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メディアグランプリ

バスケ界のスティーブジョブス


 

記事:石川祥一郎さま(ライティング・ゼミ)

 

「カリーはバスケ界のスティーブジョブスだよ」

興味を魅かれて開いた雑誌のページのインタビュー記事にそう書いていた。

 

 

だいぶ長くなった髪を切りに美容院に行った際に、3冊ほど雑誌を渡された。

美容院で渡される雑誌というのはファッション系からカルチャーものまで色々あり、正直いつも読むものが決まっているわけではないので、出されたもので興味のあるものから目を通す。

普段全く目にしない雑誌には、普段目にしない世界と繋がっているケースが多い。

最近は意図的にそういうものに触れる機会を増やそうとしていたが、やはり目次に自分の既知の世界で気になるコンテンツがあると目を奪われてしまう。

 

出された雑誌の一つにNBAの特集記事があったのだ。

NBAとはナショナルバスケットボールアソシエーションの略で、プロのバスケットボールリーグである。

野球で言うメジャーリーグであり、言うまでもなく世界最高峰である。

日本人でコートに立ったのは1人しかいない。

 

私は小学3年生からバスケットボールをしており、2シーズンほど小学生のバスケチームのコーチもしていた、

バスケに関してはかなり好きなほうであり、NBAも会社の昼休みには試合結果や最新ニュースをチェックしている。

社会人になりプレーすることは疎遠になりつつあるが、やはりバスケは面白い。

 

カリーとはNBAのチームであるゴールデンステイトウォリアーズのエース選手であり、今最もホットな選手である。

NBAを観ない人に説明するならば、スラムダンクの宮城リョウタと三井寿を足したようなプレイヤーでという説明がしっくりくるかもしれない。

シンプルに説明するとドリブルとシュートセンスがずば抜けているのだ。

特にスリーポイントシュート(ゴールの遠くから放たれる難易度の高いシュート)の精度は素晴らしいの一言である。

 

おそらく一般的にバスケットボールに親しみがない人たちからすると何のことかもわからないし、いったい何が

スティーブジョブスなのかという疑問がでるかもしれない。

一般論としてバスケットボールというのは確率のスポーツである。サッカーなどと違い、目まぐるしく得点を入れ合うゲームというのが1つの特徴である。試合中には何度も何度も得点する機会が訪れる。

 

それゆえに、勝つ可能性を高めるには自分のチームがいかに成功確率の高いシュートを打ち、いかに相手チームに成功確率の低いシュートを打たせるかという考え方になる。

そして、成功率が高いシュートというのは大きく分けて2つあり、フリー(ディフェンスが近くにいないこと)で打つシュートとゴールから近い場所からのシュートがある。どんなに上手い選手でも100%のシュート成功率でいることは不可能であるので、基本的には試合の中で確率の高いシュートの機会を、いかに多く設けるかをチームで取り組む必要がある。

 

逆に、成功確率の低いシュートというのはディフェンスが近くにいる状態でのシュートとゴールから遠いシュートである。

 

カリーの何が凄いかというと、この「ディフェンスが近くにいる・ゴールから遠い」という条件を満たしている状態でズバズバとシュートを決めていくのだ。

スリーポイントシュートの確率はシーズンを通して約45%であり、この数字は平均的な選手よりも10%以上多い。

 

何がスティーブジョブスかというと、今までの基本的なバスケットボールの理論を無にしてしまう革新を起こしたという点である。

セオリーでは確率が低いはずのシュートが入り続けるのだ。

普通はそういうシュートを乱発すると入らないのでチームの流れも悪くなるし、相手からすると好都合である。

それが入り続け、チームに勢いをもたらし、結果として勝ち続ける。

今までの勝つための理論が通じないのだ。

 

その記事の続きにはこんなコメントもあった。

「カリーのおかげでバスケ界はダメになってしまっている」

バスケをしている子供たちが基本的なセオリーのバスケットを理解しようとせず、カリーの真似をしてスリーポイントシュートばかり打つようになったというのだ。

 

確かに指導者を少ししていた身としては分かる部分があった。

基本を教える段階でカリーのようなプレーを行っていればおそらく矯正してしまうだろう。

まずは基本的な考え方を身につけなさいと言って。

 

でも、ふと疑問が浮かんだ。

「基本は別として、理論が成立しない例が出てきているのに、頑なに理論を押し付けるのはいいのだろうか?」

理論とは複数の事象から帰納的に導かれたものに過ぎなく、それが真理というわけではない。

 

まだまだ基本的な理論の方が確率論的には正しいとして、例外の存在を臭いモノに蓋をする式の対処をしていいのだろうか?

 

元々の前提が崩れた場合、仮に自分が教える立場だったらどう説明するだろうか?

どう指導するだろうか?

 

これはあらゆることに通じると思った。

日本人的な人生設計の話も確実に両親世代の前提が崩れているため、そのままの理論を当てはめた自分の人生を考えることは難しくなっている。

きっと自分に子供ができた時も同じことが言えるだろう。

 

企業でさえ過去の勝ちパターンで勝ち続ける事が出来なくなっている。

その手法が一昔前は「常識」や「基本」といわれていたにもかかわらず。

 

理論というのは過去の集積により形成されたモノに過ぎないが、人はそれを真理や事実と混同して生活している。

しかし、盤石に見えるダムの壁が少しのヒビで決壊するように、ちょっとした前提が崩れただけでダメになってしまう。

世界は変化が早く、より複雑になっているという話をよく耳にするが、色々な所でそういう現象があるのだなと

感じずにはいられない。

 

娯楽のつもりで読んでいた記事から、なぜか小難しいことに考えが飛んでいる。

気がつくと髪を切り終えさっぱりしていた。

 

次に来るのは春ですね、などと他愛もないない会話を、定員さんに挨拶をして美容院を後にした。

 

その美容院もいままで個人事業主的経営が一般的だった所を法人化して組織造りを進めているらしい。

本当に変化は早い。

 

 

***
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2016-03-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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