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ふるさとグランプリ

そしてまた、奈良を訪れる。《ふるさとグランプリ》


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:まつしたひろみ(ライティング・ゼミ)

「もう、貴方なしでは生きられない体になってしまったの……」

本当にどうしてくれるの!
今までは、知らない間は全く問題がなく毎日を過ごせていたのに。
価値観を変えられてしまった。貴方を本当に忘れられない。
忘れられるかと、他も試してみたわ。ええ、浮気よ。身近で済ませようと思った。でも、ダメなの。どうしても貴方じゃなきゃ。
最初は「うっかり」から始まった。遠いから、距離があるから、なんて思わなかった。貴方の魅力に距離は関係なかった。「いちいち」行くなんて、そんなの馬鹿じゃないかと思ったわ。でも貴方の言った通りだわ。その価値がある。
そうそう、前は熱いものがよかったの。けれど、貴方は冷たくなっても、いや冷めてからの方が魅力を発揮する。
見た目は今まで好んでいたものと全く変わらない。けれど、いろいろな顔を見せてくれるわね。それが私にだけじゃないのも知っている。いいのよ、その方が。みんなに貴方の魅力をわかってほしいもの。
いつも、帰るときには貴方を忘れないように、胸に抱きしめて帰るの。それがある間はいいの。いつでも貴方のことを思い出せるから。でもね、切れそうになると、切れてしまうことを考えたら……。
やっぱり貴方なしではもう生きられない。

改めて考えてみると、本当に馬鹿じゃないかと思う。

名古屋に住んでいるのに、奈良に珈琲豆を買いに行くだなんて……。

「貴方」というのは、珈琲である。
ただの珈琲に、コンビニで100円の淹れ立て珈琲が飲めるのに、なぜわざわざ? そこじゃないといけないんだろう?
珈琲なんて本当にどこにでもある。今までも好んで飲んでいた。豆を買って自分で淹れた方が美味しいよね、と家で淹れて飲むことも多かった。美味しい珈琲が飲みたいと常に思っていた。
一番安い豆が200グラムで800円だとはいえ、奈良まで行く交通費を考えたら……。
それに気合を入れて買いに行かないと、奈良まではなかなかたどり着かない。

しかし、どこにでもある珈琲豆じゃ満足できなくなっていた。
その珈琲豆には遠距離恋愛の、どうしても離れられない恋人のような感情を抱いている。

「うちの珈琲は冷めても美味しいんですよ」

知人が紹介していた珈琲豆屋さんに行った時に、そこの店主である焙煎士のTさんが言っていた。「珈琲は熱いうちのほうが美味しい」というのは間違っていたのだ。
確かに熱いうちも美味しい。けれど、冷めてからの方が個性が出る。淹れた翌日だって問題なく美味しく飲める。完全に冷めてしまっても嫌な酸味はやってこない。
以前はその酸味のある珈琲が苦手だった。

「酸味のある珈琲が苦手なんですよ」
「あ、それはね……」

珈琲の酸味の話になると、Tさんは目をキラッと光らせる。
飲んだ時に「うっ」となる酸味。珈琲が冷めた時によく出てくる味。Tさんの豆では、それは全くない。私が苦手だと思っている酸味は、古い豆であったり生焼けの豆から出てくる酸味だそうだ。
本当の酸味はスッキリした口当たりになる。酸味でも「グレープフルーツのような」とか「オレンジのような」などといった表現で記されているのだが、私はまだなんとなくしかわからない。

Tさんとの最初の出会いは、2年ほど前にさかのぼる。
知人が主催した珈琲に関するセミナーの中で、スライドに映し出された写真が最初だった。
スライドで見た時は、ちゃらそうなにーちゃんだな、という第一印象だった。でもなぜか気になって珈琲を飲みに行った。
奈良県の生駒駅という聞いたこともない駅で降り、スマホで場所を確認しながら徒歩10分程度。お世辞でも繁華街とは呼べない場所にある。
最初は偶然前を通りかかった、くらいな感じでお店に座っていたのだが、
「Nさんのセミナーを受けて来ました」
「マジですか? そうなんですか」
「名古屋から、うっかり来ちゃって」
「えっ?」
(この時、一緒に行った友人は東京からだったので更に驚かせることになった)

そんな会話を交わし、交流が始まった。
それからは関西圏に行く度にお店に行った。

「今日のオススメの豆はなんですか?」

居酒屋で「今日のオススメの一品」があるように、そこにもあった。
今しかない、とか、あとこれだけしかない、とか言うから注文したくなるし、聞いたこともない国の豆があったりもする。

「これ、めっちゃオススメなんですけど、3日後くらいが飲み頃なんですよー」

珈琲豆に飲み頃? 驚きの事実も知る。
焙煎してから少し落ち着かせた方が魅力が出るらしい。それも豆の種類や焙煎度によっても変わってくるという。

何度か店を訪れ、いろんな珈琲を飲んでいくうち、体がTさんの味を知っていった。
他の、今まで美味しいと思っていたお店の珈琲では満足できなくなってしまった。スペシャリティーコーヒーだって、美味しいかと言われると「美味しいけど、別に」と思う。
イケメンよりもちょっと個性派の彼の方が惹かれてしまうかのように。

名古屋は喫茶店が多い。こだわりの珈琲豆屋も多い。美味しいお店もある。
でも、今のところ、Tさんの味にかなう店は、ない。

グアテマラの豆は珈琲らしい味。
ブラジルは定番であり酸味があり、ケニアは甘さがある。
ワイニーという種類は珈琲らしくない香りを放つ。
名前は忘れたけれど、「麦茶やん!」という珈琲もあった。

個性豊かな珈琲豆と、個性豊かな店主が待っている。
「いちいち」行きたくなるお店。

本当にその通りです。イレブンカフェ。

***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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