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バンジージャンプを大学の必須科目にするべきである



記事:高橋和雪 (ライティング・ゼミ)

バンジージャンプ。

高いところから飛び降りる、スリルのある体験である。
聞いただけで大抵の人は飛びたくないか、怖くて無理という反応をすると思う。

群馬県の猿ヶ京という所に、バンジージャンプができる場所がある。
高さは62メートル、ビルで言うと17,8階位である。
次にエレベーターに乗った時に、是非窓から下を見てほしい。
10階に満たなくても、見下ろすと結構怖い。

バンジージャンプは高いところから飛び降り、ゴムの反動で上に戻ることを何度か繰り返して終了する。
実は、時間にすると1分にもならないだろう。
もっと時間を長く感じそうであるが、体験自体はかなり短い。
猿ヶ京を訪れたのは今年の4月末。ゴールデンウイークの前半である。
少しずつ緑が綺麗になってくる頃であった。
猿ヶ京のバンジージャンプの会場は、大自然に囲まれた橋の上にあり、下には湖がある。
幸いなことに、この日の天気は快晴、大自然がとても綺麗であった。
会場につき受付を終わらせる。
一通り、保険などの説明を受け代金を支払う。
海外の団体が主催で、何万人も飛んでおり経験豊富であるから、まず事故は起きないであろうが、万が一に備え保険の話はでてくる。
主催者側は安全に非常に注意を払っていることがよくわかる。
説明が終わると、スタッフが体に安全帯などの装備を取り付けてくれる。
装備を付けたまま体重を計り、手に体重が書かれる。
手に体重を書くのは、ジャンプの時にゴムなどのワイヤーの長さを微調整しているためと思われる。

装備を付けている時から緊張してきた。
少し恐怖心も出てきていた。

そんな緊張の中、受付の周りでは、DJがノリノリな音楽を流していた。
そして、一緒に行った見学組の友人たちは、なぜかDJごっこをして遊んでいた。
とても楽しそうで輪に入りたかったが、これから飛ばないといけないので、その輪に入ることはできなかった。

ジャンプ地点へ移動したところ、外国人スタッフが笑顔で対応してくれた。
だが、笑顔で対応と言ってもカフェとかの営業スマイルとはもちろん違う。

「バンジージャンプはとてもスリルのあるイベントだ、一緒に楽しもうぜ!」

みたいな笑顔である。
もちろんスタッフは飛ばない。
前の出番の人が飛ぶ準備をしている。そんな中、下を覗き見た。
やっぱり高い。
湖が綺麗とか言っていられない。
前の出番の人は40代の男性であろうか、スタッフに質問をしていた。

「押してもらえませんか?」

やはり、この男性も怖いのだろうなと思った。
だが、外国人スタッフは笑顔で

「押すことはしない、自分で飛んでこそのバンジージャンプだ」

とかたくなに拒否をしていた。
その後、

「3、2、1、バンジー!」

というスタッフの掛け声が聞こえ、同時に男性は飛び降りていった。
次は自分の番である。
スタッフがバンジージャンプで大切なゴムを腰のあたりに取り付け、ジャンプ地点手前まで誘導してくれた。
ついにジャンプ地点に立つ。
一歩踏みだせば、そこに地面はない。
足元には湖があるだけである。

