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名前を名乗らない理由 


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記事:いんこさま(ライティング・ゼミ)

私のFaceBookでの名前は、“おおこしきりん”です。
自分の本名を名乗らないのは、自分に後ろめたさが何かあったり自分の言葉に責任を持たない人だと判断される可能性があるといいます。一度はそんな輩とは相手にしないとまで書かれましたが、私は“おおこしきりん”で今までSNSで好きなことを書いてきました。気に入った名前があったらまた変更しようと思っているくらいです。

きりんの名付け親は、あるソフト会社の意地悪上司でした。
会社に入って間もなく、3DCADのソフトウエアについてわからないことを質問する方法が的を得ておらず、まどろっこしい質問を投げかけていると、
「何をいってるかまったくわからない。本当にイライラする」とか
「この人ホントムカつくんだけど」とか当たり前のように罵倒され続けました。ビックリだったのはその意地悪上司、子供が嫌いなのに子供ができてしまったという件で「ストレスで湿疹ができたのはお前のせいだ」とまったく関係ないのに隣の席から、開発者のトップの脇に移動させられたことでした。私は訳もわからず、自分の説明の下手さを悔いると同時に「クソ〜、負けるもんか」とそのソフトウェアの使い方の初心者向け本をつくるため日夜、休みも返上して仕事をしたのでした。そんな意地悪上司が私の首の長さを笑って「きりんさん、これやって」「きりんさん、あれやって」と呼ぶようになったのが、きりんさんと呼ばれたはじまりでした。この会社の社長も遊び心から、メールアドレスもきりんでいいやと、名刺の記述がkirin@◯◯◯.co.jpだったのも他ではあり得ないことでした。

ただ仕事では、これが吉とでたのです。販売代理店の方も、お客様も、みんな「きりんさん」と呼ぶのです。本名でなく「きりんさん」です。
覚えやすく、呼びやすく、見た目も首はきりんさん。
意地悪上司に「きりんさんて呼ばれるの気に入ってるでしょう」と言われるとついムカムカムカっという気になるのですが、内心悪くないと思っていたのは間違いありません。
マイナスがプラスに転じた稀な例です。
それから、わたしが自分のことを人にきりんさんと呼ばせるようになったのは、自然の流れでした。

さて、私の本名は大越 桂(おおこしかつら)です。

人のことを調べるとき思わず
YahooやGoogleを使って検索ワードに自分の名前を入力したことはありませんか?例えば、ある仕事関連のパーティのリストをみてその方がどんな人かをリサーチすることはビジネスのチャンスを広げることでもあるので、名前で人を検索するのもひとつの手段なのです。

皆さんも自分の名前を検索ワードに入れるとひとりくらいは同姓同名の名前が出てくるでしょう。案の定、私も同姓同名の方が1名いたのです。
その方は、仙台に住む私よりふたまわりくらい若い女の子でした。

実はこの方、詩人でしかも障害を持った方で寝たきりの生活をしている方だったのです。
新宿の紀伊国屋書店で、私の名前と同じ人が書いた詩が話題になっていたことがありました。ひとつは『花の冠』という名前だったと思います。私は2冊の綺麗な詩集を買って田舎に帰って親父にみせたのを覚えています。

今、『大越 桂』の検索ワードで引っかかる項目は、すべて(全部はみきれてませんがほぼ)この女の子の記事でした。

それはそうです。自分のことは何年も前から“おおこしきりん”という名前でネット上で発言しているからです。

その昔、はじめて自分の名前をネットで検索ワードに入れたときに、はじめて手で靴作りをして出来上がった靴をもってニンマリ笑っている写真がでてきてビックリしたのです。見せたいわけじゃない自分が公にさらされているんですから。それ以来努めて自分の名前はネット上では出さない事にきめました。

仙台の詩人、大越 桂さん。
野田首相が総理大臣になる所信表明の演説で彼女の詩を使ったという話をみつけました。彼女の詩が東北大震災での励ましの歌の歌詞として使われていたことも知りました。
遠い空の下で、大越 桂さんは寝たきりの生活にも負けず、私よりずっと豊かな想像力で素敵な文章を書き、総理大臣まで魅了する、さらに震災で苦労している方に歌で労いの言葉を届けているのですからビックリでした。

かたや、健康で自由気ままだが、つまらない自分が公に晒される事を嫌悪していつも自分を守ろうとしている人間。かたや、身体が不自由にも関わらず正直で正しいことをあたりまえに人のためにしている人間。

自分が恥ずかしくなりました。

YahooやGoogleの検索ワードで、『大越 桂』さんがもっと注目されて欲しい。『大越 桂』さんが、頑張ってるのをたまに見て自分ががんばるバロメーターにしようと思いました。

そのためには、私の事が検索ワードで検索されてはいけないのです。
検索ワードで引っかかるのは、仙台の『大越 桂』さんであって、私でなくてもいいのです。

彼女を応援する気持ちが、同時に自分を応援することになるという事なのです。

自分を消すことで自分が応援されるという、稀な例です。

因みに、本の中で彼女には亡くなった双子の姉がいたといいます。
その方の名前は葵さんでした。そして私の名前を母親がつけた時にも、葵という名前の候補があったということでした。

皆さん、同じ名前の人には、何か共通の物語があるかもしれません。
試しに検索エンジンで自分の名前を調べてみると……(笑)

 

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2016-04-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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