プロフェッショナル・ゼミ

天狼院書店スタッフに物申す!《プロフェッショナル・ゼミ》


記事:田中望美(ライティング・プロフェッショナル)

今からー!
天狼院書店のスタッフたちに~
物申すー!!
押忍っ!

あーーーーーーーーー、この一か月間、半端なかった。もう、濃すぎて、2016年の11月という月が一週間くらいに感じた。

そうなったのももう、どれもこれも、天狼院書店のせいだ。あの、天狼院書店店主である、三浦さんのせいなんだ。

私はこの一か月間、バイトに、ダンスに、卒論に、演劇に……と、休む暇もなく、朝から晩まで活動した。本当に、こんなにもきっつーーーー! という毎日を送ったのはいつぶりだろう。とてつもなく久しぶりだ。なんだか、わけわからないくらい大変だったので、今から発狂しそうである。この一か月もの間、何度か頭が狂った記憶もある。まさに、真夜中に・・ある時間になると陥ってしまうハイなテンションだ。ハイになった。

これも全部、三浦さんがいきなり突拍子もないことをいって、それにまんまと乗せられてしまったがためだ。あ~悔しい。
だから、私はまず、書店の店長である三浦さんに物申す。

三浦さんから~! 
つらい仕事を~! 
奪いますっ! 
オッス! 

三浦さんは自分の仕事をツラいな~、と満面の笑みで言う。
一般的な人だったら、眉間にしわを寄せ、深刻そうな顔をして言うはずだ。しかし彼は全くそんなそぶりがない。楽しそうに、無邪気にツラいと口にする。

……果てた。

すみません、果てておりました(寝てしまいましたという意(笑))。

何せ満身創痍だったので、記事の内容今からだ! という時に果ててしまっておりました。まさに、眠さを我慢して、深夜のテレビドラマを見、クライマックス前のCMで果ててしまったあの時のような感じでしょうか。

さて、気をとりなおして。

そう、その三浦という男は、そうやって楽しそうに、仕事がツラいというのだ。最初はまだ我慢きた。まーたこんなこと言ってる、とにやけていた。だが、次第にそんな余裕もなくなって、うらやましいという感情を飛び越えて、怒りに似た変な感情が生まれてきた。なんでこの人はこんなに楽しそうに仕事がツラいというんだ、わたしだって、そう言いたい!!!!

 

三浦さんは、いつも、仕事が仕事ではない。それを仕事と思っていないのだろう。本が好きだから本を売るし、読むし、書くし。カメラマンになりたいと思えば、そのための企画を考えて、実行する。三浦さんがギラギラとした目で働く姿によって、世間では仕事と呼ばれるものが、激しく楽しい遊びであるかのように見えるのだ。
だって、今回の演劇月間だって、三浦さんが勝手にポーンと思いついたことがすべての始まりだった。それについては下記の記事を読んでいただいたらわかる。

私たちはもしかしたら、何も学びとらなくてもいいのかもしれない。《川代ノート》

それに振り回された感じで、天狼院書店が急にあわただしくなった。もう、この一大プロジェクトにかかわるすべての人が無我夢中になったのだ。みんな、心底きつかったと思う。弱音を吐かなかったのは、大変なのが自分だけではないことが十分すぎるほどわかっていたからだ。しかし、不思議なのは、これに関わった人たちが、この一大プロジェクトが終わった後に、プルンと一皮むけたような清々しさをもって、別れを告げること。そこには一切今までのキツさが見えてこない。あんだけ苦しんでもがいた日々はどこへ行ったのやら? という感じになってしまうのだ。不思議だ。異様だ。いや、もしかすると、これがあの、仕事はつらいよー(笑)という感情なのか? 

