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メディアグランプリ

愛する子供に「悪魔の実」を食べさせる前に。


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記事:雨宮まみや(ライティング・ゼミ)

みなさんには聞くだけで背筋が凍る言葉はあるだろうか。
僕にはある。それを聞くたび見るたびに首の後ろが寒くなり、吐き気がする。
それは「キラキラネーム」という言葉である。
なぜそうなのか。それはキラキラネームが「悪魔の実」だからだ。

僕の名前はキラキラネームだ。
いや、正確にはそこに属する可能性が高い。(僕自身は認めたくない)
要するに名前が少し変わっている。
自己紹介をした時に「え?」って言われるくらいは変わっている。
病院の待受で呼ばれた時に「ん?」って思われるくらいは変わっている。
でも最近は変わった名前の子が多くなり、下の世代の子達に言わせればまだまだ大したキラキラ度ではないだろう。しかしそれは相対的な話だ。

社会は非情である。
例えば想像してほしい。
取引先と初めての打ち合わせの席で名刺交換をする時の事を。
スーツのオッサン達の中で、キラキラした名前を名乗る時どうなるのか。
あなたに想像つくだろうか。

答えは無視である。
なにも反応がない。なんのリアクションも無いのである。
苗字が珍しい時、これは少なからずリアクションがある。
「珍しい苗字ですね、出身は何処ですか?」などの会話が起こる。
しかし、下の名前は完全に無視される。これがどういう事かわかるだろうか。

ラインを敷かれているのだ。
「あぁ、こいつはこういう世代の若造なんだな」
ほぼ確実にそう思われている。実際に上司はそう思ったと言っていた。
これが仕事でどれだけ不利なのかわかるだろうか。
舐められた状態からのスタートというのは、真摯に仕事をする事でやっと「なんだまともなやつじゃないか」と思わせる事ができる。それは中々に辛いし、ストレスが溜まる。
キラキラネームはそういう事が起こるのである。

しかし、デメリットばかりではない。
ほぼ確実に名前は記憶されるし、自己紹介の時に小粋なジョークでも交わせば女の子受けはそこそこ良い。例えば僕の兄は僕以上にキラキラした名前なのでセットで話せば確実に笑いを取れる鉄板のネタでもある。

しかし、それはあくまでも「名前が笑われている」という事だ。
もちろん子供頃は嫌だった。
なぜ名前だけで珍しいがられたり、馬鹿にされるのか分からなかった。
兄は名前で虐められ、学校に行かなかった時期がある。
それに慣れてくると僕だけが特別なんだと自惚れた時期もあった。
他の子とは違う、自分だけは特別なんだと思いたかった。
でもそんなものは名前とは関係ないと気づくのに時間はかからなかった。

昔から付き合う子も変わった名前が多かった。
もしかしたら同じ経験をしてきたんじゃないか。
同じ悩みや葛藤を持っているんじゃないか。
そうやって興味を持ち、話してるうちに付き合う事になった。
そして実際は平凡な事に気づいた時に振られるのがいつものパターンだ。

某海賊漫画の中に「悪魔の実」というものがある。
食べれば常人では持ち得ない特殊な力を持つ事ができるが、その代償に泳げなくなる。
この「悪魔の実の呪い」とキラキラネームは似ている。
しかしこれといった能力は発動しない。多少の偏見とうぬぼれがつきまとうだけの出来損ないの悪魔の実だ。
それでもキラキラネームは僕らを否応なく個性とは何かという問いへと向かわせる。
僕は昔「変わった人間は普通の事をしてはいけない」と割と本気でそう思っていた。
まるで呪いのように。
このうぬぼれに人生を少なからず曲げられた。
好きになる子は偏り、たまに偏見に晒され、自身の平凡さに絶望する。
それを「呪い」と呼ばずになんと言うのか。
子供に祈りを込めてつけた名前が呪いに変わるなんて、まったく達の悪い冗談である。

それでも僕はこの名前が好きだ。
僕の名前はカメラのメーカーの名前から取られている。
そして父親はカメラマンだった。
母親曰く、理由も込めた願いも特に無いそうだ。
それでもこの名前は母親と死んだ父親が自分の親であるという証の一つである。
父親は二歳の僕をほったらかし、インドネシアにアンコールワットを撮影しに行き、そこで病気になって死んだ。
そんな話した記憶もない父親の唯一のプレゼントがこの名前だ。
だからこの名前を堂々と名乗っている。
「なにか文句あるか」内心そう思いながら自己紹介をしている。

これから子供にキラキラした名前をつけようとしているあなたへ。
これだけは覚えておいてほしい。

どんな名前を付けても、あなたの子供は漫画の主人公のようにはならない事。
どんな名前を付けても、それはあなたが子供に渡す最初のプレゼントだという事。
どんな名前を付けても、それはあなたの子供の人生を多少なりとも縛る事。
あなたの子供を特別にするのはあなたの特別な愛情ただそれだけである。
名前なんてなんの関係もない。

それを踏まえた上で素敵な名前を付けて欲しい。
これはキラキラした先輩からのお願いである。

最後に想像してみて欲しい。
50歳の白髪頭になった自分の子供がその名前が記載された名刺を得意先に渡すその瞬間を。
二度と海に入れない海賊になった時の気分を。
あー怖い。キラキラネーム怖い。

***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、店主三浦のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

 

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2016-09-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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