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【受験シーズン到来】大学を選ぶ前に読んでほしい。二浪までして入った東大を彼が一年で辞めた理由


田村さん 受験シーズン

記事:田村将太郎(ライティング・ゼミ)

 

東京大学。言わずと知れた、我が国の最高学府であり最難関大学である。過酷な受験戦争を勝ち抜いた才能ある「エリート中のエリート」だけが入学できる、いわば「勝ち組」だ。
東京大学は、ある種特別な大学なのである。

そんな東大に、私の高校時代の同級生が入学した。しかも、二浪した上で、だ。その東大に合格した私の友達を仮に 「Tくん」と呼ぼう。Tくんが合格したことは、別の同級生から聞いた。私とTくんは、かなり仲の良い友達だったが、Tくんの方が浪人していたということもあり、久しく連絡を取っていなかった。が、まさか東京大学に合格してしまうとは。急にTくんが遠くに行ってしまったような気がしたが、とても嬉しかった。きっと相方が急に芥川賞をとった、ピース綾部の気持ちはこんな感じだったのだろう。喜ばしいけれど、別の世界に行ってしまう感じ。そのニュースを聞いたのは今年の1月頭。彼が東大に入ってから一年が経とうとしていた時だった。仲のいい友達が東大に入っても、一年間も私は知らなかったのか。まあ、そんなものか。少し自分が寂しい人間だと思った。

それからおよそ1ヶ月後。ケータイが鳴った。それはTくんからだった。内容は「新宿で飯食おう」
彼の話を聞いてすぐの出来事だったので「タイムリーだなあ」と思いつつ、純粋に嬉しかった。
彼がどんな生活をしているか興味があった。会うこと自体何年ぶりだろう。仲のいい友達と久しぶりに会うという時点で楽しみであるし、それに加えて東大のことを聞いてみたいとも思った。私は即諾し、翌日に会うことになった。

即席麺のごとく、出会って3分で、我々の関係は高校時代に戻った。遠いところに行ってしまったと思ったTくんは、昔と同じの等身大のTくんだった。
お互いに昔から全くモテなかったので、浮いた話も早々にネタ切れ。20歳そこそこの男同士、お互いを「情けないなあ」と思いつつ、私は話を切り出した。

「そういえばさあ、東大入ったんだってね。おめでと」
するとTくんは驚くべきことにこういった。
「ああ、もうすぐやめるけどね」

!?!?
え、なんで!?
せっかく東大入ったのに? 末は博士か大臣かなのに? 二浪もしてせっかく「勝ち組」の仲間入りをしたのに!?

もったいない! それは自ら出世へのエスカレーターから降りるような行為にも思えた。
「安定した未来」行きへの切符を捨てたことにも思えた。
せっかく植えた花を刈り取るような行為にも思えた。
なぜそんなことになったのか。

聞くとTくんは、東大に入学すると同時に、スマホアプリのゲーム攻略記事を書くアルバイトを始めたらしい。もともとスマホアプリのゲームが好きだったというTくんはそのアルバイトに楽しさや、やりがいを感じるようになる。そんな風にイキイキとバイトをしていたTくんにある転機が訪れる。それは、その会社の社長から直々に、正社員にならないかというオファーを受けたのだ。
Tくんは相当迷ったらしい。ここで入社してしまうと当然、時間的に東大へ通うことは難しくなる。しかしながら、その記事を書く仕事もすごく好きで楽しかったし、ウェブサイトを作るという自分のやりたいことともマッチしていた。
そうして考えた結果、二浪して入った東京大学を一年で中退する決断をした。
周りの人には誰一人賛成してもらえなかったらしい。
それにしても、なぜ彼はそこまで思い切った決断をすることができたのか。
それには彼の「大学」「仕事」に関する考え方があった。

