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手相を学びに行ったら、二種類の人がいることに気がついた


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記事:Sono Mamada Den  (ライティング・ゼミ)

運命に興味を持ったのは15年くらい前のことだったか。

ものごころついてから、運命などないと考えていた私は、その頃に「どう考えてもこの人には自分の未来が見えている」と思わざるを得ない人に出会い、いくつもの例証を見ているうちに「運命というものは、どうもあるらしい。そして、それを読める人もいるらしい」と気づき、確信するに至った。

運命を確信してからは、たちまちスケベ心が生まれて、「自分の運命を知りたい!」と強く思うようになる。世に占い好きの人は多いが、男だろうが、女だろうが、運命があると思う人は、ヒトのことより自分の運命を知りたいと思うのが自然だと思うのだ。

さて、あれこれ運命を見る手段はあると言われているが、どの方法をとるか。

私の場合、運命の存在に気づかせてくれた先生が、これなら教えてくれるというので、手相を学ぶことにした。師匠はあれこれの材料から確実に未来を読むことができる人だったので、できればその方に私の将来を見てもらうのがラクと言えば、ラクだった。しかし某学術機関のトップを務めるその師匠にとって手相を見ることは生業ではない。教えて頂くにあたっての条件として「講師に個人相談だの身の上相談だのしないこと」と約束を求められた。ほんとは、そこをなんとか相談に乗って頂きたいところなのだが、ぐっと抑えて、手相の勉強を始めた。

手相の勉強というのは、発祥の歴史からして、だいたいどこでも同じで、手の線と丘とを覚えて、それぞれの意味するところを結びつけて記憶するところから始まる。生命線、頭脳線、感情線あたりから、細かい線までいれると100くらいの線だの、記号だのを覚えることになる。そして、自分や他人の手をみながら、手相の意味を解きほぐしていく。Google画像検索で「手」だの「てのひら」だの「Palm」だのといれて、たくさんの掌を見るのだ。師匠はタクシーに乗る度に運転手さんの手相を撮らせてもらっていると言っていた。

さて、なんとかこれらの線を頭に入れて、まず、自分の手をじっと見る……。
自分の運命……見えてこない。手の線には流年といって、線のこの辺が人生のこの時期に該当するという対応関係がある。過去に対応する場所を見て「あっ、あれか!」と思い当たることはあるのだが、将来は見えない。

もう1人、やはり確実に将来が読めていて、世界的にも大きな結果を生んだ判断をされた師匠にも教えて頂いた。この方には身の上相談にも乗って頂いた。ここでも、やはり、勉強法は積み重ね型。覚え方、覚えさせ方には、人によって工夫もあるのだが、基本は変わらない。

2人の師匠を得て、まじめに勉強して、線とその意味するところの対応は記憶したものの、自分の未来は見えてこない。それぞれの線で「こんな感じの人」というのはわかるが、それを超えた全体像は見えてこない。師匠には、それが見えているようだし、秘伝を隠しているようにも思えないのに、私には運命が見えない。特に未来が浮かばない。

「手相を習った」というと、だいたい「見て!」と言われるのだが、極めてパーソナルな運命というものを「一般的にこの線が長い人はね……」と留保付きで語らなければならない辛さ。

うーん、積み重ねが足りないのか、と思って、もう一人の先生に習いに行くことにした。

これまで学んだ2人の師匠がたは、客観的に実証できる形で、未来を当てておられるので、私が疑いを持って3人目に走ったということではない。おふたりとも社会に認められる形で、スピリチュアルとは全く別のところで立派な仕事をされてもおり、広く知られた方々である。

このおふたりの手相との出会いと学び方を伺うにつれ、どうもこの方々は「勉強」などすることなく、最初から見えている人たちなのではないか、だからこそ、手相を読めない人が今どのくらい読めていないのかを把握できない、あるいは「そこは自分で飛び越えてこい」と考えておられるのではないか、と思うようになった。

