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結婚式の帰りのバスで思い出したのはAくんだった


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:大川泰史(ライティング・ゼミ)

「いい結婚式やったね」
地元の居酒屋で僕らは2次会をやっていた。
結婚式の主役は幼稚園から一緒の近所の友達だった。
彼はとても面白くて、みんなを引っ張るリーダーのようなタイプのやつだ。
だから彼の結婚式には、地元のいろんな同級生が集まった。地元の残っているやつもいれば、県外に就職したやつも多くて本当にこうゆう機会がないと集まらない。

「今度は2月に広島でJ君結婚式のやね」
「実は10月に俺も結婚するとよ」
「俺も2月に子供が生まれるんよ」
「俺もいい感じの彼女がいて結婚考えてるんよね」

2次会の内容はほとんどこんな感じだった。
僕は25歳なのだが、今年に入って結婚式の誘いや出産の報告がめっきり多くなった。
第1次のブームというやつなのだろうか。
みんな人生のいい時期なのはわかる。結婚・出産も時期を選べないものわかるが、なかなかの連続具合に内心お祝い代がとなる僕であった。
ちなみにだが現時点で5件決まっている。これから増える分も考えるとだいぶ笑えない。

でも久しぶりの友達に会えるのは本当にうれしい時間だ。
ある友達とテーブルが一緒になった。今回彼との話が1番刺激を貰えた。
彼は地元の地方銀行に勤めていたのだが、友達伝いに聞いた話だがバックパッカーになるために辞めてしまったという。

よくよく彼と話してみると話の大筋はあっているのだが、今はJICAという国際ボランティア団体をする団体で南米にボランティアを2年ほどするとのことだった。
実は僕も就職活動をするときにそういった選択肢を考えていたので、彼との話はとても盛り上がった。
幼稚園から一緒でたまたま大学も一緒だった彼とは、思えない情熱を持った語りに僕は終始引き込まれていた。

「こうやって結婚もいいけどさ、俺30くらいまでは結婚も考えてないんよね。世界で見てみたいんよね」と結婚式には似合わないかもしれない話を僕らは語りあっていた

最近の話だが自分も仕事を辞めることにしたのだ。
そういった状況だったからかもしれない。彼の頑張っている姿は魅力的だった。

僕は、ぼんやりとだがこれから先に起業したいと思っている。
本当にぼんやりとだが。

もう4年前になる。
東京に受けたい企業があり、就職活動をしているときだった。
せっかく東京に来たのだが、時間が余ったためどこかの説明会を聞きたいなと中である会社を見つけた。

「ソーシャルビジネス」

という見慣れない文字が並んだ会社説明会の案内だった。
当時の僕はこの言葉の意味を全く知らず、
流行り出していたSNSなどを活用する会社なのだと思っていた。

「流石、東京だ。やっぱりこれからSNSとは普及するし、知っておこう。」

なんて田舎者な発想だと今でも思う。
とそんな思い説明会に参加したが、田舎者の想像を大いに超えていた。

簡単に言うと
ソーシャルビジネスとは、社会問題を解決することをビジネスして儲けているという。
逆に言えば儲ければ儲けるほど、社会問題が解決するという。

それを聞いたときは、なぜか機関車みたいなものをイメージした。
社会問題という薪もしくは燃料を燃やして、どんどん走っていくような機関車。
それって社会問題が無くなってしまわないか?大丈夫?

いや、落ち着け。
社会問題だから無くっていいやん。
そうなのだ。初めてすぎる概念に僕は興奮していた。

その会社が扱っている問題は障碍者の雇用という社会問題だった。
障碍者の月収は10万にも満たないという。そしてさらに彼らが活躍できる会社
はまた大いに少ない。

端的に言うと、その会社は障碍者の雇用を促進するといったビジネスを展開する会社だった。

担当者が言っていた言葉を今でも覚えている。
社会が障害というという言葉を作っている。
眼鏡だって本当は目が悪いという障害をカバーする介助器具なのに、誰もそんなことに負い目を感じない。そうなのだ。社会が変われば障害という考え方が変わる。
私たちはそうした社会を作っていきたい。と