そうだとしたら、私はそれを今、十分に味わうことができている。じぶんにとってワクワクすることに必死に取り組み、やり遂げ、何とも言えない優越感を感じているのだ。ならば、このまま自分のアンテナに従って、やりたいことに没頭しよう、実際にやり遂げてしまおう。そうすれば、あの憎たらしい三浦さんのつらい仕事を奪うことができるかもしれない。もしくは、仕事はつらいと笑う人物第二号になれる可能性がかなり高い。すでにこの一か月間は、三浦流のつらい仕事をまっとうした。

こんな感情を知ってしまい、仕事を仕事とも思わず、子供のように世間に旋風を巻き起こす様を目の前で見せられてしまえば、私の好奇心旺盛な性格上、いったん飲み込まれないと気が済まない。ああ、私の人生、どうなってしまうのだろうか。

そしてこの書店には、三浦さんがいる限り、面白くてすごい人が集まってくる。その証拠が天狼院のスタッフたちだ。書店にくるお客さんももちろんだが、そこで働くスタッフたちには驚かされる。お客さんがスタッフのファンになることにもうなずける。なぜなら、とても有能なのだ。有能で、ユニークな野望もあって、それでいて気取らず親しみやすい。だから、その中でも今回劇団の運営をしてくれた美鈴さんに物申したいことがある。

なんてことしてくれるんですかー!
海鈴さんの記事に夢中になりすぎてー
私、はさまれて死んでしまうところでしたよー(笑)!

新しい下着を買うときの女の気持ちって、みんな、こうなんですか?《海鈴のアイデア帳》

私は上記のタイトル記事に興味を惹かれ、電車の中で熟読してしまった。その結果、降りなければならない駅に着いたことに、そのドアが閉まるギリギリになって気づいたのだ。慌てて迫りくるドアとドアの間をすり抜け、間一髪で挟まらなかった。ひやーっとしたと同時に電車から降りて、また普通に歩きだした私は、海鈴さん、何てことしてくれるんですか、この記事面白すぎだよ、共感しすぎてしまうよ、危うくこの記事に殺されかけちゃったよ、と思ったのだった。

海鈴さんは、福岡天狼院書店店長である川代さんとはまたちょっと違った面白い人だ。どっちにしろ二人はおもしろいのだが、私的には川代さんはどこかしらミステリアスなところが魅力的であるのに対し、海鈴さんは誰にでも愛想がよくて、オールマイティに何でもこなし、マジョリティのツボ押し達人、と言った感じだろうか。みんなが思うツボをどストレートに、気持ちよく押してくれる。そこに愛想の良さが関係しているのかもしれない。だが、今回私は、力仕事も、機会にも強い何でもできそうな海鈴さんの、裏を知ってしまったような気がする。だからむしろ、そこを前面に押し出したい。

海鈴さんはおっちょこちょいなところがある。慌てると、モノを落としたり、体の一部をどこかにぶつけたりする。そして、それだけじゃない。自分のやりたいことを、小出しにしてくるのだ(笑)どういうことかというと、劇団の練習中、海鈴さんは音響担当だったのだが、踊り始めたり、わたしたちが演じる役のセリフを割と本気で口に出すのだ。海鈴さんはわたしも演劇やってみたいと言っていた。劇団の練習を見て、自分の中の欲求が心の中では収まり切れなくなったのかもしれない。そんな、いい意味で変なところもある。だけど、だからこそ、面白くて親しみやすい。その魅力にどれほどの人が気づいているのだろうか。

そして最後に私は、そんな面白い人の集まるこの天狼院書店にも物申したい。

おいこらー!
この書店はー!
どんだけブラックなんだよーー!!

私はこの数か月、書店員の働きぶりをかなり近くで見てきたつもりだ。働く彼女たちは、ありえないほど働いている。イベントの企画・運営からあらゆる雑務までを数少ない人数でまわしているようだった。

川代さんのタスク表をちらっと見ると、小さな文字の列が紙いっぱいに広がっていた。途方もないタスクで、これは終わるのか? 終わってもまたどんどん溜まっていくのではないか? そう思った。私だったら、投げ出してしまいそうだ。そして、手を抜かずにはいられなくなりそうだ。しかし、彼女たちは毎日淡々と仕事をこなしている。淡々とこなし、その上で自分の仕事を楽しんでいる。ここで働く喜びが目に見える。なぜなら、イベントで一番盛り上がってしまうのも彼女たちだし、こうしたら面白そう、あれがいいんじゃない? という内容の話をお客さんとしている彼女たちは本当にキラキラしている。だが、現実には、何でもかんでもできるわけではない。しかし、それでも自分たちの理想に追いつこうと、彼女たちは世間にとっては休日である時さえ、名目上働いているのだ。

