メディアグランプリ

王道をやってみたけれど真逆が好きだった


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記事:なつき(ライティング・ゼミ超通信コース)
 
 
納豆付属のタレと辛子ってちょっと量が多くない? 半分くらいで十分足りる。そう思ってるの私だけ?
 
その理由が今日判明した。納豆の食べ方が私は普通じゃなくて特殊だった。納豆が好きすぎて、豆の旨みが好きすぎて、ってのが理由だった。
 
納豆ってどうやって食べる?
ご飯にかけたり、トロロと合わせたり?
 
もうね、私の場合はそのままダイレクトにいくんだわ。
 
豆の歯応えと硬めの粘りが好きだから、辛子とタレを入れたら5回位掬い上げるように混ぜる。
隣には白ごはんが置いてある。
通常だと白ごはんにかけるじゃない? 白ごはんだって納豆が乗っかるもんだと思って待ってると思うのよ。
でも、乗せない。
 
おもむろに納豆に箸を突っ込んで口に頬張るの。
強い粘りと共に凝縮された豆の旨味が口中に広がるの。
そのまましばし噛みしめる。
その後で白ごはんを頬張るの。
 
白ごはんに乗せて一緒に頬張るのと何が違うのかって?
これが全く違うのよ。
私も前は納豆は白ごはんに乗せて食べるもの、だと思って30回くらい混ぜた後白ごはんに乗せていた。熱々ごはんに豆の旨味と糸が絡んで美味しかった。でもある時試しにご飯に掛けずに豆だけで食べてみた。それがもう、ことのほか美味しくて病みつきになった。そこで私は豆の濃い味が好きなんだということを知った。ご飯に乗せると凝縮された豆の旨味が薄まる。白ごはんが入る分豆だけの味ではなくなる。白ごはんはもちろん好きだけど、納豆と一緒に食べるのはちょっと違うな、私の好みとはずれるなって思った。
 
以降は納豆は開封したらそのままダイレクトに箸を突っ込むことにした。
 
納豆を単体で食べるようになってからしばらくして、どれだけ混ぜるか問題が浮上してきた。納豆は混ぜれば混ぜるほど美味しいらしい。では、何回がベストなのか。そして混ぜ方でどう変わるのか知りたくなった。テレビで100回混ぜるのが良いと見たことがある。100回? そんなに? 私は普段どれだけ混ぜていたのかな。数えてみたら30回位だった。早く食べたいから混ぜるのもそこそこに、混ぜるのが待ちきれなくてすぐに食べていた。それで特に不満とかは無かった。でも数字を出されたらやってみたくなるじゃない。
 
100回混ぜてみた。途中で食べたくなるのをグッと堪えて混ぜてみた。すると、ふわふわになった。粘りの糸の部分が泡のようになった。少し豆自身も柔らかくなった気がする。混ぜる回数が少ないと豆が強く主張する。100回混ぜた場合は少し譲歩しているかのように角が取れた味になった。
 
さらなる強者の友人が現れた。300回混ぜると美味しいと言う。え、そんなに? 100回混ぜるのだって大変なのに300回!? それはちょっと、いやかなり凄い。100回混ぜてあのふわふわ感。300回も混ぜたら粘りが更に弱くなるんじゃないのかな、などと予測してみる。それでも聞いたからには納豆好きとしては試してみないとね。全部やってみてどの状態が私の好みになるのか知りたかった。
 
100回、200回、300回の区切りを作って味見しながらやってみることにした。
 
100回混ぜる、食べてみる。うん、これは知ってる味、そしてふわふわ感。
200回混ぜる、食べてみる。少し粘りが弱くなった気がする。糸も少し切れ切れになってきた。豆自身は更に柔らかくなった気がする。
さあいよいよ300回、食べてみる。どうだ? 何か違うか?
 
一体感~~。この言葉がドンピシャくる感じだった。粘りは滑らかに豆に絡みつき、掛けてから混ぜた付属のたれも豆と粘りにしっかり浸み込んでいる。豆は更に柔らかくふっくらして口中に入れると解ける感じを覚えた。そして、100回、200回では無かった甘みが生まれていた。これは納豆と言う名の1つの料理と言っても過言ではないと思う。
 
友人が300回混ぜるのが好きと言う意味がとてもよく理解できた。やってみて良かった。手は疲れたけれど、これはやってみないと知ることができない味だった。
 
なんだけど、私にとっては、確かにこれも有りだよね、の気持ちに留まってしまった。とても美味しかった。でも私にとっては何かが物足りなかった。何でだろう。
 
やっぱり私は豆が好きなんだ。
 
納豆独特の癖のあるそのままの豆の味が好きなんだ。
 
納豆に入っている豆は、旨味が凝縮されて少し硬めのものが多い。そして豆自身の味がとても強い。噛みしめると納豆独特の発酵した匂いも一緒に口の中に広がる。それが好きなんだ。
 
どうやら私はちょっとした癖がある方が好きなようだ。
 
そこで冒頭の納豆付属のたれと辛子ってちょっと多くない? が出てくる。とにかく納豆独特の癖が好きなのでそれを消したくないんだ。だから、たれも辛子も多いって思ってしまったんだ。
 
今では軽く馴染ませる程度に数回掬い上げる程度に混ぜる。こうすることで豆の硬さを保ち、かつかなり強い粘りも残すことができる。納豆の混ぜ方の王道では無いけれど、納豆の独特な癖が好きな私にはこれも外せない選択肢だ。
 
 
 
 
***
 
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2021-06-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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