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モテない部活ワースト1位のある部活に6年間在籍して部長までしてたワケ


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記事:たかさま(ライティング・ゼミ)

みなさん、演劇に対してどのような印象をお持ちでしょうか。
天狼院書店では、劇団天狼院が存在するので、ポジティブな印象を持たれる方も多いかもしれません。

それでは舞台俳優はどうでしょうか。
今やテレビで引っ張りだこの堺雅人や阿部サダヲ、吉田羊といった超一流俳優の方々は実はもともと舞台俳優でした。このように名前を並べると、舞台俳優もすごいな、と思ってくれるかもしれません。

次に大学の演劇部や、演劇同好会はどうでしょうか。
僕は早稲田大学出身なので、演劇の地位や印象は大学内で高かったように思います。先程挙げた堺雅人さんも早稲田大学演劇研究会に所属していました。多分、早稲田ではなくても演劇部や同好会は高校、中学に比べて打ち込める時間やクオリティも段違いでしょう。また、そもそも大学という環境は自分の好きなことを自由にするところだし、クラスの友達や学科の友達と仲良くする必要もなければ、その中での評判を格段気にする必要はなく、演劇をやりたい人にとっては比較的打ち込みやすいでしょう。

では、中学、高校の演劇部は?
それも、女子ではなく男子の演劇部員だったらどうでしょうか。

なぜか一気に恥ずかしい、ダサい感じがするのは僕だけしょうか。

中学高校時代の男子なんて、まさにモテることしか考えていないのに、なぜ演劇部という選択肢を選ぶのでしょうか。中高の演劇部、と言うとスポーツ系の部活に入れなかった、ちょっとダサめの男が入る部活、何て印象を持つ方もいるのでは。

僕が調べた情報によると、モテる部活の第1位はバスケ部、第2位はサッカー部、第3位は野球部、以下いろいろな部活が続くのですが、なんと演劇部は残り1%にも入っていません! そもそも演劇部がない中高も結構多いのでは・・・・・・・ 

ここまで書いてお気付きの方もいるでしょう。

そう、僕は中高6年間演劇部でした。

大学に入ってから、中学高校6年間男子で演劇をしていた、という人に僕は未だに会ったことがありません。それくらい、マイナーな存在なのです。

なぜ、僕が一般的に見たらモテない演劇部に6年間も在籍し、果てには部長までやってしまったのか。

全ての歯車が狂い始めたのは中学一年生の時でした。

僕が小学生の頃はまさに「テニスの王子様」全盛期。御多分に洩れずアニメの「テニスの王子様」に熱中していた僕は、小学6年生の頃には受検勉強の合間を縫ってテニススクールに通っていました。小学校の卒業式では「中学校に入ったら、テニス部に入って頑張りたいです。」とスピーチしたことを今でも覚えています。

偶然にも僕が入った中学はテニス部が強く、新一年生の僕は期待に胸を膨らませ、テニス部に入部しました。

しかし、現実は甘くなかったのです。

自分が想像していた以上に練習がきつく、「テニス部に入って頑張りたいです。」と宣言した3ヶ月も経たぬうちに僕はテニス部をやめてしまいました。なんという根性のなさ。

とはいえ流石に部活に入らないのはまずいと思い、当時一番仲の良かった友達に誘われて、空手部に入部しました。今思えばテニス部の練習についていけない僕が空手部なんて本末転倒なのですが。案の定僕は空手部の練習についていけず、3ヶ月で辞めました。

そして、中学デビュー失敗を実感する中、ついに僕の人生を狂わす事件が起きました。

「たか君、声大きいから演劇部はいらない?」

声をかけてきたのは、僕の担任の山口先生。先生はクラスの担任であると同時に、演劇部の顧問でもありました。

演劇なんて、小学校の出し物以外全く縁のない世界。しかし、このまま部活に入らず暗黒時代に突入することを避けたかった僕は、たまたまクラスの友達が演劇部に所属していたこともあり、とりあえず見学だけ、と思い先生の誘いを受けることにしました。

その日の午後、演劇部が活動しているというクラスに訪れるとそこはまるで別世界でした。
女子9割に男子1割、しかも女子の先輩方が皆お美しい。中高一貫校だったこともあり、5つ上の高校二年生の先輩もいらっしゃいました。しかも、僕は貴重な男子部員。男子の先輩が優しく接してくれるのはもちろんのこと、今まで縁のなかったようなお美しい先輩がたまで僕にちやほやしてくれます。正直この時点でほぼ入部することを決めました。あまりにも理由が不純すぎますが、そんなことどうでも良いのです。美人の先輩方がちやほやしてくれるからそれでいいのです。