少し足が震えていた。
飛び降りるというスリルを味わえる高揚感と恐怖心と両方の感情があった。

湖の奥には、カヌーを漕いでいる人が何人か見えたが、その大きさは米粒くらいである。
改めて62メートルは高いのだと思ってしまった。

下は湖なので、万が一ゴムが切れても助かるだろう、と思うことにして恐怖心を紛らわした。
きっと、そんなことはないのだろうが。
スタッフが

「準備はいいかい?」

と聞いてきた。
ここまで来たら、飛ばないという選択肢はない。
ただ前に進むだけである。

大丈夫と答えると、

「じゃあ、飛ぶ前にカヌーの人に向けて手を振ってみようか」

と、なぜか手を振るように言われる。
左手で手すりを持ちながら右手で手を振る。

カヌーの人からの反応は小さすぎて見えない。
恐怖心を紛らわせるために言ってくれたのだろうか。
そして、スタッフの掛け声が始まる。

「3、2、1」

カウントダウンが始まると、頭の中は真っ白。
怖さも楽しみもすっぽ抜けている。

ただ、バンジーと聞こえた時に前に倒れることだけを意識していた。
「バンジー!」
掛け声と同時に前のめりになる。

少しずつ自分の体が落ちていくのが分かる。
そして急に落ちる速度が速くなる。
落ちている時間は数秒であろうが、自分には数分のように感じられた。

自由落下が終わると、今度はゴムの反動で上に戻される。
真上に戻るわけではないので、身体は回転する。
湖の青と、自然の緑、そして橋の色である赤が連続して視界に入ってくる。
何回か落下と上昇を繰り返して、最終的に止まって宙づりになった。
その高さは40メートル位であろうか。
その時に、落ち着いて景色を見ることができた。

宙づりのまま自然を見ていたため、自然の中に溶け込んでいる気がした。
橋の上で見た時よりも、湖の綺麗な青、そして湖を囲う自然の緑がとても綺麗に思えた。

気がつけば、

「サイコー!!」
と叫んでいる自分がいた。
重力に身を任せるというスリルと解放感、その後に見た綺麗な大自然。
これらに心の底から感動していた、興奮していた。
その後は、ワイヤーで上に戻される。
ジャンプ地点に立ってから戻されるまでたったの5分。
降りたり、戻ったりと動いている時間は1分にも満たなかったのだろう。
ジャンプ地点に戻った後は、黙っていても顔が笑顔になる。
よくわからないが、全身が喜んでいる感覚であった。

とてもよい体験だったと心の底から思えるのである。

バンジージャンプの体験はさておき、なぜ、タイトルに大学の必須科目にした方がよいと書いたのか。
バンジージャンプが非常に楽しい体験であることは間違いないが、ポイントはそこではない。
自分の前に飛んだ40代男性がスタッフに質問したように、バンジージャンプの時は、スタッフが背中を押してくれることはない。

自分で飛ばなければならない。
大学生にとって、大学入学までの、小学校、中学校、高校、そして大学受験と、レールに敷かれた人生を歩んで来た人が多いのではないだろうか。
就活が始まってから、

「自分で決めて飛ぶ」

ということを開始するのではないだろうか。

就活は長い道のりである。
会社説明会に行き、面談を受け、何度も落とされる。
受かることができるのかと不安が交錯するであろう。
そんな中、友達が次々と内定をとり、余計焦ってしまう。

自分が内定をとるまで、何社へも飛び込まねばならない。
孤独な戦いが続く。
無事に就職し社会人となると、今度は、仕事の上で、自分で決めて飛び込まなければならない。毎日のようにそれが続く。不安は計り知れず、就活の比ではない。
バンジージャンプのスタッフのように、上司や先輩が途中まで助けてくれることもあるが、最後は自分で決めて飛ばねばならない。

怖がりながらバンジージャンプをした後に、開放感、高揚感が得られるように、不安に駆られながらも仕事を終えると、圧倒的な解放感、達成感に包まれる。
そして、飛んでよかったと思えるのである。

自分で決めて恐怖にも負けずに飛び込む、その気持ちを養うために、バンジージャンプは適切な課目だと思う。

そういう自分はアラフォーの仲間入りをして結構経ち、冒険を忘れて保守的になってしまいそうな時もある。でも、いくつになっても自分で決めて飛び込む、という気持ちを忘れたくない。
純粋に楽しいという気持ちもあるのだが、飛び込む気持ちを忘れないために、これからもバンジージャンプは飛ぼうと思っている。
次はより高く、100メートルから飛ぼうか。(茨城県にあるそうだ)

 

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2016-07-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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