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ふるさとグランプリ

覚悟がないのなら、沖縄へは行ってはいけないのかもしれない。《ふるさとグランプリ》


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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 記事:福居ゆかり(ライティング・ゼミ)

「ねえねえ、みんなで沖縄行こうよ!」
毎年、じんわりと暑くなってきた頃に、誰かがこう言い始める。
「いいね! 行きたい行きたい!」
「いつにする!?」
盛り上がる話の中、ふと思う。
なぜ、みんなそんなに沖縄に行きたがるのだろうか。
結局のところいつも皆の予定がなかなか合わず、決行されたことは過去に一回しかなかった。その一回にもバイトで参加出来なかった私は、なんだかんだで沖縄に行ったことがなかった。

沖縄に行ったことがある人は決まって言う。
「すごく良いところだった! また行きたいな、沖縄。できれば永住したいくらい」
実際、そう言って沖縄の魅力にとりつかれ、足繁く通う人、沖縄へと移住してしまう人が一定数いるらしい。
それを俗に「沖縄病」と言うそうだ。
そんなに魅力があるのだろうか、パンフレットをパラパラ見ながら考える。写真で見る海はすごく綺麗だけれど、特にマリンスポーツを嗜むわけでもない私には写真を見るだけで充分な気がした。

そんな私が沖縄に行くことになったのは、友人の失恋旅行だった。
友人は毎年夏に彼氏と旅行していたのだが、夏を目前に別れてしまったのだ。
そこで「でも、どうしても旅行に行きたいの」と私の所へるるぶを持って来た。「いいねいいねー」とお酒の勢いで盛り上がった私は、その場でインターネットから予約した。酔っ払いの行動力は恐ろしい。
そうして私は、沖縄へと旅立った。自分がその後、見事に沖縄病になるとも知らずに。

どこまでも広がる青い空、夏の風、色鮮やかなブーゲンビリア。
そこは思った以上に南国だった。
暑いのだが、じめじめしておらず、かといって乾燥しすぎているわけでもないので快適な暑さだった。
レンタカーを借りて街へ出ると、同じ日本といっても建物や植物など、文化の違いが目に付いた。さっそく観光、と車を走らせる。英語で書かれていたり、ハブの絵の看板があると、物珍しさにいちいちお互いのデジカメで写真を撮った。目につくもの全てが新鮮だった。

「えっ、もうこんな時間!」友人の声に、慌てて飛び起きる。時刻は9時を回っていた。
焦って着替えながら、携帯電話を手にする。
午前10時からのシュノーケリングの予約をしていた私たちは、前日の晩に泡盛を飲みすぎて寝過ごしたのだった。いい大人が……と自分たちの行動に自分で呆れながら、番号を打ち込む。
店に電話をして遅れる旨を伝えると、ゆったりとした口調で「場所わかりますかー?」と言われた。急いでいた私は慌てて電話を終えたが、全く向こうに焦りがないのを不思議に思った。

お店の前に車を停めると、10時15分だった。中に入ると「ねーねーたち、ちょうど今船が出るところだよー、よかった」と、真っ黒に日焼けした人の良さそうなおじさんがニコニコして手招きをしていた。そのままウェットスーツを着て、私たちは船に乗り込んだ。
遅刻したことの申し訳なさに、頭が上がらない思いで謝ると、おじさんは「でーじ、でーじ」と笑って、これからの予定を教えてくれた。

後から知ったのだが、沖縄は「ウチナータイム」という独特の時間概念があり、時間にはかなりゆるやかなのだそうだ。
飲み会など、時間通りに来る人はほぼいないらしい。それを初めて知った時、なんて自由なんだ、と驚いた。
そして、おじさんが遅刻に対して全く動揺しなかった理由はそれか、と一人納得したのだった。

「ねーねー、よかったさー」と笑顔でお姉さんが私の背中をさすった。
慣れない船に前日のお酒が災いし、乗り物酔いがひどかった私は景色も見ずにダイビングスポットまで揺られてきたのだった。
海に入ると、乗り物の揺れから解放されたのと水の感覚で、段々と調子が戻ってきたのがわかった。
そして私たちはシュノーケリングをしてみることになった。慣れない手でゴーグルをつけ、真っ青で透明度の高い海を覗き込むと、すぐ手の触れそうな位置に魚がいた。「わあ、すごい! 綺麗」と、私たちは夢中で海を覗き込んだ。
青い海の下、宝石箱のような色とりどりの魚が泳ぐ美しい光景は、写真よりもずっと鮮やかだった。

海を出ると、お店でお昼をいただくことにした。店自慢の、沖縄名物タコライス。想像していたよりずっとおいしく、そしてピリッと辛い味が、沖縄の風土に合っていた。
暑い日差しの中、潮風を浴びながら、お店の人とランチをする。初対面の私たちに色々沖縄のことを話してくれ、とても親切にしてくれた。暑さで私たちも気持ちが解放的になったのか、昔からの友人と過ごすようだった。
ウチナーグチという、沖縄の方言も聞いていて温かみがあり、ホッとする言葉だった。なんくるないさー、くらいしか知らなかった私は、おじさんの言葉は半分くらいしかわからなかったけれど、ずっと聞いていたい、そんな気持ちになるゆったりとしたリズムの言葉だった。

すぐ側に自然があって、人も気温も暖かく、ゆるやかな時間。
そこには、普段の生活にはない「自由」があるように感じた。
それで、私は一気に沖縄が好きになってしまったのだった。

その後、わたしたちは名所を回った。万座毛、首里城、美ら海水族館、斎場御嶽、ニライカナイ橋、沖縄戦跡国定公園。
どの場所も素晴らしく、美しく、時には戦争に触れて涙を流すこともあったけれど、楽しかった。
たくさんの景色と、思い出をカメラに収めて私たちは帰りの飛行機に乗り込んだ。

そして、私は見事に沖縄病になってしまった。
毎年夏の訪れを感じると、ああ、沖縄に行きたいなと思う。家族旅行の話が出ると真っ先に沖縄、と言うので今では旦那が先に
「沖縄に行きたいんでしょう」
と言う。
「けど、子ども2人が飛行機で騒ぐのが怖いから今年はまだやめとく、って言うんでしょう」
と、毎回私が悩めるポイントまで続けて先に言ってくれる。不甲斐ない、と暗に言われているようですこし悔しいが。
それでも、私は沖縄の空気を思い出す。あの暑さ、喉を流れるオリオンビール、海で拾った珊瑚、濡れたままで着たTシャツがすぐに乾いていく心地よさ。
気がつけば沖縄のことを考えていて、インターネットでお世話になったダイビングショップを検索しているなんて、まさに病気だと思う。

だから、私は人に対して、沖縄に行く事を薦めない。
時間に余裕があって、行動力もあって、沖縄に繰り返し行く事ができる人か、あるいは沖縄病になっても耐えられるという人ならいいと思う。
けれど、それはどちらもある種の覚悟が必要だと思うからだ。

しかしそんな気持ちとは裏腹に、沖縄の空気、人々のことを思い出すとぜひ、一度は味わってほしい……そんな気持ちにもなるのだ。
私の沖縄病は、まだまだ熱が冷めないようだった。

***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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