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大みそかの夜に何食べるか問題は、自分の常識を疑うチャンスでもある


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:つたちこ(ライティング・ゼミ)

 

 

大みそかの夕食、と言ったら、あなたの家では何を食べますか?

年越し蕎麦。

うんうん、そうですよね。

じゃあ、他には何か食べますか?

 

私の実家では、いつもお正月のおせちの準備をしながら大みそかを過ごしていたので、大みそかの夜にはおせちの試食会が行われていました。

おそらく翌日親戚一同に出す前に家族だけで味を確認しつつ、忙しい大みそかの食事の支度を楽にしていたのだと思います。

19時くらいにスタートし、紅白歌合戦を眺めながらお酒を飲み、そして今年の煮物はうまくいっただの、田作りが甘いだの辛いだのと言いながらおせちを食べ、食べ終わると冷たいざるそば。

これが我が家の、大みそかの恒例晩ごはんでした。

 

自宅のごはんというのは、なかなか他と比べる機会がないものです。

それがスタンダードだとずっと思っていたのに、そうではない、と知らされたのは、夫と暮らし始めてからでした。

 

「え? 大みそかの晩ごはんは、すき焼きでしょ?」

夫に当たり前のことのように言われてショックを受けました。

そういうものなの? とスーパーに行ってみると、すき焼き用のお肉が山のように売っているではありませんか。

年末のお肉売り場が眼中になかったわたしには、今までその状況が目に入っていなかったのです。

 

たしかにたくさん牛肉が売っている。世間では「大みそか=すき焼き」が当たり前なのか!

 

さらに、「お蕎麦は夕食には食べない」とも言われました。

「えー!? じゃあいつお蕎麦食べるの!?」と聞くと、年が変わる直前、23時45分くらいから、なのだそうです。

すき焼きでがっつりおなか一杯になっちゃうのに、さらに蕎麦を深夜に食べるって、太っちゃうじゃん!! ただでさえ正月は太るのにー!!

 

結構なショックを受けつつも、元旦には実家でおせちを堪能させてもらうため自宅では作らないので味見する必要もなく、大みそかにはすき焼き、そして深夜に蕎麦、という新しい習慣を受け入れることになりました。

 

ちなみに、夫は北海道は札幌の出身。

わたしは東京の多摩地方の生まれ。

育った地方で食べるものの習慣が違うというのはよく聞きますが、ほかにもこんなことがありました。

 

お赤飯といえば、小豆の入ったもち米のごはん、ですよね。ゴマ塩かけて食べますよね。

北海道のお赤飯は甘納豆を使うそうなんです。衝撃です。お赤飯が甘いの!?

 

よくトーストにする、四角い形のパンは「食パン」ていいますよね。

このパンは「角食(かくしょく)」というのだそうです。

初めて「角食買ってきて」と言われたときには、「は?」と真顔で聞き返してしまいました。

 

魚の干物といえば、ホッケ。

わたしは大人になって居酒屋に行くまで、ホッケという魚を食べたことがありませんでした。つまり酒の肴であってご飯の友ではない印象。

ホッケはおいしいですが、 干物の王道といえばアジの開きでしょう。

 

付き合いだして、さらに一緒に住むようになってから山のように知らないことが出てきました。

お互いの思う「常識」の違いは、トラブルを生みがちです。

なぜって、どちらがいい、ということはないのです。だって、どちらも自分にとっては正しいのだから。

 

そうなると解決方法は、お互いの情報や考えをすり合わせながら、どちらかを選ぶか、あるいは、両方取り入れるしかありません。

 

それぞれの環境で育った大人が一緒に生活をするってことは、そんなことの繰り返し。

全部を夫側に合わせるということもなく、全部をわたしのほうに合わせろ、というのでもなく、少しずつすり合わせることで、新たな「我が家のルール」が出来上がっていくのです。

ある意味、お互いの妥協点の探り合い、とも言えます。

食べ物のことから、生活習慣、考え方、趣味、などなど。

わたしと夫は、比較的穏やかに、でも時にはけんか腰になりながら、これまで数えきれないほどのいろんなことを、すり合わせてきました。

 

 

 

そんな夫と、これまでの生活で最大級のすり合わせをし始めたのは、2015年の夏ごろでした。

 

「そろそろ独立しようと思うんだよね。それから、東京はもういいかなって。地方移住したいと思ってるんだ」

 

夫の言葉は、わたしの常識とはかけ離れ、あまりの落差にめまいを起こしました。

今の仕事が嫌なわけではない、でもこのまま残りの人生を行くのは違う気がする。

それはわからないでもない。

わたしも、今のハードワークを60歳まで続けるのか、と問われると素直にうなづけない。今後大きくその状況が変わるとも思えない。

でも、リストラされたわけでもなく、相手から存在を求められていて、役に立っているという実感もあり、さらに仕事が嫌になったわけでもないのに、自ら会社員という安定した居場所を捨てることは、わたしの常識にはなかったものでした。

 

しかも移住希望。

移住って、「東京に住まない」ってことだよね?

それはつまり、夫だけでなく、わたし自身も今の仕事を辞めて一緒に行く、ということだよね。

わたし、仕事を辞めるつもりもないし、だいたい東京以外住んだことないし、東京以外に住むなんて考えたこともなかった……。

 

比較的慎重派だと思っていた夫から出てきた大胆な2つの提案は、石橋をたたきすぎて渡らないで終わるタイプの私にとって天地がひっくり返るようなものでした。

 

独立って、なにするの?

収入はめどがたつの?

そもそも仕事はあるの? 食べていけるの?

どこに住むつもりなの? わたし、田舎暮らしなんてできないよ!

自分たちの家族や親戚は?

これまで仲良くしてきた友達は?

 

一気に夫への質問が噴き出てきました。

その提案だけは絶対に首を縦に振れない、と反対の立場をあらわにするわたしに、夫は自分の考えていることを長い時間をかけて何度も話をしました。

なかなか納得いかないことも多かったわたしをつれて、独立に関する話を聞きに行ったり、移住に関するイベントに行ってみたりしました。

旅行、という形で、実際に暮らしてみたい街を何度も見に行ってみたり、現地に住む知り合いに話を聞いたりしました。

 

1年が過ぎたころから、少しずつ、わたしの気持ちが揺らいできました。

夫に説得される、押し切られる、妥協する、というのとも少し違いました。

話を聞いたり、いろんなところに足を運ぶうちに、私自身の「常識」を疑うことになったのです。

このまま今の仕事を続けていく「私の常識」で、本当にいいのか。

ほかに選べる道がある可能性に目をつぶって、見ていないだけなんじゃないか。

 

約1年半かけて、夫とすり合わせを続けた結果、我が家は新しいルートを二人で開拓することを決断しました。

正直いうと、まだまだ怖い。

石橋はいくらでも入念に叩きたい。

でも橋の手前ですくむ足を動かさない限りなにも変わらないのであれば、二人でなんとか協力して動かしていきましょう。

やると決めたら、前向きな気持ちしか持たないで、一緒に歩きましょう。

 

夫と一緒に住んで、もうすぐ9年。いまだに「えっ?!」ってびっくりする発見があります。

でもそんな時はまた、お互いの考えを聞いて、すり合わせて、納得したうえで、前向きに道を選んでいけばいいのかな。

これからもよろしくね、オットさん。

 

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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2017-01-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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