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私は処女だ。だから、ライティングができない。


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記事:宮沢輝(ライティング・ゼミ)

私の実家にある庭は小鳥たちの楽園だ。
特に、秋から冬にかけて様々な鳥たちが訪れる。
彼らのお目当ては庭になる真っ赤な木の実。美味しそうについばんでいる様を眺めているだけでもすごく楽しい。
だが、今年もまた発見してしまった。
枝のてっぺん近くに一つ、ぽつりとある赤い丸。
他の木の実たちは次々と鳥たちの腹へと消えていく。
なのに、必ず一個だけ、しがみついているかのようにずっと枝に居続けている。
私は一つ、ため息を漏らす。
お前も、売れ残ったのか。
心の中で、そう呟いた。

私は、三十代半ばで、処女だ。
二十代ならば希少価値がつくだろう。だが、三十代ではどうなのだろうか?
分からないし、分かりたくもない。
男友達はいる。告白もしたし、されたことだってある。
バレンタインデーの甘酸っぱい思い出だって無いわけじゃない。
だけど、彼氏というカテゴリーに当てはまった人は今まで一人もいなかった。
多分、これからもないだろう。そんな、変な確信がある。
そのことに私は何とも思ってはいない。
ただ、これだけははっきりと言えることがある。
私は、処女だから、ライティングができないのだ、と。

「輝ちゃん、彼氏が欲しいなら、バカにならなきゃ」
昔、知人から頂いたアドバイスだ。
年齢が彼氏いない歴と一緒だとバレて一番困った人でもある。
彼女にはいろいろ振り回された。
合コン、街コン、お見合いパーティー。
連れて行かれた先で毎度も言われたこの言葉。
だが、私はそれをいつもスルーしていた。
パンツスーツしか着ない私のために、彼女が見繕ってくれたドレスのせいだ。
風でめくれそうな真っ赤な布一枚にしか思えず、不安でしょうがない。
「俺」という一人称を「私」に矯正され。
口が引きつりそうな愛想笑いを強要され。
言いつけを全て行うのに精一杯。
会場にいるだけ音を上げそうになる。
会話の内容が私の耳から耳へすごいスピードで通過していく。
飛び交う会話にワンテンポ遅れながらもうなずくくらいしかできなかった。
こんな有様なのだから、結果だって散々だ。
真っ赤な服のまま一人寂しく帰り、後日彼女からのお叱りの言葉を頂く。
「何で、あの時、彼に付いて行かなかったの?」
「あの人、輝ちゃんのこと、気に入ってたよ、絶対!」
「あの子、すっごく優しそうだったじゃん!」
そう言われても、困ってしまう。
だって、こんながんじがらめになった状態で、どうしろというのだろうか?
ボロを出さないように振る舞うのに精一杯。余裕なんてない。
薄っぺらなドレスが私以外の誰かによって取り払われる日は、まだ来ていない。

今なら分かる。
彼女の言葉の意味も、あの真っ赤で薄っぺらなドレスも。
庭にある木の実と一緒なのだ。
一度、図鑑で調べたことがある。鳥に食べられるために進化した果実のことを。
鳥に見つけてもらえるように、表面を真っ赤に染め。
鳥に食べられる前に発芽しないよう、果肉に発芽抑制剤を盛り込み。
鳥の消化によって丸裸にされた種が、栄養と一緒に地面へ戻っていく。
私は、バカにならなければならなかったのだ。
バカになって、ドレスという鎧を自ら脱がなければならなかったのだ。
与えられた鎧を守ることばかり考え、死守するためにずっと頭を使っていた。
目的が済めば、鎧をすぐに外して、身軽になって、どんどん好意を伝えなければならなかったのに。
ずっとずっと鎧に閉じこもり、好意を言える自分を封印し続けてしまったのだ。
プライド。世間帯。凝り固まった思考。
いろいろなもので作られた鎧は、いつの間にかべったりと肌に付いて離れなくなっていた。どんなに食べたい、と願われても脱ぐことができないくらいに。

取り残された木の実をそっともぎ取った。
干からびた果肉はお世辞にも柔らかいとは言えない。
それを、そっと水を入れたグラスへ落としてみる。
果肉には発芽抑制剤がある。
果肉さえなくなれば種は発芽する。
なら、果肉を取り除くのは鳥じゃなくてもいいはずだ。
いつまで水に漬ければいいか分からない。
だけど、ふやけてドロドロになった果肉をきれいに剥がれれば、この種だって芽吹くはずなのだ。
種には、水の入ったコップ。
なら、私にとって、水の入ったコップとは何なのか。
その答えになりそうなものが目前に迫っている。
ライティングゼミの集中講座。
私は今度こそバカにならなければならない。
バカになって、集中講座にどっぷりと浸かるのだ。
そうすれば、べったりと張り付いた鎧が解け、好意を伝えられる自分が出てくるはずなのだ。
天狼院なら、処女だってライティングができるようになるはずなのだ。

***

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2017-02-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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