そこで「始めから見えていた訳ではなく、私と同じように視界ゼロから始めて、自分で積み重ねでやって来られた」と思われる3人目の先生を探して、学びに行くことにした。

読みは当たって、その教室のテキストは、非常に細かく、微に入り細を穿ったものだった。線の覚え方も、合理的で、私は細かい線までどんどん、覚えることができるようになっていった。

先のおふたりは独学で手相を学ばれていたのに対し、3人目の先生は、ある流派に属していた。テキストもその流派伝来のものを改変して使っているらしい。なるほど歴史がある分、よくできているはずだ。

よし、この人について勉強すれば大丈夫だ、と思ったのも束の間、たいへんに勝手な言い分ながら、今度は「この先生には運命が見えているのだろうか」という疑問がわいてきた。この先生の手相読みは、まさに型どおりなのだ。教えて頂いたテキストの組み合わせをたくさん使って語っておられるのだが、それがパーツの組み合わせであることが明らかに透けて見えて、驚きがないのだ。前の2人のように大きな運命が見えている感じがしない。

ついでにいうと、この先生だけは「プロの養成」も謳っていて、「こう聞かれたら、まず、こう答える」みたいな想定問答からセールストーク、最後にお客さんをご機嫌に送りだす方法まで教えてくれた。そして営業の苦労話も、あれこれ聞かせて下さる。授業中に「得意客」から電話が入り、その苦労の一端を覗き見たこともあった。

違う世界を垣間見て経験としてはありがたかったのだが、この先生はやがて「あなたは私の弟子だ」と言い出し、私に対し「卒業試験として、芸名を付けて、その手の人たちが集まるお祭りに出て、占い師デビューし、お金を稼いできなさい」と指示するようになった。デビューイベントのためのコスプレみたいなものの準備まで話が及んだところで、さすがにこれは違う、と思い「これは私が求めるものではありません」とお礼とお詫びをして、そこを卒業寸前に退学させて頂いた。

3名の師匠について学んでわかったこと。

世の中には、線と意味の対応は覚えているが、その後ろにある広い運命の流れは読めていない手相見さんと、大きな運命をも読める人とがいる。そして大きく読める人は、往々にして積み上げで学ぶ前に、自分で手相が運命のダイアグラムであることに気づいてしまっている。手相と運命に相関、対応があることを誰にも教わることなく知ってしまい、その後に歴史の中で揉まれて来た手相の読み方を学ぶのだ。

私が求めていたのは、大きなものを読める能力だった。ぱっと見て運命の変化を直観的に見抜くこと、それが私の行きたかったところだ。

世の中には自分の運命を知りたいと望み、悩みを抱えている人はいっぱいいる。占い、手相にサポートを求めたいと思う人も多いだろう。

でも、手相見さんに「見て」「読んで」もらうときには、視界ゼロから始めて積み重ね訓練を受けた人と、生来的に直観を持っている人とでは、見え方が多分違う、ということを心のどこかに留めておいていいかもしれない。これは手相だけに限らない。他の占い手法でも同じではと思う。

手相見としての私は積み重ね型の未完成版だ。いつか直観が開けて、自分の掌に未来が見えることを祈りつつ、毎日手とにらめっこしている。

そして、「あー、そうか!」と自分の未来が読めるようになったら、次には人さまの手も見せて頂こうと思っている。

そのときのスタイルはもう決めている。本業にするつもりはないから、勤め帰りに、繁華街をちょっと外れた夜道に持ち運びのできる机と椅子を置く。机の上には「手相」と筆で書かれた文字が浮かび上がるランプ。客引きなんかしないで、薄暗い光で膝の上に置いた文庫本を読んでいる。近づいてくる人がいたら、おもむろに顔をあげて軽く微笑み、目があったら
「見ましょうか?」
と声をかける。

夜道の手相見の出来る日。早く来ないかな。

***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2016-09-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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