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相手に好かれているか、嫌われているか、カラオケで知る方法


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記事:中村美香(ライティング・ゼミ)

 

「わー、すごい! ありがとう」

久しぶりに、仲間と飲んだ後、カラオケに行った。中森明菜の“セカンド・ラブ”を歌った時、仲の良い友だちが、突然、絶妙にハモってくれて、気持ちよく歌えた。

 

私は、歌が好きだ。最近は、落ち着いているが、若い頃は、毎日のようにカラオケに行っていた時期もあった。初めて、カラオケで歌ったのは、中学2年生の時。曲は、演歌の“氷雨”だった。ある日、友だちが

「うちにレーザーカラオケがあるから、今度、みんなで歌おう」

と言ったので、親がたまたま持っていた“氷雨”の入ったカセットテープを何回も聞いて練習して、その場に臨んだ。自分でもなかなかうまく歌えたと思っていたら、みんなから

「すごい! 上手だね!」

と言ってもらいとても嬉しかった。

 

高校2年生の時は、友だちと学校帰りによくカラオケに寄り道をして、歌まねの練習をした。私は、南野陽子とか、レベッカとか、プリンセス・プリンセスとか、とにかくたくさん練習して、結構似せて歌えるようになった。

 

短大生の時も、社会人になってからも、よく歌いに行った。「ちょっとうまい人」くらいの評価をもらい、私の中で、「歌が好き!」から、「歌が得意!」に変化していった。

 

そうなってくると、

「私が歌う時は、ちゃんと聞いてほしい」

とか、

「歌い終わった後に拍手がほしい」

とか、

「ちゃんと感想を言ってほしい」

とか、だんだんと要求が高くなっていった。

 

そんな風にちょっと気取った態度だったからか、勝手に一緒に歌ってくる人なんて誰もいなかった。ましてや、人が歌っているところに勝手に入るなんていう発想がなかった。

 

ハーモニーを聞くのは、純粋に好きだ。だけど、自分が歌うとなると、どうしても、メロディを歌いたくなる。合唱でも、できるだけ、ソプラノが歌いたい。

 

20代の頃、カラオケだけでは物足りず、とにかく、もっと歌が歌いたかった。たまたま目にした地域の広報誌に、『第九合唱団』のメンバー募集の記事が載っていた。無料で、思いっきり歌える! と喜んでソプラノ希望で応募した。応募者がすごく多かったようで、抽選になったが、運よく当選した。そして、入団式に行って初めて、ベートーベンの第九はドイツ語だということを知り、びっくりした。『第九』は毎年とか、繰り返し歌う人が多いようで、既に、完璧に歌える人が半分ぐらいいた。試しに、歌ってみることになり、周りに合わせて口ずさんでみると、ソプラノの音域が出なくて、愕然とした。指導してくれる人に相談してみたら、

「『第九』はね、普通の曲のソプラノの音域より高いのよ。無理して喉を潰す人もいるからね、不安があるならおすすめはしないわ」

と言われ、泣く泣くアルトに変更した。

 

一般的に、合唱では、ソプラノの方がメロディを歌うことが多く、アルトは下の旋律を歌うことが多い。カセットテープをたくさん聞き、練習したけれど、メロディとは違うその旋律を覚えることは想像よりも苦痛だった。数ヶ月練習し、当日を迎えた。舞台のオーケストラの後ろに、一時間以上座り、観客と指揮者の顔を見ながら、演奏を聞き、その後、合唱した。その景色が、今でも脳裏に焼きついているほど、感動した。しかし、やはり、ソプラノを歌いたかったなと思っていた。

 

この前のカラオケで、“セカンド・ラブ”を突然、ハモられた時には、びっくりする間もなく、すごくいい気分になった。音程も、声のトーンも、大きさも、私の歌うメロディに寄り添ってくれて、盛り上げて応援してくれているように感じた。私は、彼女をとても尊敬している。彼女も、いつも気にかけてくれて、適切なアドバイスをくれる。だから、大好きで、大切な友だちだ。

 

いい気分で歌っていたところ、あることに気づいた。彼女が、ハモってくれると、不思議なことに、メロディの私ではなく、彼女に賞賛が集まっていたのだ。そして、そのことに、少し、嫉妬した。

 

今まで、メロディではなく、わざわざ、下の旋律を歌い、メロディの引き立て役をかうことは、好きではなかった。だけど、相手を引き立てることこそ美しく、そうした価値観を持つ仲間たちと、今、ここにいるのだと、気づいた。

 

そこまで思って、私は、誰に、突然ハモられても、心地よく感じるのか? 疑問に思った。調べてみると、一般的に、カラオケで突然ハモるという行為は、かなりの確率で、嫌がられることを知った。確かに、嫌いな人や知らない人に、いきなり無遠慮に一緒に歌われたら嫌だし、知っている相手でも、メロディより大きめに歌われたら心地よくないなと思った。

 

彼女のハモリは、その時の私に、本当にちょうどよかったんだ。アドバイスやダメ出しのように、内容やタイミングもさることながら、誰が言うか? 誰がハモるか? が大切なんだと思った。

 

そして、私も、勝手にハモっても嫌がられないような、人との関係性を持ちたい! と思った。

 

もしかすると、相手に好かれているか、嫌われているか知りたかったら、カラオケで勝手にハモればわかるのかもしれない!

 

私は、まだ、ちょっと自信がないので、一言、断ってからハモることから始めたいと思う。

***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2016-09-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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