私がここに来た初めの時は、自分の好きなものに囲まれて働けるなんて、楽しいだろうな~としか思っていなかった。その裏側にある苦労なんて全くと言っていいほど理解していなかった。しかし私が、一般企業の事務の仕事をはじめると、彼女たちの大変さがだんだんわかってきたのだ。一般企業と天狼院書店の大きな違いは、ひとつ。一般企業が、時間と労力を使う事務作業と頭を使ってないものを形にする企画や運営、営業などを明確に区分しているのに対し、天狼院書店はその区別がほぼないのだ。
私は仕事先の先輩にこう言われたことがある。
「わたしたちは時間と労力のかかるいわゆる雑務をしなければならない。それが私たちの仕事。上司がこんな、イベント用の袋詰め作業なんてしてたらだめでしょ」
なるほど、会社にとって分業することは効率の良さにつながるのだ。事務は事務作業専門の人が行う。それはそれで、部門ごとのスペシャリストとして誇りが持てるちうことだ。実際にその先輩も、誇りを持って働いているため、仕事に対する姿勢に尊敬できるし、あらゆる人から信頼されていた。
一方、天狼院書店では、カフェの仕事をしたかと思えば、イベントの立ち上げもする。そこが彼女たちの大変なところであり、両立しているというところに脱帽してしまうところだ。

でも、それができるのは、そこまでして自分のやりたいこと、目指す場所、好きなことに人一倍こだわりがあるからではないかと思う。そうでなければ、寝る間も惜しんで作業なんてできない。

反対に、一般の企業はドラマで見るような会社的な考え方は根強いのだと知った。上司に対する不満は飛び交うし、仕事はしなくていのならしたくない。このような働き方をしている人が大半なのだろうと思ったりする。なぜなら、そっちのほうが生きていて楽だからだ。仕事はしなければならないものだと割り切って、ほどほどに、自分が傷つかないようにうまくやり、それ以外の時間を好きなことにあてて、のんきに暮らしてゆくことが幸せなのだから。私はそこで働いてみて、よくそのようなイメージをした。

もし天狼院のような会社で働くとなれば、そうはいかない。自分の夢をかなえるためには、必ず痛みを伴うものだ。多くの人が背負わなくて済むものを背負うことがあるかもしれない。でも、それはそれで、刺激的で楽しいのかもしれない。

私は就職活動を辞退した人間だ。多くの人が通るであろう一般的と言われる道を少しそれてしまった。しかし、一般的な企業と天狼院書店での働き方の違いを考えたときに、私はなんとなく就職活動の意味が分かったような気がする。むしろ、私は就職活動に成功したのかもしれない。要するに、就職というのはどんな人生を歩んでいくかということの一つの指標であって、どこで誰と働くかによってその後の人生は違うものになるだろう。安定を選ぶか、リスクを抱えて目指すものを追いかけるのか。どちらの人生も決して悪いものではない。ただ、自分がどの道をゆきたいと思うかだ。そして自分の進みたいと思う道に踏み出すことができるのか。そこが一番重要なのだと思う。とすれば、私はおそらくリスクを負ってでも自分のやりたいと思うことで生きてゆくと決めた。そしてその道をこうやって歩き始めている。意志と行動が一致した瞬間にリスクがワクワクする刺激的なものに変わる。自分の意志と行動が一致するということ。それが私の考える就職活動の意味だ。周囲に流されて必死になって就職活動をしていると、頑張っている自分に満足していたが、ずっと心の中にわだかまりがあった。それはやはり、意志と行動のズレだ。

私が天狼院書店に物申したいことは、まだまだあるのだが、私の人生をこうやって導いてくれているのも天狼院書店という存在があってこそである。そして、種類は違えど、ライティングや小説や演劇や英語など、この書店でいい意味でしごかれている人は多いのだと思う。だから、私の意志と行動をつなげるための場所としては、物申すことなんて本当はないのかもしれない。ただ、この大好きな場所や人に、つっかかっていたかったのだ。

***
この記事は、「ライティング・ゼミ プロフェッショナル」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、店主三浦のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

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