メディアグランプリ

わたしが結婚できないのは、アンパンマンのせいである。


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記事:ちゃめ(ライティングゼミ)

『アンパンマン』のなかで、バタコさんとおむすびまんが実は両思いだったことを知ったのはつい最近のことだ。

ドキンちゃんは、しょくぱんまんを好き。

これは子供の頃から知っていた。

ドキンちゃんは彼を「しょくぱんまんさま」と慕い、目がハートになる。しょくぱんまんは迷惑そうである。誰がどう見ても、ドキンちゃんの片思いであることがわかる。

その一方、おむすびまんとバタコさんが恋仲にあることを知っている方は少ないのではないだろうか。
説明を読むと、お互いのひとめ惚れだったらしい。そういう回もあったらしい。だが、そのことはほとんど描かれていないし、小さな子供に理解できるような表現はされていないと思う。
おむすびまんとバタコさんは、遠距離恋愛である。なにせ、おむすびまんは旅人。しょくぱんまんと比べてたまにしか出てこない存在だ。七夕伝説くらいの距離感だ。
まあ、おむすびまんとバタコさんがラブラブなシーンなんて、見たこともないし、見たくもない……。

 

対極的に思い出されるのが、ディズニー作品だ。

ミッキーとミニーはもちろん、ドナルドとデイジーも恋人同士。彼らはハグするし、キスする。キスマークがつくほどの情熱的なキスは、子供が見るにしては少々激しいと思うほどに。そして『白雪姫』、『シンデレラ』、『リトルマーメイド』、『美女と野獣』、『アラジン』といった古典名作にしても、誰が見てもわかりやすく「恋愛のすばらしさ、両思いのすばらしさ」が描かれている。

アメリカでは、子供のころから「両思い」は肯定的に扱われ、日本では、隠されている。日本では、片思いはギャグとして肯定されるが、両思いについては、あくまでひっそりとした扱いだ。

 

わたしの家庭は比較的堅かった。

高校生まではAKBでもアイドルでもないのに、恋愛禁止!

恋愛もののドラマは見せてもらえなかった。

学校の友達から恋愛漫画を借りてはこっそりと読んで、ひそかに憧れていた。

大学入学時は
「東京に行って悪い虫がついたら困る!!」
とのことで、門限が厳しい寮に入れられた。

だから大学時代に初めての彼氏ができても、親に言うことはなかった。
これまでに、お付き合いしている彼を親に紹介したこともない。

それこそ、両思いはひっそりと。

『アンパンマン』の世界観のままである。

 

親の方針転換は28歳のときであった。

実家に帰ると突然に、

「彼氏はいないのか?
早く結婚しないと!」

と問い詰めはじめたのだ……。

ちょっと待って!
いつ、解禁されたの?

あまりの急な方針転換に頭がついていかない。

これはわたしだけの経験ではなかった。素直に親の言うことを聞いてきた友人たちはまったく同じような経験をしていた。

なんか、騙された感じなのだ!!!

ずっと『アンパンマン』を求められてきたのにも関わらず、
適齢期になると突然に、『ディズニー』であることを求められるのだ。

例に、結婚式ではドレスを着て、みんなの前で誓いのキスをする。

禁止されていたはずの「両思い」は
一体何歳から解禁されたのであろうか。

わたしは、いまだにわかっていない。

 

家庭にも寄る。そんなことはわかっているが、
日本とアメリカの恋愛文化の違いがわたしは『アンパンマン』と『ディズニー』にあらわれていると思っている。

両思い、いいじゃないか。

両思いがあるから、よい家庭が産まれる。

子孫繁栄、少子化解決。

お子さんがいる家庭の方はぜひ、初期のディズニー作品を見せて恋愛やパートナーシップの素晴らしさを伝えてあげてほしい。肯定してあげてほしい。

日本の少子高齢化のストップのために。

だが、そのディズニーでさえも最近の作品『アナと雪の女王』、『ズートピア』では恋愛至上主義の方針転換をはかっているというのだから、アメリカも日本の二の舞に……なんてことにはならないことを祈っている。
 

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2016-07-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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