メディアグランプリ

本物の学校〜福岡コスプレ学園〜


橋本さん 本物の

 

記事:橋本和憲(ライティング・ゼミ)

 

「福岡天狼院」という書店がある。お店は表通りには面しておらず、どちらかと言うと裏通りにある。場所自体は、福岡県でも経済の中心地である「天神」にあり、繁華街と言える。そこから一本路地に入っただけで、ここまで静かになるのかと思える程である。かと言って、利便性は全く損なわれておらず、ちょっと歩けば全てが揃っているので困る事はないだろう。

店主である三浦さんは、元々東京で「天狼院書店」を開店させた人物である。そこには「狂気」と思えるほどの熱意を持って「世界一の書店」、最低でも「日本一の書店」を作り上げてやると本気で考えている起業家だ。そんな三浦さんは、初めての地方展開として福岡県を選んだ。日本で5大都市と言われる中で、何故か一番本拠地から遠く、一番人口の少ない「福岡」を選んだ。普通ならば2番目に大きい「大阪」、もしくは東京から一番近い「名古屋」を選びそうなところを、である。

本当の理由は三浦さんにしかわからないが、理由のひとつに食事が美味しい事が考えられる。福岡に来た時、三浦さんがよく口にするのは「この味とボリュームで、こんな値段は考えられない」である。冒頭でも書いたが、東京と違って福岡は、福岡天狼院から歩いて全てが事足りるので、とても便利である。それは飲食店にも言える事で、名店と言われるお店も集まっている。その為、「福岡に来ると太るんだと」嬉しそうに語ってくれた。天狼院に来る地元のお客からも常に情報をもらっており、仕事の合間をぬってお店の開拓に勤しんでいる事だろう。そんな事から、店主自ら福岡天狼院の店長になったのも頷ける。

地方展開が出来るほどに天狼院書店が躍進しているのは、ただの書店ではないからだろう。福岡天狼院にしても、この界隈にある書店からみればかなり小さい。恐らく、一番小さい書店ではないだろうか。当然、品揃えも他と比べれば圧倒的に少ないが、それでも多くのマスメディアに取り上げられるのは、「READING LIFE 本を通した体験」があるからではないだろうか。プロを講師に招き部活や、ラボ、ゼミと称して様々な体験や勉強をする事が出来る。書店というよりも勉強するための学び舎、「学校」に近いかもしれない。

「くらて学園」という学校がある。正式にはイベントの名前であるが、その開催場所は正真正銘の「学校」である。学校の統廃合において2015年3月に閉校となった「旧鞍手南中学校」をそのまま「コスプレ」イベントの会場にしてしまったのが「くらて学園」である。

場所は福岡県鞍手郡鞍手町という「ぶどう」が特産物の地域であり、とても自然が豊富な場所である。どちらかというと交通の便も良くない事から、自家用車が必須といっても過言ではない。そんな利便性が悪い場所にもかかわらず、くらて学園開催時には多くの参加者が集まる。ゲーム、マンガ、アニメ、さらにはドラマや映画において「学校」という場所が舞台になる事は決して少なくない。多くの人が実体験として学校を知っているかと思うが、いざ卒業してしまうと、学校の先生になるか選挙の投票でしか学校に足を踏み入れる事はない。近くて遠い存在が学校である。

コスプレの楽しみ方は、衣装を着るだけではない。それならコスプレイベントだけで事足りてしまう。そうではなく、コスプレを「写真」という「作品」に昇華させる考え方がある。作品と全く同じ格好をした上で、そのイメージ通りの場所で写真に残す。当然、自分では撮影出来ないのでプロ、もしくはセミプロのカメラマンにお願いする事になる。仕上がりは時に、芸術作品となる。その事から、撮影する場所というものが重要になってくるが、先ほども述べたように学校という場所は撮影の難しい場所といえる。コスプレ写真を撮りたいので学校内に入りたいと申し込んでも、許可が下りる事はまずない。スタジオで撮影する事も出来るが、どうしても大道具のようなセット感が出てしまう。その事から、追求していくと本物の学校で撮影したいという要求が出てくるのだが、その答えのひとつとして「くらて学園」がある。

実は、廃校を利用したコスプレイベントというのは全国的にみても珍しい。行政側が許可しないのである。しかし、くらて学園は「鞍手町」という行政側が主催という事でこれも大変珍しい。廃校の利用方法としても成功している事から、国の「地方創世先行事業」にも選ばれており、他の自治体や海外もから視察にくるほどになっている。

現在はコスプレがメインとなっているが、環境が整備されれば漫画家や声優の育成を目的とした「インキュベーション事業」もスタートする計画があり、サブカルチャー分野における多くの体験が出来るようになる。廃校がサブカルチャーの学校として再生されるのである。

これにも狂気に似た熱意を感じる。最近、国家戦略として福岡が「IT特区」に指定されたのは記憶に新しいが、サブカルチャーにおいても大きなムーブメントが起きている。今、福岡が熱い。

 

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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2016-01-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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