メディアグランプリ

これからの時代は製造業だ!


中井さん 製造業

 

記事:中井 康人(ライティング・ゼミ)

 

これからの時代は製造業だ!と唱えると「日本ではコストが高すぎて、国内で製造となれば、高品質、高付加価値製品しか製造する意味はないだろう」とか「製造業なんかはもう中国の時代だよ。」あるいは「これからはベトナムとかミャンマーかな」といった声が聞こえてきそうである。

しかしぼくは確実にこれからの時代は製造業だと言える。その理由は技術革新にあり、その中心に位置するのは3Dプリンターである。3Dプリンターを使うことによってだれでも簡単に樹脂を成形、つまり樹脂製品を作り出すことができる。

3Dプリンターの理論は簡単である。たとえば、紙に印刷するインクジェットプリンターがあるが、これのインクに相当する部分が3Dプリンターでは樹脂になる。そして3Dプリンターではノズルの先端からインクの代わりに樹脂を吹き付けていくことになる。ただし、インクと違うところは樹脂なので、吹き付けてからさらに上塗りが可能になる。そして上塗りを繰り返すことによって立体的に形を作っていくことができる。これが3Dプリンターであり、3Dプリンターと言われるゆえんである。

このように樹脂で作るため、3Dプリンターで作られる製品は、おもちゃとか、簡単な置物とかしか作られないのではないかと思われがちだが、驚くなかれアメリカでは3Dプリンターを使って実際に電気自動車を作ったとのニュースも出ている。

さらに3Dプリンターで使える樹脂の種類も増えてきており、最先端の3Dプリンターでは航空機やF1マシン、人工衛星にも使用されている炭素繊維も3Dプリンターで使えるようで、実際に3Dプリンターで炭素繊維製部品が作られているそうである。

それでも、まだまだ航空宇宙とか最先端医療関係とか、予算がふんだんにあるプロジェクトには使えても一般社会ではコストが高すぎて使えないと思われているし、自分で作らなくても市販品のほうが品質が高く、価格も安いと思われている。

しかしムーアの法則を思い出してもらいたい。コンピューターはどうであっただろうか。今から40~50年前は確かに主に航空宇宙関連をはじめとする最先端科学技術分野でしか使われなかったコンピュータが今や子供でも持っている時代である。当初の普及度合いはゆっくりとしたものであったが、一度火が付くと爆発的に普及し、普及率、コストともに今までの技術革新のときの普及とはちがう様相をみせたわけである。まさにデジタル時代を象徴するムーアの法則の通りになったのである。

そのようなデジタル世代がたどってきた過去を振り返ってみるとおそらく3Dプリンターもムーアの法則に従って普及し始めると急速に普及率が高まり、コストが安くなっていくであろう。

さて、ここで本題に戻りたい。今は製造と言えば、工場での大量生産である。そうすることによってコストを下げている。しかし工場で作るという発想をやめて、工場自体を安く作ってそれを販売するという発想の転換をおこなったらどうであろう。

その安く作るという工場、それが3Dプリンターなのである。プリンターという名であるが、それは実質工場である。3Dプリンターは確かにまだまだ高価で普及していないがそれも時間の問題である。

工場はコストの削減と品質向上を追及するため、グローバルに展開し、より安いコスト、品質を求めて、今は中国であっても、次はベトナム、ミャンマーと次々とその拠点を変えていく。

しかし、最終的にはどこかで頭打ちになるだろう。それはどこか。それは工場で生産するコストよりも個人が3Dプリンターで生産するコストが安くなるときである。それを境に個人が3Dプリンターで生産するほうが安くなり、逆に工場で生産したほうが高くなっていくだろう。

人が計算や文書作成を手作業でやるよりもコンピューターでやったほうが正確で、コストも安く、スピードも早くなったとき、一気にコンピューターが普及していったときのようなものである。

そして、未来では工場で生産されたものが高くなって、個人が3Dプリンターで生産したものが安くなるというようなことになるであろう。

そうなると、現代社会でIT格差と言われるようにパソコンを持ってネットで情報を得ている人々とパソコンを持たずに従来の方法でしか情報を得ていない人々との間に格差が生じるように、未来は3Dパソコンを持っているか、持っていないかで格差が生じることだろう。つまり3Dプリンターがなければ、優位に立てなくなるということである。

さて、この3Dプリンターであるが、問題はそれを使うためには3D図面が必要だということだ。もちろん3D図面はだれかが用意してくれるだろう。しかし、3D図面を作るには3DCADというソフトを使って作図しなければならない。そして3Dプリンター、3DCADともにアメリカ企業が市場シェアを握っている。3Dプリンター、3DCADを使えば使うほどアメリカ企業が潤うわけだ。

さらに日本で製造業が廃れて優れた3D図面を書く技術者がいなくなっていたらどうなるだろう。そうなると3D図面も他国製品の3D図面を使わなくてはならなくなる。つまり日本ではなに一つ自前で製造することができなくなるわけである。

日本メーカーが生産拠点をより安いところへと移転し、国内では産業空洞化と叫ばれている間にアメリカは着実に3Dプリンターと3DCADという技術革新によって世界の製造業の勢力図を塗り替えようとしている。これらの理由から、「これからの時代は製造業だ!」であり、国内製造業回帰を促したいと思うのである。

 

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2016-01-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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