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僕が先ほどぶつけた怒りがブーメランになって僕の元に返ってきた。


記事:岸★正龍(ライティング・ゼミ)

フェイスブックを眺めていたら、僕のリスペクトする友人が「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」について書いていた。
その友人の言葉をここで公開するのは控えるが、彼が引用していたのは昨年10月のこの記事→http://xn--nyqy26a13k.jp/archives/8000

ひと言でまとめるなら「厚労省年金局の担当者が、老後を支える公的年金を運用するGPIFについて10兆円の運用損を認めた」という内容だ。

10兆円かよ、おい!

って、その記事を読んで叫んでみたものの。
桁がでかすぎて想像が追いつかないから、僕サイズまで分解してみた。

日本の人口が1億2000万人として一人当り8万3000円の損失。納税者だけで考えるなら約6,000万人だから一人当り17万円弱の損失。
17万円って、時給900円で換算すると189時間。
一日8時間労働で24日。

って、一ヶ月分かよ、おい!
一ヶ月分の給料を、スルッと溶かしてくれちゃったわけかよ、おい!
ふざけんなよ、おい!!!

今回は、僕がそうやってぶつけた怒りがブーメランになって僕の元に返ってきたというお話。

   *

会社を経営している人ならご存知のことだが、小さな会社で3月決算の場合、詳細な決算数字が出るのは5月末というケースが多い。
なぜなら申告期限が決算月の二ヶ月後であり、3月決算の会社が多いから税理士の先生はこの二ヶ月は多忙を極めていて、僕のような小さな会社は順番が後ろに回り、結果ギリギリの申告=5月末日くらいの決算報告となるのだ(もちろん、小さな会社に対しても早くに決算を出す先生も少なからずいらっしゃるだろうが、少なくとも僕と僕のまわりの友人たちの会社はこんな感じが多い)。

僕が決算書を受取ったのは5月26日。
見るも無残な大赤字だった。

ふざけんなよ、おい!!!

僕に商売を教えてくれた先生の言葉が脳裏をズルズル這いずり回る。

「ここに、1000万円貯金を持っているおばあさんがいるとする。
そのおばあさんは幸せに引退して、年金で食べていて、だからその1,000万円にはまったく手をつけず銀行に定期預金をしているだけで、庭に迷い込んできた野良猫にエサをやりながら一年を過ごしているとする。

さて、一年後におばあさんが受取る金利はいくらよ?

日銀がマイナス金利を導入してからメジャー銀行の定期預金の金利なんてクソみたいなもんだけど、ネット銀行や地銀のネット支店では1年もので0.1%とか0.3%とかを叩いているところもある。
おばあさんはそういうところに預けていたとして、金利は真ん中とって0.2%だとして、一年後におばあさんが受取る金額はいくらよ?
そう20,000円だ。

で?
赤字を出したらお前はどうよ?
は? 利益は出してないが、それでもGDPには貢献してる?

ふざけんなよ、おい!!!
GDPとか関係ねぇよ。
お前の一年のことを言ってるんだよ。
赤字を出したらお前の一年はなぁ、おばあさん以下だ。

おばあさんは野良猫にエサやりながら20,000円稼いだんだ。
けれど赤字を出したお前の一年は1円も稼いでないどころか持ち出しだ。
つまりな、働かない方がマシだったってことだ。
働かず、野良犬にエサやってる方が有効だったってことだ。
お前が働いたがために、会社が損したんだ。
お前がいない方が、会社のためになったってことだ。

いいか、赤字とはそういうことだ。
お前が経営者である限り忘れるな」

僕の手元の決算書は、その赤字を刻んでいた。
それも無残な赤字を記していた。

この一年自分なりに頑張った。
365日24時間、自分の会社のことを考え懸命に働いた。
けれどそれで赤字決算ということは……

僕のこの一年は働かない方がマシな時間だったということだ。
僕が働いたがために会社が損したということだ。
僕が働いたから……

悔しい。
情けない。
口惜しい。
なにやってんだおれは!
こんな経営者でスタッフの皆ごめん。
お金のことで苦しめてしまってごめん。
お金がないから我慢させてしまってごめん。
僕が経営者でなければ良かったのに。
僕には経営の能力がないんだ。
そんな経営しかできないなら。
死んだ方がマシ……

って、ふざけんなよ、おい!!!

僕が先ほどぶつけた怒りが、ブーメランになって僕の元に返ってきた。

足りなかったのは、情熱だろ?
欠いていたのは、狂だろ?

経営能力とかでごまかしてんじゃねぇよ。
批評家面して上からモノ言ってんじゃねぇよ。

お前は知っているはずだ。
情熱が足りなかったことを。
狂を欠いていたことを。

天狼院の店主を見ろ。
彼の情熱を、狂を見聞きしてるだろ?

一日20分の睡眠だ。
気が狂わんばかりの新企画連発だ。
正気の沙汰とは思えない。
実際に狂ってる。

けれどその狂と情熱が、
結果をひきつれてくるんじゃないの?

うふふ。
うふふ。
えへへへへへへへへ。

知ってるよ。
その通り。

僕には情熱が足りなかった。
僕には狂が欠けていた。

だから僕は情熱を燃やす。
狂を蓄える。

負けるもんか。
来年のいま、僕は大声で笑うんだ。

 

***
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2016-06-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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