メディアグランプリ

東京を見下ろす巨大生物に魂を込めた、あれがまさか彼だったとは……


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記事:矢奈川あやこ

 

「あの1時間がただただ恐くて。ほんとに恐かった」

「いや、えっと、恐いっていうか、畏怖を感じたよ。というか、うつくしいっていうか幽玄っていうか、神秘っていうか」

 

話題の映画をやっと観に行った後の3人での感想戦。

若者がリアルに恐怖を感じたと表現したシーン。わたしは仰々しい言葉をならべてしまった。うまく落ち着いた表現がみつからなかったのだ。今おもいかえしてもちょっとはずかしい。でも、映画の中の東京を見下ろす巨大生物にわたしは見とれた。無機質なモノになんか魂がはいっているような、なにかはかない感じがした。

 

一度、琴線にふれるとどうも涙せんがよわくなる。リアルな恐怖を重ねる演出に感心し、ファン心をくすぐるシーンにこころおどりつつも、わたしは涙ぐみそうになりながら巨大生物を観ていた。永遠なようで有限的。「きっとコイツは生きたいだけなのに」。勝手にそう感じていた。そしてせつない感じ。感想戦では、どうもそれは女性的視点らしいと判明。若い男性同士の感想戦だとディテールについてがおおいのだとか。そうか、リピーターと一緒にみるとこういう楽しみがあるのか。

 

荒れ狂うその生物をみて泣きたくなった感覚には覚えがあった。スポーツの接戦勝負を観て心が動いたり、明日死ぬかもわからない状況で生きる姿を映すドキュメンタリーに涙するときの感じだ。「人の遺伝子にはギリギリで生きる緊張感を美しいと感じるようにプログラミングされている」アフリカの野生動物を撮る写真家がそう言っていたのをおもい出した。ほんとうにそうなのかもしれない。

 

はかないと感じたあの動き。荒ぶる神ってきっとこんな感じだと登場人物たちと同じ気持ちになったあの巨大生物の動き。あれは何なのか。ここまで心が動いたんだ。気になるに決まってる。エンドロールでその名を見てあれ? とおもってましたよ。で、そりゃ、キーワード検索かけちゃいますよ……。

 

答えとなるニュース記事が画面にならぶ。わたしはひとりPCの前で固まった。

 

え、え? 型ってやつだ、きっと日本の様式美があれにハマってたんだ。わたしにとっては驚愕だった。荒ぶる神の演者は「狂言師・野村萬斎」だった。彼の演技の動きがキャプチャーされていた。わたしは、事前情報はないほうがいいというアドバイスを徹底していた。公式の公開情報さえみなかった。ネタバレなしレビューも読んだのは2つだけ。おかげで、ここちよい衝撃をもらった。

 

感情を表現する型が何百年も研究されて磨かれてきた世界なわけで。そして、モノに魂が入る話や神さまの話なんて彼らが作り上げる世界の真骨頂じゃないか。それぐらいなら素人のわたしだって日本に生まれたおかげでしってる。狂言とか能の様式美をこの映画で見ることになるなんて。こんな風に文化を次世代に残す方法があるなんて。そして、玄人にあれは萬斎そのものといわしめた繊細な動きを映像に落とし込める技術が日本にあるわけで。しびれる。

 

あー、もう。お昼に映画をみて、あんだけみんなで語って、夜に帰ってきて。夜中になってもまだ心奪われている。そして、ウワサにたがわず、オール・メイド・イン・ジャパンだ。ヤマタノオロチの神話にでてくるヤシオリの酒。映画の中でとあるネーミングの由来になる。古事記だーなんてひとりニヤッてた。でもなんか、あの映画の中に日本の伝統芸能が入ってるとおもったらそのエピソードへの感動もふかまる。というか、もう、ほんとに、日本、日本、日本だー!!!!

 

 

なぜ野村萬斎だったかを語る庵野監督のインタビュー記事。監督は、モノに魂が入る感じが欲しくて彼を選んでいた。事前知識なく観たわたしは、たしかに無機質なモノに魂がはいっている感じを感じた。正直、なにがどうなっているから、そう感じたとかはよくわからない。それに、同じものをみてても感じ方は世代やバックボーン、その時の心理状態で違うもんだともおもう。自分の若い時にこれをみておなじように感じたとは思えない。

 

でも、なにか作り手と受け手のピントがあったとき、おなじ感じを共有できる合図みたいな、型みたいなものがあの動きのどこかにあったんじゃないか。無意識にわたしはそれをキャッチした。そんな気がした。わかんないけど。まあ、わたしじゃいつまでたってもきっとわかんないから「ゴジラの動きと日本の伝統芸能」とかだれか考察書いてくんないかな。

 

観ていた映画はもちろん「シン・ゴジラ」。もう、なんか、いろいろいちいち日本だった。

 

映画館のロビー。足がわるくて杖をつく80歳ぐらいのおばあちゃん。彼女が段差をよろよろとのぼるのをみて、わたしはそのそばでちょっと見守った。つきそいの女性がみえたのでバトンタッチ。ウワサをきいて観たいってつれてきてもらったのかな。初代「ゴジラ」リアルタイムでみたのかな。あのおばあちゃんは、現代版ゴジラをどんなふうに感じたろう。

 

原発と核兵器と向き合わないといけない国の今年の夏。この映画を見てそれぞれがそれぞれのバックボーンをもって色んな感想を語り合うんだろう。ああ、いろんな感想を聞いてみたい。今度はわたしがまだ見てない人をつれて行こう。

 

***
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2016-08-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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