メディアグランプリ

妄想は、現実となり姿をあらわす。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【2月開講申込みページ/東京・福岡・京都・全国通信】人生を変える!「天狼院ライティング・ゼミ」《平日コース》〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜 →【東京・福岡・京都・全国通信対応】《平日コース》

記事:和智弘子(ライティング・ゼミ)

 

 

「あれ? おかしいな? 店員さんの記事は掲載されてるんだけどな?」

 

2016年の9月末。

私はあるお店の情報をインターネットで探していた。お店の人はいろいろな情報を発信していて、一度そのお店に行ってみたいと思っていたからだ。

 

私は10月から開始になる、天狼院書店という一風変わった本屋さんが主催している「ライティングゼミ」の受講を申し込んでいた。

「ライティングゼミ」とは、天狼院書店の店主であり、プロのライターとしても活躍されている三浦さんが、文章を書くうえで重要となる「店外不出の秘伝のソース」のようなテクニックを教えてくれるというものだ。

 

 

理系の大学を卒業して、これまでに1番長い文章を書いたのは恐らく卒業論文だろう。その卒業論文だって、実験データこそが結論、というようなもので、文を論じたなどとは口が裂けても言えないシロモノだった。

文章を書くことには無縁に生きてきた私だけれど、今の職場で働くことになり、ちょっとした記事を書く担当になってしまった。「ここのテキスト、急いで作って。800字くらいで」働いている以上、記事なんて書けませんなどと、甘えたことは言ってられない。見よう見まねで何とか乗り越えて来ていたけれど、だんだんと「私の書いた記事、つまんないな。読んでくれる人なんているのかな」と思うようになっていた。

 

つまんない記事を書いていると自覚してしまった以上、上手くなるより道はない。何とかして「ちょっとはマシ」になるように、自分で努力するしかない。そう考えた私は、以前から気になっていた「ライティングゼミ」に申し込んだのだった。

 

しかし、その「ライティングゼミ」を主催している天狼院書店に一度も足を運んだことがなかったため、一度行ってみたいと考えていた。「ライティングゼミ」の受講を決めたとはいえ、ゼミについていけるかどうか心配だった。店舗に行って、店員さんと直接お話してみたいと思っていた。しかし、私が住んでいるところから、池袋の天狼院書店にたどり着くまではおよそ2時間近くかかる。行けないことはないけれど、往復4時間かと思うとなかなか足を運ぶには躊躇してしまう。

 

「そういえば、京都天狼院って見かけたことあるような?」とふと思い出した。私の実家は大阪の北部にあって、帰省するときはいつも京都駅を利用していた。ちょうど10月の3連休で帰省する予定になっていたし、少しくらいは時間も取れるだろと思って「京都天狼院」の場所を調べて、行ってみようと思い立った。

 

しかし、だ。

京都天狼院で検索してみると三宅香帆さんという書店員さんの記事が出てくるばかりで、肝心のアクセスなどについては出てこない。天狼院書店のホームページを見ても、アクセスには池袋と福岡の2店舗が掲載されているのみ。おかしい。何でだろう? 調べども調べども実店舗の案内は出てこない。三宅さんの記事だけが出てくる。いよいよおかしい。

三宅さんの、とある記事をクリックして読んだとき、ようやくその謎が解けた。

 

〈三宅のはんなり妄想記〉

 

妄想。妄想? 妄想なのか??

妄想、ということは、京都天狼院は存在していないってことか。

 

なんだかキツネにつままれたようだった。

実際しないお店をネット上とはいえ、ぐるぐると探し続けていたのか。そりゃあ見つかりようもない。よく記事を読んでいなかった私が悪い。思い込みとはなんと恐ろしいことか!

 

じゃあやっぱり、池袋に行ってみようかなと……と考えていた。

 

時は流れ2016年12月。

私は片道2時間をかけ、池袋に出かけることにした。「スタジオ天狼院」なる、天狼院書店が発表した新しい場所のお披露目パーティに参加するためだった。

ライティングゼミの課題をコツコツとこなし、ゼミ開始前に感じていた「ついて行けないかもしれない」という意識はちいさくなっていた。上手く書けるようになったとは思わないけれど、なんとか必死にしがみついている。けれど、実際に学んでいる人達や、そもそも毎週叱咤激励してくださっている三浦さんにぜひ一度お会いしてみたい! と痛切に感じていたため、池袋に足を運んでみることにしたのだ。

そのパーティには、いつもは名前と投稿された記事だけしか知らない、同じ講座で学んでいる人達に出会えて大きな刺激を受けた。その他にも私が受講していないプロカメラマンを目指す講座の人や、小説家希望の人、落語や映画、ヨガといった様々な分野の人々で、会場は所狭しと埋め尽くされていた。もちろん三浦さんにもお会いして、ご挨拶できた。実際にお会いすると、なんだか緊張してしまい、きちんとお話はできなかったのだけれど。

 

パーティ序盤に、ある発表が行われた。

「みなさん、お待たせしました! 京都天狼院、いよいよオープンします!」

 

声には出さなかったけれど、マジで! と叫びたくなるほどだった。数ヶ月前に、「京都『妄想』天狼院」を探し求めていた私は、偶然にも妄想が本物に姿を変える瞬間に立ち合ったのだった。

 

京都天狼院の場所は、最寄り駅なら京阪電車の祇園四条。四条通りの喧騒をスイッと曲がった大和大路通にあるという。そのエリアは大通り沿いの老舗名店にも引けをとらない、きらりと光る名店が無数に存在している場所であり、最寄りの観光スポットは建仁寺または、京都四條南座という、なんとも贅沢な場所だ。すぐ近くには八坂神社、知恩院もある。桜の季節なら、丸山公園でお花見するのもいいだろう。夏には祇園祭で大賑わいだし、うだるような暑さであっても、すぐ近くを流れている鴨川をぼんやりと眺めるだけでも心がすうっと涼やかになる。秋になれば、四条大橋から見える山々の紅葉に心を奪われる。寒さの厳しい冬であれば、雪がちらつき、ただその場所にいるだけで物悲しいような心持ちになるかもしれない。京都天狼院には書店なのに「箱庭」があると言う。京都が見せる四季折々の姿を京都天狼院の中で体験できるのだろう。有数の観光スポットがある京都四条は京都最大の繁華街でもある。四条大橋を渡って、少し歩けば先斗町や錦市場があり京都のグルメは堪能できる。京都天狼院からは五条の清水寺にもお散歩がてらに歩いて行けるため、京都天狼院に併設されているカフェで一休みしながら京都の街を散策するにはうってつけだろう。

 

京都天狼院のすぐそばにある花見小路通は京都の古い町並みが残っていて、舞妓さんや芸妓さんの姿も見られる。外国人観光客にも人気の高いエリアだ。京都天狼院は日本人のみならず、海外のお客様が大勢立ち寄ることが簡単に予想できる。天狼院書店は日本のみならず、海外からも注目を受ける日も近いだろう。

 

2016年の9月末にはまだ名前だけしか存在しなかった「京都天狼院」が、今まさに始まろうとしている。妄想が現実として変化を遂げた。それは奇跡でもなんでもなく、何が何でも実現させてやるという三浦店主の強い思いが引き寄せた結果なのだ。

 

2017年1月27日。

いよいよ、「京都天狼院」はオープンし、その全貌が明かされることになる。

この場所は、あらゆる分野のクリエイターが必ず足を運ぶ場所になるに違いない。私は、今から楽しみで仕方ない。

 

*** この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。 *この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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2017-01-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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