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デキる中年男性の乙女回帰


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記事:Sofia さま(ライティング・ゼミ)

世の女性の皆さま、年上の男性はお好きですか?
私は好きです。10歳、20歳離れていても、バリバリ恋愛対象です。もちろん人によります。

年上の男性に求めるものってなんでしょう?
包容力?経済力?経験値?スマートな誘い方?
もちろんそれらがお上手な方々もたくさんいらっしゃいますが、実際はどうでしょうか。

ここで覚えておいたほうがいいのは、「仕事が超できる」からと言って「プライベートの人間関係」や「恋愛」が「できる」とも限らないこと。むしろ仕事!仕事!仕事!と気張ってきた人はいざ私的なことを聞かれたとき、ドギマギすることが少なくありません。かわいいですね。意外な一面、ギャップという意味では見習うべきポイントかもしれません。

ある30歳の女性が40代後半の男性に好意を持ちました。
男性は音楽関係の会社を経営するやり手でもありましたが、彼女が惚れたのは業界ずれしていない屈託のない優しい笑顔と、誰に対しても謙虚で真摯な姿勢でした。
そして頑張って彼と連絡先を交換し、嬉しいことに男性も彼女を意識し始めたのです。
が、両者にとってここからが説得とリハビリのような日々の始まりだったのです。

男性はその女性と目が合うと恥ずかしすぎて、思いっきり顔ごと目を逸らしたり、数人で話しているときに彼女に一切話ができず、彼女から話しかけられても他の人に返事をしてしまい、結果的に無視をしてしまっている始末。そのくせ、気が付けばガン見……。
逆に女性から少しでも素っ気ない(と自分で勝手に思っている)態度を取られると、急に自分の殻に閉じこもる。
年齢が離れていることも相まって要らない自制心が働き、それがさらにおかしな行動を巻き起こし……、ドツボです。
恋愛ってのは、いとも簡単に人間の行動を支離滅裂にします。

これ、「好き避け」とわかっていれば嬉しい限りですが、そんな自信のある人は男女問わず多くない。むしろ好きな人に対しては、自信がなくなってしまうもの。
やられたほうは「嫌われたかな」「なんかしたかな?」とグラスハートがいとも簡単に割れます。さらに心の防御を硬化させ、「いや、私は何も失礼なことしてない」「何あの態度? わけわかんない! もういい! 連絡しない!!」と、かわいさ余って憎さ100万ボルトになるので、頼むから今すぐやめてください「好き避け」。いいことなしです。

「この現象はなんだ。中学生なのか?いやいや待て待て、人生経験も積んだいい大人がそんなことになるのか。一周回って好きな子をいじめてたあの時代に戻るのか?よくよく考えたら相手の気持ち置き去り〜うわ〜……」そんな複雑な思いが頭をぐるぐるしましたが、年齢を重ねたからといってどうしようもないものはあります。好きな人が変われば、経験値なんていとも簡単にリセットされるし、本気度が高いほどそうなることも。

外見も魅力的で仕事もできる。しかし、それ以外の心の柔らかい部分をつつかれるのが、どうにもこうにも慣れていないというのも更なる要因です。

普段、人は気持ちを張って生きています。社会という過酷なダンジョンで、前から後ろから迫ってくる敵をちぎっては投げ斬っては捨て、何食わぬ顔や笑顔でいなしている戦士たちは、知らず知らずに心の防具をより強いものに高めていきます。ドラ〇エのようにホイミ(回復呪文)が効けばいいですが、そんなものは一時的に過ぎず自分にとってのホイミが何かもよくわからなくなっている人も多いです。

弱みを見せることを無意識にできなくなっている人は、仕事の話は饒舌でも自分の胸の内については途端に口下手になってしまいがち。
誰かと温泉や食事にでも行って「食って飲んで寝て忘れちゃえ!」をスローガンに弾けてみたり、つもりつもった弱音を世界の中心で叫ぶことなどできないので、きつい毎日です。
1人、アルコールの力を借りて愚痴ってみたり、泣いてみたり、うずくまってみたり、やさぐれてみたり、煙草を必要以上に吸ってみたり、本意ではないのに隣にいた女性を気まぐれに口説いてみたり……。
傍から見ていても「どうしたんだい? ヘヘイべイベ~♪」と肩に手をかけたくなります。

さらに、心の許し方のダイヤルが「オン」と「オフ」しかなくなっているため、態度が両極端。うっかり「オン」にしちゃったらさあ大変。制御不能となった心は、自分で思い出して赤面して頭を抱えたり、後に自己嫌悪する行動をとらせる可能性があります。わかりやすい例としては、地位も権力もある方が赤ちゃん言葉とかになったりするアレです。(それ自体にまったく問題ございませんが。)
急に心開かれた側としては、嬉しいという気持ちがありながらも戸惑いの波がとまりません。

そんなメカニズム(どんなメカニズムだ)が中年男性を中学生男子、いや、乙女に変貌させます。完全なる思春期へ一瞬でタイムスリップ。
「忘れかけていたこの気持ちはなんだろう?」あの少女マンガのようなときめき。久々の恋愛に対して臆病で、生まれたての小鹿のような自分。全年代の女子よりもピュアソウルが爆発しています。

ケースファイルが1人であれば、その人がそういう人なのかな。で終わっていましたが、遭遇する確率が予想を超えていたので、「これって案外珍しい話じゃないんだな……」と思い、ますます関心は高まるばかり。
どれだけ肉食男性だろうが、女性経験が多かろうが、年齢が50代だろうが70代だろうが、「自分の中の中学生」が純粋に好きになった相手となれば話が別。
素敵じゃないですか。

仕事のように取り組めば結果がでるものでもなく、いつもだったら平気で誘えていた食事にも誘えない。相手が他の異性(プラス、自分より若い)と話しているだけで自信喪失。
相手と目が合って笑顔なんて返された日にゃ照れすぎて無の表情に。「自分は相当年上だし。」と誰も気にしてないのに勝手にコンプレックスを抱き、話ができたと思ったら、余裕がある風に見せたい上に恥ずかしさが混ざり合って、心とは裏腹のぶっきらぼうな態度、おまけに目も合わせず上から発言で、後悔の嵐。
そしてさらに悪い方向へ行くと、「恋なんてもう俺には……」と、再び相手の気持ちを無視した結論を一人で出してしまいがち。傷つくのが死ぬほど怖いのはわかりますよ、わかりますけど……!

うん、あなたに必要なのは、ビジネス誌でも、BBCニュースでも、為替の動向でもなく、少女マンガの基本中の基本書『りぼん』!『りぼん』読んだ方がいい。今すぐ読め。(「りぼん」の回し者ではありません。)

変にこなれているよりも、シャイで不器用な男性のほうが愛しい存在ではありますが、恥ずかしさや意地っ張りも程々にしておかないと、手に入るものも手に入らなくなります。
変なプライドや、自分だけで抱えているコンプレックスはとりあえず捨てて、かっこつけようとせずに、いくつになっても素直でいられる人が最強だな……と自分に置き換えても思うわけです。

私も初心に帰って、『りぼん』から読み直しや……。

 

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2016-05-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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