メディアグランプリ

踊る阿呆に見る阿呆 


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記事:住所不定☆ジョブズさま(ライティング・ゼミ)

「博多どんたく」をご存知の方は多い事と思う。毎年5月3日と4日に開催され、動員数は200万人を超える事から、国内最大規模のお祭りといわれている。どんたく中は、繁華街である天神地区を中心に様々なイベントが開催され、文字通りお祭り騒ぎとなる。その中でもメインイベントと言えるのが、「どんたく隊」と呼ばれるパレードである。どんたく隊は、各種団体や企業、学校などがそれぞれ趣向をこらした演舞をしながら街中をねり歩く。天神の中でもメインストリートと言える車道を歩く事から、両脇の歩道には見物客で溢れかえる。パレードでねり歩く団体は、統一されたユニフォームや衣装で参加しているところが多い。

 同じ職場でパレードに参加した人がいたので話を聞いてみると、歩きながらパフォーマンスをするために、約1ヶ月前からレッスンをしていたとの事である。福岡におけるどんたくは極めて特別な存在であり、それにかける意気込みは並々ならぬものを感じさせる。お祭りに参加する以上は、恥ずかしがったら負けなのだ。

 そんな中、異彩を放つ集団がいた。確かに、他の集団と比べても負けるどころか注目を浴びるほど目立っていたが、衣装がバラバラだった。全く統制が取れおらず、ちぐはぐ感が前面に出ていた。それもそのはず、この集団はどんたくのためだけに結成されたコスプレ集団だからだ。その名も「どんたくコスプレパレード」である。全国区のお祭りでコスプレをして参加出来るという事で、遠くは大阪から参加したレイヤーもいた。

 実は私は、福岡に来てからどんたくを見た事がなかった。開催期間がちょうどゴールデンウィークという事で、山形の実家に帰省している事が多かったためだ。しかし、自分が住んでいる近くで開催しているのだから、一回くらいは見ておこうと思い至った。そんな時、ネットサーフィンをしている時にたまたま「どんたくコスプレパレード」の事を知った。それまでコスプレのイベントに参加した事はあったが、あくまでもカメラマンとしてであり、自分でやった事はなかった。しかし、コスプレをすればどんたくに参加出来るという事で、気が付いた時には申し込みボタンを押していた。そして私は、どんたくパレードの参加者として異様な集団に加わっていた。

 約200人規模の集団である事から、いきなりパレード参加者の集合場所に行くわけにはいかず、別の場所に一度集合してから団体で向かった。集合場所までは約1時間の行程であり、徒歩で移動した。当然、繁華街である天神の街の中をコスプレした集団が歩くわけだから異様に目立ち、一般の人々からは珍しい物を見るかのような視線を浴び続けた。しかも、引率スタッフからは「笑顔を忘れるな」の指示が飛び、移動だけでも骨の折れる作業だった。だが、声をかけてくれる人や手を振ってくれる人もいた事から、それに応えているうちにだんだん快感になってきた。考えてみれば、コスプレをしたまま街中を歩いてもお咎めなしなのは、どんたくしかない。

 最近では10月末日に開催されるハロウィンにおいて、日本各地でコスプレイベントが開催されるようになった。福岡においても「親富孝通り」と呼ばれる場所でコスプレを楽しむ人々で溢れかえるが、それでも街中を歩いて良いわけではない。範囲としてはかなり限定される。それに比べてどんたくでは、「集合場所に移動する」名目のもと、大手を振って歩く事が出来る。しかも集団なので、自分一人に視線が集中する事はないという心理状態から、恥ずかしさをあまり感じない。お祭りを盛り上げているのだと思うと、テンションも上がるというものだ。

 そして迎えた本番。沢山の視線を感じながら、普段は歩けない道を歩くのは楽しくて仕方がない。パレード中は「コスプレパレード」の名に相応しく、先導車がアニソンを流し、それに合わせて参加者も腕を上げる等して応える。興奮しながら約1キロ強の道のりを歩くと、「もう終わりなのか」と思えるほど、あっと言う間にゴール地点に到着した。そのままの流れで解散地点まで歩き、道すがら余韻に浸っていた。

 そして、解散地点に到着すると「どんたくコスプレパレード」も終わりの時を迎えた。終わってみると本当に短く感じる一日だったが、見ているだけだったなら、これほどの充実感は味わう事は出来なかっただろう。同じ時を過ごすのなら楽しい方が良い。

「踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら踊らにゃ損々」

 どうせなら、来年はどんたくに参加してみませんか?

 

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2016-06-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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