この説明会に参加した僕は呆気にとられた。
こんなビジネスがあるのかと。なんて面白い分野があるんだと感動した。

今思うと、仕事とは社会の困りごとを解決する過程で賃金が発生する。
でもソーシャルビジネスは、より収益性が見込めない分野に勝負しているのである。

本当に最近のことだ。
FBでその会社の記事が取り上げられていた。
当時株式上場したばかりだったその会社は東証一部に上場していた。

障碍者の雇用という一般的には収益性をあげにくい分野でそのような収益を上げているというのは、本当に素晴らしいことだと思う。
なおかつ、彼らが活躍すればするほど障碍者の雇用が一般化し、彼らが理想とするように
障害という考え方が無くなっていく日も訪れるかもしれない。

僕は、就職してからもこの日ことを忘れられなくなった。
いつかこういった分野で働きたい。いや起業してみたいという思いがくすぶっていた。

昨年僕は、会社に辞める旨を伝えた。
僕は、やっぱりあの分野で仕事がしてみたいと思う気持ちが強くなってきていたのだった。

帰りのバスで考えていた。
いつかあいつと一緒に仕事したいなーと。
国際ボランティアを志向する彼の話は、とても自分に重なった。

そんな折だった。
改めて僕は、その会社のページを検索して読んでいたとき、思い出した。
同級生のAくんのことを。

Aくんは小学校の同級生だった。
Aくんとよく僕は遊んだり、けんかしていたように思う。
美談にするつもりはないので本当に言うと、親友とまではなかったように思う。
でも学校でよく遊ぶ友達だった。

Aくんは僕らの学年の中で身長がとびぬけて大きかった。身体的に恵まれていた。
それを活かして空手では、優秀な成績をおさめていたように思う。

彼は空手の成績を見込まれて県外の高校に進学していると聞いていた。
そんなAくんとは、高校進学を期に会わなくなった。

次に会ったのは、病院だった。
高校一年生のときだった。
かつて同級生だった三人で行ったことをぼんやり覚えている。

Aくんは空手の練習中の大きい事故に遭ったのだという。
お見舞いにいった僕らは、言葉を失った。
Aくんは、たぶん僕らを認識できてはいなかったのでは思う。
それくらいひどい状態だった。
後に聞いたのだが、事故に脳に大きな障害を受けたようだった。

彼の前で正気を保てていたが、帰りの車の中では、涙が止まらなかった。
今でも書いていても涙が出てくる。

冒頭の小学校の集まる場でも、彼の話はみんなできない。
というか、近況を知りえていないというのが、事実なのかもしれない。

あれ以来彼とは会っていない。
母に聞いてみたことがあるが、病院を退院し、養護学校に通っているとだけ知っているようだった。

帰りのバスですごく考えた。
彼は、あの事故がなければ昨日会えたのだろうか。仕事の愚痴を聞いたり、今度結婚するだといったといった話を聞くことができたのだろうか。

華やかな昨日とのギャップにとても苦しい気持ちになった。

そして気づいた。
あのお見舞いの帰り道のことだった。
「俺は医者でもなんでもないし、なにもできないやん」と泣きながら思っていたことを。

でも年をとった今だから思う。
あの頃はなにもできなかったけれど、今はなにかできる気がする。
やっぱり起業しないといけないように思うのだ。

エゴかもしれないが、彼を支援できうるような仕組みを、ビジネスを考え出すことが
今の、いつかの僕にできることなのかもしれない。

本当に経営のけの字も、社会も知らない自分がちゃんちゃら起業と口に出すのは、おかしいのかもしれない。

だけど、ぼんやり起業しようとは思わなくなった。
限りある人生の残りを費やしていきたいと思う。
そういったことに費やしたい。

だからこそ、今後経営や様々なこと学び、人に会わなくてはならない。
決意表明的に今回こうして書こうと思った。

そんな帰りのバスだった。
***

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2017-01-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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