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【全部、口の悪い恋人のせいだ】私がつらい道を選んでしまうワケ


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記事:ほなみ(ライティングゼミ)

「ほなみさん、うまいよ、何これ、うめえええ」

あぁ、わたし、この反応大好き。
ひさしぶりの感覚に笑みがこぼれる。
3週間ぶりに何もない土曜日、彼がフットサルから帰ってくるまでの2時間、ものすごく丁寧に料理をしてみた。
ここ数ヶ月間、わたしは時間にも心にもまったく余裕がなかった。
すべてがあわただしく、流れにのることに必死で、それに比例してひとつひとつの日常は雑になっていた。
前は手料理をよく作っていたのに、彼との食事も外食中心に変わって、作ったとしてもソースをあえるだけのすごく簡単にできるものになっていった。

だからせっかく時間のあった休日、「今日はちゃんと作ってみようかな」そんな心意気で、メニューは暑さにあわせてさっぱりできるように冷しゃぶ、みそ汁も1からきちんとだしをとり、しらすとあおさの酒盗には彼の好きな七味をかけてもみた。
そんなことをしていると気づけば一汁三菜どころか、一汁四菜に。
ここまで書くとわたしは料理をする人にみえるかもしれない。

だけど、そんなことない。
むしろその逆だ。
ひとりでいるときは料理をするくらいならコンビニ弁当かどこかでテイクアウトして済ますし、時に食べることをやめてしまう。

私がするのは“ひとのためにする料理”だけだ。
私がすきなのは“ひとのためにする料理”だ。
これを教えてくれたのが彼だった。

彼と付き合い始めて「作ってよ」と言われるがままに料理をはじめた。
料理をしたことがないわたしはピューラーの使い方も知らなかったが、やっていくうちに技術はどんどん上達して、調味料の使いかたも感覚で分かるようになっていった。

そして、なにより彼の反応がうれしかった。
何でもはっきりと言いすぎる、ちょっと口の悪い彼はお世辞なんて言わない。
おいしい、まずい、味が濃い、薄い、食感が嫌だ……わたしが形にした料理に素直に反応する。
その反応から改善策をかんがえる、それをまた形にする、その形に反応がまたくる。
この流れが私にはすごく楽しかった。
もっと作りたい、もっともっと反応がほしい、それでもっともっともっと美味しいものを作りたい。
そんな思いで続けていたら、クックパッドに保存したレシピは130をこえていて、彼の引っ越しが決まったときは何よりも先に「2口コンロ! 絶対に! 2口コンロ!」とだだをこねていた。

彼のためにしていた料理が、気づくと自分のためになっていた。

話が変わるが、先日まで私は就職活動をしていた。
だけど、スーツを着るとお腹を壊すなど次第に体調がおかしくなっていった。そして「こうなってまで頑張ることって何だろう」と疑問をおぼえた瞬間、就職活動を休むことを決めた。

そんな就活もすべてがつらいわけではなかった。
唯一楽しいことがあった。
それは、自分がどんな人間か企業に伝えるためのエントリーシートを書くことだった。
この会社はどんな人を求めているんだろう、どんなことをどんな風に書いたら伝わるんだろう、全国から何千、何万通も届くであろうエントリーシートを読むのに飽き飽きした人事をちょっとでも面白がらせる文章を書きたいな。

料理のときと同じだった。

自分がつくる形に反応があって、更によくするにはどうしようと考えて、またつくる。
この流れがすごく好きなんだと思う。

だから、ライティングゼミの制度を知ったとき「これは私にとって絶対に楽しい」そう確信していた。その日のうちに、誰に相談することもなく学生にとっては大きな額を一括払いしていた。

案の定、ライティングゼミがはじまると楽しさであふれていた。
自分の文章が投稿されて、知らない人に見られることには抵抗もあったけど、ありのまま思ったことを書いてみたら掲載されて、2回目には店主セレクトにも選んでいただけた。
そして、それがピークだった。
「つまらないね」「ほなみの文章はなんの役にも立たないね」
ある時、わたしの記事を読んだ先輩から率直に伝えられた。
ここまではっきりと伝えられたのははじめてで、それからは文章を書くたびにその言葉が頭から離れなくなった。
私は何で役に立とう、誰かの役に立つってなんだろう、役に立つような何かを持っているのだろうか……そう考えつめるようになっていた。次の投稿で役に立てることが書けなかったらどうしようとたまらなく不安になった。
それに店主セレクトに選んでいただけた前回と同じくらい、なんならそれ以上のものを書かなきゃいけないんじゃないか、そんなことできるのかと怖気づいて文章を書いてみても投稿するのをためらうようになっていた。
毎週月曜日23:59にかけて増えるFacebookの投稿通知が、嫌で嫌でたまらなかった。
日が暮れはじめた土曜日の夕方、月曜日23:59投稿期限まで残り54時間。
わたしは豚肉に片栗粉をまぶしている。
冷しゃぶを作るとき豚肉にプリプリした食感を出すには、このひと手間が必要だ。
切った茄子は苦みがでないように、塩水であく抜きをする。

ふとした瞬間に気がつく……そういえばこんな技術、昔知らなかったなあ。
ペペロンチーノを作れば味のない焼きそばになるし、炊飯器の使い方が分からず何度もかたいお米を炊いた。茹であがったうどんの麺に直接カレーをかけて、ご飯とルウのようにしたものがカレーうどんだと思っていた時期もあった。
そんな料理とも呼べないようなものを形にするたび、彼は飽きれ笑いながらも食べてくれた。それから、はっきりと感想を言って「次はどうしたらいいだろうね」と一緒に考えてくれた。

最初はなにもできなかったし、むしろ美味しいごはんで彼を癒す彼女というポジションとは正反対にいて、何の役にも立っていなかった。
それでも楽しさにまかせて料理をしつづけていたら、気づくと上達していて、彼は「うまいうまい」言いながら何杯もごはんをおかわりしている。

何を私は思い上がっていたんだろう。

料理と文章は一緒。
すぐに掲載されたビギナーズラックに舞い上がっていただけで、文章においてわたしはまだ片栗粉もアクの抜き方も知らないペーペーだ。
料理をはじめたばかりのころ何の役にも立てなかったように、文章書き始めたばっかりのわたしが誰にでも役に立つようなものを急に書けるわけないじゃん。
だから、新しいものをひとつひとつ作っていって、失敗して、学んでいくしかないじゃん。
きっとまた反応に不安になったり、書くことがなくて辛い辛い辛い……ってなったりする夜もくるかもしれない。
だけど、その先に大好きなあの反応があるのなら、怖気づいてないで挑戦してみよう。

熱湯につかって透明なピンクから白く変わっていくプリプリした豚をみつめながら、「おいしいーーー!!!」と叫ぶ幸せそうな彼の顔が頭にうかぶ。
「ごはん食べおわったら、あさって投稿するネタ考えよっと」
彼のために料理をしていた時間、またしても自分のためになっていた。
***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、店主三浦のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

 

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2016-08-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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