ただ、この時僕は知りませんでした。演劇部があんなにも恐ろしいところだったなんて。

演劇部は文化系の部活に所属しますが、一方では吹奏楽部と並び体育会系文化部とも呼ばれています。その理由は、舞台で見栄えする体を作るため。筋トレや柔軟など汗をかくことも練習中にたくさんあります。それはすなわち制服のままでは部活は行えないということ。前述したように、女子と男子の比率はほぼ9:1。そして僕の中高演劇部に物置はあっても部室はありません。これが何を意味するのか。そう、男子は必然的にトイレで着替えをすることになるのです。これが第1の地獄でした。着替え中に知らない人が入ってきて冷ややかな目で見られることを僕は本当に恐れていました。特に低学年の頃は心から上級生に着替えている間だけはトイレに入ってきてほしくなかったです。

第2の地獄はこれも部室がないことに由来します。部室がないということは、練習場所を毎回確保しなければならないということ。空き教室や普段使っている大教室が使えればいいのですが、たまに都合が合わずコモンホールと呼ばれる職員室及び中学生の教室の前で練習をしなければならないのです。

演劇部の練習はちょっと変わっていて、中には端から見たら少し恥ずかしいものもあります。こう言った類の練習を友達が通り過ぎる前でやったり、雨の日に隣でサッカー部が練習する横でやるのはきつかった・・・・・・・

第3の地獄は筋トレと柔軟です。正直入った頃はなめてました。演劇部はスポーツ系に比べればきつくないだろうと。そんなことなかったんですけどね。僕はそれはそれは体が硬くて、特に柔軟は地獄中の地獄でした。足は広がらないわ、腰は痛いわで何百回投げ出そうと思ったことか。

ただ、そんな3つの地獄がすべて吹っ飛ぶくらい、舞台の稽古は楽しく、毎日あっという間に時が過ぎて行きました。今でも自分に自信のない僕は、舞台で役に入っている間だけは、自分が自分じゃない気がして、体の奥の方から自信が湧き上がってくる気がしていました。口から出ている言葉が全部決められた言葉で、悲しくなくても悲しんで、怒ってないのに怒って、好きでもない人に「心から愛してる」なんてセリフを言って。

舞台の上は日頃のすべてを忘れられる場所でした。役になりきることはまるで、仮面ライダーかスーパーヒーローに変身するかのような感覚でした。

そして、僕が完全に演劇にはまった事件。それは中学一年生で出た初めての舞台。演目は誰もが知る「シンデレラ」。僕の役は「ネズミ2」。セリフも数えるくらいしかなく、出番も確か2シーンだけ。でも、たった2シーンのために、そのシーンを繰り返し繰り返し練習して。そして本番当日、袖から自分が飛び出たまさにその時、スポットライトが当たり、お客さんの目がすべて僕に集中し、役者の熱気が渦巻く舞台の上でセリフを発した瞬間。

僕は完全に演劇に喰われました。

トイレで着替えるのが恥ずかしいとか、筋トレと柔軟が辛いとか、今ネズミの変なコスチューム着てるとか、そういうどうでもいい感情が全部消え去って、ただただ舞台の上に立っている、という快感だけが残っていたのです。

やってみないとわからない快感、そしてまたやってみたくなるというこの衝動。演劇はまさに麻薬のようなものです。僕の先輩や同期で、今でも演劇を続けている人や少なくとも携わっている人が多いのは、この快感ゆえの中毒性でしょう。僕もまさに演劇麻薬常習犯になってしまったうちの一人。舞台の上でスポットライトを浴びて、まるで自分がこの世界の主人公になったかのように錯覚させられてしまう演劇。演じているのは自分ではないけれど、そこにいるのは確かに自分という矛盾した世界。言葉でいくら説明してもこの快感を伝えることは難しいです。本当にやってみないとわからない。

中高演劇部男子部員。肩書きだけ見ればダサそうでしょう。あんまりなりたいと思わないでしょう。でも、そこにはやったことがある人だけがわかるエクスタシーが確かに存在するのです。

 

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2016-05-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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