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渋谷駅徒歩10分のパワースポットを何度も訪れたくなるこれだけの理由


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事 : 鼓星(ライティング・ゼミ)

國學院大學を初めて訪れたのは、今から4年ほど前のこと。
有識者の意見をヒアリングするため、文学部のとある教授の研究室を訪問したのだが、渋谷駅から徒歩10分、ガラス張りのカフェテラスやウッドデッキを配したモダンな校舎に心が弾んだ。仕事を終えてまっすぐ会社に戻るのがもったいなくて、お散歩気分でキャンパスを歩いていると、正門脇にある建物の重厚な扉が目に入った。玉砂利を敷いたアプローチ、扉の左側には小さな竹林、右手側には古い石のオブジェらしきもの。若者が行き交う活気あるキャンパスの中で、明らかに異質な雰囲気をかもし出していた。入口には「國學院大學博物館・入場無料」の表示があった。

「タダだし。せっかくの機会だし。ちょっとのぞいて行こうかな」ぐらいの軽い気持ちで建物の中に足を踏み入れると、外観と同じように、内部もずいぶんと重々しい雰囲気。薄暗い照明で、ほとんど人の気配がない。「えっと、私、ここにいてもよろしいのでしょうか?」と不安になるほどの静寂。恐る恐る展示室を進んでいくと、スポットライトが当たっているエリアがあった。私は思わず心の中で「あっ! これ見たことある!」と叫びそうになった。

そこには、小学校の社会科の教科書に載っていた、古墳時代の馬型の埴輪が鎮座していたのだ。教科書のモノクロ写真で見た印象で、私は馬の埴輪は手のひらサイズの地味な民具のようなものをイメージしていた。ところが展示されていた埴輪は、高さ1メートル以上で、大人がまたがることができそうな大きさ。クリッとした目はどこか愛嬌があって、遊園地のメリーゴラウンドを思わせた。

展示室の片隅に待機している学芸員の方に「この埴輪は本物なのでしょうか? こういうサイズのものなのですか?」と質問してみると、「古墳の中から出土した時には割れてバラバラの状態だったものを復元していますが、全部、本物ですよ。動物の埴輪は1メートルを超えるものも珍しくありませんね」と説明してくれた。

社会科の授業で勉強した時には何の興味も湧かなかった古墳時代が、急に、キラキラと魅力的に思えてきた。紀元前5世紀頃、科学技術が発達していない時代、これだけの大きな造形物をどうやって作ったのだろうか。焼き物を焼くための窯のようなものがあったのだろうか? 日本人にとって馬は馴染み深い動物だったのだろうか?

馬の埴輪のすぐ脇に展示されている鹿の埴輪はさらに可愛らしい顔立ちで、笑っているようにも見える。きっと、埴輪を制作した人は馬や鹿へ親しみの気持ちを持っていたに違いない、と想像する。

「お手を触れないで下さい」という注意書きはあるものの、埴輪はガラスケースの中ではなく、見学者の目線に合わせた台の上に並べてあるだけ。ちょっと身を乗り出してみると、素焼きの質感まで手にとるようにわかる。

展示物に添えてある説明文を熟読していると、学芸員の方が「カメラか携帯をお持ちでしたら、どうぞ、自由に撮影して頂いて構いませんよ」と声を掛けてくれた。
えええええー!? 一般的に、博物館や美術館は撮影禁止が原則。誘導員が展示室のあちこちで目を光らせていて、スマートフォンを手に持っているだけで、「携帯電話は鞄にお戻し下さい」と注意されることもある。わざわざ「撮影どうぞ」のアドバイスをしてくれるなんて、嬉しすぎる! 1500年前の埴輪を背景にした自撮りの記念撮影をして大満足。

埴輪エリアの先には、弥生式土器や縄文式土器コーナーが広がっていた。このエリアの展示物も全て本物。出土地域や年代ごとに分類した膨大な数の土器が展示されている。中には、棺桶として使用されたという、人間がすっぽり入るくらいの巨大な弥生式土器もあった。

縄文式土器は、その名前の通り縄を押し当てただけの単純な作りのものあれば、「火焔型土器」と呼ばれるものは、まるで炎が立ち上るかのようなダイナミックなデザイン。解説文を読むと、約5000年前に新潟県の信濃川中流域に当たる長岡市や十日町市を中心に、北は山形県、西は富山県、東は福島県会津地方まで広い地域で製作されていたらしい。4本足の動物をデフォルメして表現としたと考えられる4つの把手や、口縁部にある鋸の歯のようなギザギザの隆起、紐状の粘土を押し付けて作ったS字や渦巻状の文様など、全ての火焔型土器に共通する規格がある。原始的で野蛮な生活のイメージとは違って、5000年前にも、技術の伝承や流行があったのだと思うと、どうしようもなくワクワクした。

都内の博物館・美術館が仕掛ける企画展は一時間待ち、二時間待ちの長蛇の列になることが多い。展示室の中に入ると、「はい、立ち止まらないで進んで下さーい。逆戻りせず、順路通りお進みください」と係員に誘導され、じっくりと鑑賞することすらままならない。
ガラガラの國學院大學博物館では、他の見学者に気兼ねすることもなく、気持ちが赴くままに鑑賞できる。私は気に入った埴輪や土器を何度も行ったり来たりしながら、太古の昔に想いを馳せた。

仕事で國學院大學を訪ねたのは、あの時1回きりだけれど、その後、私は何度も國學院大學博物館を訪れている。5000年分の人類の歴史がぎゅっと凝縮された展示室にはエネルギーが満ち溢れている。渋谷駅徒歩圏、無料。ホンモノ見放題。こんな素敵な場所なのに、ほとんど人に知られていないのはもったいない……。そう思う一方で、もうしばらく、私だけの秘かなパワースポットにしておきたいような気もしている。

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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2017-02-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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