そもそも、なぜ大学に入るのか。大学に入る意義とはなんだろうか。
大学に入って卒業して、「学歴」という花を咲かせること。それが、ほとんどの人の大学に入る意義だろう。その花で自分を飾れば、就活に有利。とりあえず「入学」という種を蒔き、育てるだろう。
有名大学、俗に言う「いい大学」という、綺麗な花が咲くような、貴重な種は時に奪い合う。
しかし、その花は本当に「自分の好きな花」なのか。花を咲かせたいのか自分を飾りたいのか。その花はどんな実をつけるのか。その実は美味しいのか。
そんなことは考えず、綺麗な花が咲けばいいのよ、と「いい大学」に行こうとする。

「東大」なんていうものは綺麗な花の最たるものだ。
確かに「東大卒」という花は、大きくて、綺麗で、立派な花かもしれない。自分を豪華に、絢爛に飾ってくれるかもしれない。しかし、Tくんにとって、その花は育てたいものとは違った、それだけのことだったのだ。
Tくんは、その会社に入ることによって、彼好みの花、もしくは果実を育てることができると感じたのだ。

高校卒業、大学受験。我々若い世代は、なるべく綺麗な花が咲く種を求めて、競争し続ける。そこで「いい種」を手に入れると「勝ち組」、できなかったら「負け組」。
でも、そのような競争社会では、どんな花が咲くかしか考えずに種を取り合っていないか。「花」自体を食べるわけにはいかない。花が咲いた後には必ず「実」がなる。実がなって初めて食べることができる。
大学という種を選ぶ。そして育てた種は花を咲かせ、やがては実をつける。その実を食べて生活するということは、つまり、学んだことを活かして仕事をし、食べていくということだ。大学を卒業した後に、就職してお金を稼いで生活するということだ。
蒔いた種によって、どんな実を食べていくかは決まってくる。何を学んだかによって何をして食ってくかが変わってくる。それによって人生の「味」が変わってくる。
どんな花が咲くかしか考えずに、どんな実をつけるのかを知らずに種をまいてしまうと、育ててみて「こんな実が食べたいんじゃなかった」という状態に陥ってしまう。

大学受験に成功して、有名大学に入って3年。いざ就活を控えたものの、何を自分がしたいかわからない。

私の周りの友達も、目前に就職活動を控え、こういうことをよく言っている。講義に出て、レポートを提出し、手塩をかけて育てた花。それが実を結ぶ時。本来であれば一番の喜びである収穫の時。しかし、その実は嫌い。食べたくない。
こんなにもったいないことがあるか。そんなに悲しいことがあるのか。あなたが育ててきた種は何だったのか。
それは、その種がいけないのではなく、その種のつける実をよく知らなかっただけなのだ。

「いい大学」になんか入らなくったっていい。好きなことが、めいっぱい、学べる大学に行って好きな仕事で食ってこう。
「好きな実がなりそうな種」を蒔いてそれを一生懸命育てよう。

大学だけじゃない。仕事がつまらないという人。何がしたいかわからないという人。
あなたの今育てている「実」は美味しいですか?
美味しくないのならそれを育てるのはもうやめよう。
自分好みの「実」をつける種を探そう。
綺麗な花が咲かなくったっていい。大根のように美味しいところが土に埋まってたっていい。
他の人が、まずそうだねと言っても、あなたにとって美味しければいい。
大学に行ったのは無駄? 今まで育てたのがもったいない? 失敗が怖い? そんなことはない。失敗した作物も畑の「肥やし」となって次の種をより美味しくしてくれるから。

そして「種」はどこにだって落ちている。大学で勉強したり、就職することだけが「畑仕事」ではない。ネットの記事を書いて発信し続けたっていい。絵を描き続けたっていい。自分の街を掃除したりしても面白いかも。
とにかく好きな種を蒔いて育てて、蒔いて育てて。どんな種だって実をつける。「好き」を「本気」にしたらそれは「仕事」になる。
お気に入りの「種」を見つけるまで何回もチャレンジしてみよう。畑は耕せば耕すほど、より良い土になっていく。いろんな種を育てると次の種を育てるときに活きる。それが経験だと思う。

さあ好きな種を蒔こう。育てよう。あなたにぴったりの種が見つかるまで。
さあ好きな実を食べよう。味わおう。その喜びで世の中を満たそう。

 

***
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2016-02-18 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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