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メディアグランプリ

自分が何かの「登場人物」だったら、もっとみんなに愛されていると思っていた。


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記事:糸数恵那(ライティング・ゼミ)

「悲劇のヒロインぶってんじゃねえよ」

何度言われたことだろうか。この言葉が怖くて、大嫌いだった。
自分は、物語の主人公にはなれなくて、ヒロインにだって、なってはいけない。
そう言われているような気がして。

 昔から、本とか漫画とか、物語が好きだった。物語の登場人物が、羨ましい。だって、沢山の人に愛されるし、どんなに悪役だって、それはそのキャラとして、認めてもらえるから。ごっこ遊びとか、お芝居とか、「誰か」を演じるのが好きだった。「誰か」のフィルターを通している時は、堂々としていられる。

だからか、気づけば私なりの処世術を身につけていた。なにか辛いことがあると、自分の人生とは別の物語の中に逃げ込みたくなる。
共感だけじゃ足りなくて、没頭したい。

「好きな人に振られました」
今この瞬間、私は漫画のヒロインだ。いや、間違いなく、共感してくれる人が沢山いるだろうし、なんといっても悲劇のヒロインっていうキャラがたちすぎている。かわいそうな役だけど、王道だよね、物語には必須の立場。

「あなたとは、もう関わりたくないです」
今この瞬間、私はアニメの悪役だ。まあ、こんなに心が痛くたって、「悪役」のキャラとして一定のファンはいるだろうし、こんな悪役でも、少し優しいところを見せたりでもすれば、二次創作は盛り上がるでしょう。

紛れもなく自分の人生において、自分の時間を過ごしているのに、どこか一歩引いて見てしまう瞬間がある。現実での出来事を、物語の中のように置き換えて考えてしまう瞬間がある。自分が二人いるんじゃないかと、錯覚する。

……ばかばかしいだろうか。
実際、こんなことを話して笑われたこともある。だけど、私は大真面目にこうやって考えてしまう。何をするにしたって、どこかフィクションの世界を通して、現実を見たくなってしまう。ワイドショーでコメントを頂くとしたら、「ゲームと現実の世界の区別ができていないんでしょうかね」なんてところなのだろうか。いや、違う。全然違う。どうしようもなく区別ができてしまっているからこそ、羨望の気持ち故に、夢見るフィクションの世界を現実に持ち込んできてしまっているんだ。この思考によって誰かを傷つけることはできなくて、自分を救うことしかできない。
こうやって、自分の人生の中で、自分を主人公として扱い切れずに生きてきた。
だけど、気づいたことがある。
結局、逃げ込んだ物語の世界の中で、自分がどんな立ち位置に割り振られていようとも、その立場からの視点の物語であること。サイドストーリーやスピンオフ作品であろうが、私の視点を持つ登場人物にスポットが当たった世界だったこと。私だって、スポットライトを浴びたい。その気持ちに。

 大体、人と話しているときには、「この人がもし漫画か、アニメか、ゲームの登場人物だとしたら、どのポジションかなあ」と一度は考える。
ファイナルファンタジーでも、ドラクエでもいい。もし、ゲームの登場人物だったとしたら、この人は普段どんなスタイルで戦っている「ジョブ」に分類されるだろうか? 勇敢な戦士? 遠隔攻撃の黒魔導士? 

自分が考える、自分に適したジョブと、他の人から見たあなたに適したジョブは違うことがあるかもしれない。けれど、これは年を重ねるごとに、自分のイメージと誰かのイメージは徐々に一致して、安定していくのではないかと思う。
きっとその安定したイメージを、求めているんだと思う。「私はいったい何者で、何の為に生きているんだろう」という不安に対する、明確な答え。役割が、欲しい。

……くだらないだろうか。
こんな遠回しな考え方をしないと、自分の生き方を貫けないのか、と。きっと、そう思う人は沢山いる。私だってこんな、変に小難しくてややこしい考え方をわざわざしたいなんて思わない。でも、どうしようもなく、なんか、自信がなくて、こうなっている。最近、売れている自己啓発本や心構えの術を説く文章の中で、「自分の時間を生きる」「他人の時間を生きるな」のようなフレーズをよく見かける。それを見て、なんだか安心した。ああ、結局、みんな同じようなことで悩んでいるのかもしれない、と。私は私なりの処世術を身につけたが、まだわからなくて模索している人たちが沢山いるんだ、と。

「自分は、物語の主人公にはなれなくて、ヒロインにだって、なってはいけない」?
どこの宇宙人にこんなくだらない洗脳をされていたんだろう。なれるかなれないかなんて、やってみてもいなかったのに。まずは、自分だって、主人公になりたいんだっていう、素直な気持ちと欲求に気づいて、認めてあげないと。

「誰か」というフィルターを通して見られたがっていた自分。
その「誰か」がきっと「私」に移り変わっていっている途中にいるんだと思いたい。だから、もう「私」が愛されたっていい。ここまで来るのに、時間をかかったし、もっと確立していくには、またもっと時間が必要かもしれないけれど。

 ちなみに、私の考える自分のジョブはというと。考えすぎたりするけれど、どうしようもなくいつも何かと戦うことから逃れられない所から、ジョブチェンジを繰り返した故に簡単な白魔法や黒魔法は習得してはいるものの、結局、戦士なんじゃないかと、思っている。これからも、身を削りながらでも、泥臭く、生きていきたい、と、抱負を綴る。

***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、店主三浦のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

 

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2016-08-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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