メディアグランプリ

スーツはコスプレ


 

記事:橋本和憲さま(ライティング・ゼミ)

 

男にとってスーツとは何であろうか。普通であれば、会社に行く為の仕事着、もしくは営業職の人にとっては作業着かもしれない。さらに、婚活をしている人にとっては、勝負服かもしれない。婚活アドバイザーの担当者から聞いた話しだが、会社を経営している人が運良くお見合いが決まった時の事である。社長という事でそれなりに年齢を重ね、社会通念も当然持っていたと思っていたので、お見合いに着て行く服装について何もコメントをしなかったそうである。しかし当日、お見合いの席に登場したその社長は、ラフな普段着だったそうだ。。

 

どちらにしても、スーツは自分を良く見せる為の戦闘服と言えるかもしれない。だが、見方を変えるとおもしろい事に気が付く。私は通勤の時にはスーツでは行っていない。チノパンにYシャツにジャケット、それに革靴という、どちらかと言うとビジネスカジュアルの服装で通っている。つまり、日常的にスーツを着ない生活を送っている。

 

そうした私にとってスーツとは、どんな服になるのだろうか。それは、特別な服である。よっぽどの事がない限り着ない服である。先ほども書いたが、連敗記録を更新中の私の婚活では、婚活アドバイザーからお見合いの時には必ずスーツを着て来なさい、と念押しされている。私には念押ししていたが、お会いした女性の方が何も着飾る事も無く、普段着で来られた事があった。端から見たら、スーツの男性と普段着の女性が喫茶店で向かい合わせで話しをしていたら、何かの勧誘に見えたに違いない。

 

そしてもうひとつ。いつもの自分では絶対にあり得ないシチュエーションが存在する。実は、女性が好む男性の服装の中にスーツがある。いわゆる「スーツ萌え」である。以前読んだ本の中に、彼女が「腐女子(ふじょし)」と公言している人の日常を書いたものがあった。「婦女子」ではなく「腐女子」である。腐女子とは、男性同士の禁断の恋愛を扱った小説やマンガの愛好家を指す。あくまでも「女子」を指しているので、「男子」の場合はまた違った呼び方をする。この分野はBL(ボーイズラブの略」)と呼ばれ、アニメ関連のショップではコーナーも出来ている。誤解を恐れずに言うならば、男子でこの場所に足を踏み入れていいのは、彼女のいるリア充(リアルで充実している事)だけだと思う。

 

余談であるが、最近では「リア充オタ」という人達がいるそうだ。本気度の高い「ガチなオタク」ではなく、ちょっとアニメが好きとかタイトルを知っている程度の「ライトなオタク」の事で、年間の「オタ活」に使うお金は2万円ほどだそうである。ちなみに「ガチオタ」の人にはわかると思うが、2万円という数字は1ヶ月で消費、場合によっては1週間持たないかもしれない。その為、「そんなのオタクじゃねーじゃん」という声は周りからよく聞く。

 

話しを戻そう。腐女子の中で有名なのは「女子の秋葉原」と呼ばれる「池袋」である。天狼院もあるこの土地であるが、全国の腐女子が憧れる場所「乙女ロード」と呼ばれる一角がある。サンシャインの目の前にあるアニメショップ郡を指すのだが、ここの女性の出入り率は尋常ではない。人気アパレルショップかと勘違いしてしまうほどの勢いである。さらに、「メイドカフェ」ならぬ「執事カフェ」もこの一角に存在し、異常に人気がある。福岡の腐女子から聞いた話しだが、やはり執事カフェには行ってみたいとぼやいていた。

 

そんな博多腐女子の欲望を満たすべく、女性スタッフによる「男装カフェ」が登場し、人気を博している。ただし、メイドカフェにおける「曜日限定」の営業なので、余計に人気が集中しているのかもしれない。

 

そんな腐女子にとって、夏は地獄の季節だそうである。それは、男子がスーツを着ていないからだ。多くの男子が「半袖のYシャツ」に「スラックス」を着ているがそれではダメで、あくまでも「上着」を着てないと萌えないようである。これに関しては、個人差があると考えられる事と私が男子なので、これ以上の言及は避けよう。

 

これまで述べたように、男性目線ではあまり気が付かないのだが、女性目線で見るとスーツは「コスプレ衣装」と捉えられる事に気が付いた。

 

先日、こんな事もあった。行き着けのアニソンバーのスタッフが辞めるので常連同士で何かやろうという話しになった。偶然にも、廃校を利用したコスプレイベントがある事から、そこで卒業式のシチュエーションで動画を撮ろうという事になった。そして、校長先生役として私に白羽の矢が立った。常連の中で唯一、ハゲているから一番老けて見える、というのが理由だった。その校長先生の役をする為にスーツを着た。感覚的には完全にコスプレである。実際、アニメやゲームでもスーツを着ているキャラクターは少なくないので、ウィッグ(かつら)を被ればコスプレになってしまう。

 

そこで、気分を変える目的で休日にスーツを着るという事もありなのかと思えた。いつもと違う自分を服装だけで演出できるのなら、毎日が楽しくなるに違いない。いつもと違う自分を服装だけで演出出来るのなら、毎日が楽しくなるに違いない。

 

 

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2016-03-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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