ては来校する女子高生であり、最大のミッションは、女の子と知り合うことである。
思い出すと、年に一度の解禁日、まるで七夕の彦星に似た心境だったのだろう。

「友人のカノジョには声を掛けない」
「ナンパしているところを邪魔しない」
「運良く有名女子高生と知り合ったら、その友人を友達に紹介する」
「三人の電話番号をゲット出来たら、潔く撤退する」
「頻繁に情報を交換する」
といった、訳の分からぬ、今となっては微笑ましい暗黙の了解の上で、必死で声を掛けまくったものだ。
この熱心さで、何らかの勉学をしていれば、今頃一角〈ひとかど〉の人生を送れていたことだろう。

今風に言えば、世の中全体(小生の周りが特にひどかったとも思う)が、超肉食男子が主流だったのだ。
何せ、学校におけるヒエラルキーが、勉強出来る奴、スポーツが得意な奴、小遣いが多い奴、ましてや品行方正な奴を押さえて、ダントツに女の子にモテる奴がトップに君臨していた。

現代の若い方々には信じられないだろうが、日本にハロウィンが定着したのは、つい最近の事である。名作映画の『E.T.』にハロウィンのワンシーンが有り、それによって知った人も多かった。1982年の年末の事である。

自慢話になってしまうが、小生はそれを遡ること3年程前にハロウィンを知ることになった。
学生時代、多摩地区の映画サークルで知り合った米国人の友人(残念ながら男!)に、10月末の土曜日にパーティに誘われた。ハロウィンパーティだ。拙い知識で「カボチャを持っていくのかい?」と尋ねたところ、笑いながら「そんなバカなことはしなくていい。但し、少し扮装をしてくること」と答えてくれた。

当日、当時流行っていたミリタリールックで参加することにした。レイバンのサングラスを掛け、カバンの中には紀伊国屋本店1Fの喫煙具やの店頭ワゴンに在った、コーンパイプ(確か200円!)を入れた。
少し心許無かったので、友人宅(立川)へ向かう前に、そこを通り越し福生の横田基地の近くまで行った。
中古の安いミリタリー帽を手に入れる為である。

もうお判りだろう。当日の小生は、ダグラス・マッカーサー元帥のコスプレのつもりだった。

定刻通り友人宅に着き、ノックもそこそこに
「Trick or Treat」
と言いながら勢いよくドアを開けた小生は、一瞬で唖然となった。
そこには既に、5人もの元帥が居たのだ。勿論、全員米国人だ。彼らに、
「Hey! Japanese Douglas!」
と声を掛けられ、何だか赤っ恥をかいた気分になったものだ。
それでも、日本男児として恥をかいては引き下がれない。何とか一人の女性(日本人)と仲良くなり、単身帰る屈辱だけは避けられた。

そのような訳で、小生にとってイベントとは、女子と知り合うか異性と友に参加し過ごす場と考えている。
この観点から見ると、昨今のイベント、特にハロウィンは何だか変化している気がする。
今年のハロウィン、渋谷や六本木でコスプレをしている若者を見ていると、少し薄ら寂しく思ってしまった。
同性同士の、空騒ぎに見えたのだ。

「時間の余裕が有る内に、もっと手間を掛けては?」と、既に時間の余裕を失った世代からの進言で有る。
男同士で注目を集める為にコスプレする位なら、ナンパしに行こうよ!

で、今年のオッちゃんはハロウィンをどう過ごしたか。
勿論、天狼院のパーティに出席して、周りのコスプレを見てましたよ。
自分は、拒んだけどね。

 

***
この記事は、11月まで開催していた「ライティング・ラボ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
2015年12月からはラボからさらにパワーアップした「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、店主三浦のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

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2015-12-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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