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失恋ロックンロール


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記事:あすか(ライティング・ゼミ)

 

私はお酒に弱いです。どんなふうに弱いかと言うと、好きな男にすぐ連絡してしまいます。好きな男の声がたまらなく聞きたくなって、次の日記憶もないほど酔っ払っているのに、電話で「今から会いたい」を連呼したり、LINEで気持ちの悪い言葉を送りつけたりします。

 

でも、これ簡単には止められません。きっと相手に嫌われるまで続けてしまいます。なぜか。お酒に弱いだけでなく、意思もとても弱いからです。止めようと思ってもすぐに酔いつぶれるのが、自他共に認める一番情けないところです。

 

でも最近気づいたことがあります。お酒に酔って、連絡出来るようになれば、それはもう立派な恋愛をしている1人の女性であるはずなんです。その遥か何歩か手前、一目惚れして、連絡先交換して、有頂天になったのもつかの間、「会う」までにたどり着けない意気地のない恋愛を私は何度か経験してきました。

 

先日も新宿のゴールデン街で飲んでいたら、店員さんがとてもタイプで目を回してしまいました。全身真っ黒で、髭が濃くて、ニット帽が似合う男性。笑ったときの八重歯がチャーミングで、人の良さそうな笑顔がたまりませんでした。私があまりにも彼に見惚れてしまっていたためか、一緒に飲みに来ていた友達が、彼に「店員さん、こいつがかっこいいってよ」と声をかけてくれたのです。ベストタイミングでした。すると、その男性が「本当ですか!? 連絡先交換しませんか」と誘ってくれたのです。私は、この人と運命の相手と本気で思いました。

 

家に帰って、すかさず「今日はありがとうございました。お疲れさまです!」のメールを送ると、「ありがとう! 3月日程を調整して遊びに行こう」と軽く返事を返してくれました。私はテンションが急上昇して、その日から彼の夢を見る始末……。次の日、会社に出勤したらすぐに「運命の人と会っちゃった」と朝からウザさMAXで友達に絡んでしまうほど有頂天でした。

 

3月になり、公園では梅の花が綺麗に咲き始めた頃、まだ彼からの連絡は来ません。「誘うよ!」の一言が最後のメールだったので、「自分からメールするのも違うかな」と待つスタンスでずっと楽しみにしていました。でも、メールは届きません。仕方なく、私はありったけの勇気を振り絞って、彼に「いつ空いてる?」と連絡しました。とても緊張しました。だって自分から言って無視されたら、そこで関係は途切れてしまうものですから。

 

実はこの勇気を出せたきっかけとして、ある男性の一言がありました。「相手を先に誘っても誘わなくても、好きだったらOKしてくれるでしょ。自分からいくかいかないかなんてあまり関係ないよ」確かに、その通りですよね。好きだったら、後か先かなんて関係ないんですよね。女の子にがっつかれて困る男なんて、そんなにいないんじゃないかと思いました。

 

だから頑張って連絡してみたんです。そしたら、その夜、次の日、さらに一週間経っても返事は帰ってきませんでした。完全に脈無し。悲しかったです。運命の相手かと思って、メールもおしとやかに、相手を気遣って返していました。もしかしたら、彼女が出来てしまったのかもしれません。それとも、私のことなど、はじめから興味がなかったのでしょうか。

 

何が悲しいって、「返事が来ない」という理由で終わる恋が悲しい。完全に相手に悟らせて関係を終わりにするなんて、卑怯じゃないですか。私がこんなに好きでいるのに、本当にただ「なかったこと」にされてしまいました。

 

ここまでの話を客観的に見ると、どこでもありそうな恋愛です。現代人の得意技、メールスルーや既読スルー。私もよくやります、既読スルー。スルーしようと思ってスルーするのではなくて、返事することを忘れてしまうんです。誰だってそういう経験はあると思います。

 

ただこれが恋愛だった場合、とても虚しい。恋愛ってこんなもんかって思ってしまう。簡単に連絡先を交換出来る世の中、ドキドキしたり、悩んだり、夢に相手が出て来たり、こんな素敵な体験がすごく軽く思われてしまって、なんだかもったいないような気持ちになります。

 

昔の人は、家の電話を使って、お父さんやお母さんが電話に出たりして、それでも勇気を振り絞って相手の名前を出したりして、とてもロマンチックだなと思います。公園で待ち合わせしても、平気で2時間3時間待って、彼が寝坊しているんじゃないか、待ち合わせ場所を間違えているんじゃないかと、ドキドキハラハラしながら待つのでしょうか。

 

でも今は……。

 

違う、違う。時代のせいでも、携帯のせいでも、彼のせいでもないことを私はちゃんと認めなくちゃいけません。この恋愛ははじめから負け戦でした。だって「彼と付き合えると本気で思っていましたか?」と聞かれれば、私は相手の目を見て「はい!」とは言えない。そんな上手くいくわけがないと、心のなかで最初から諦めていたんです。だから自分からもっと頻繁に連絡をとってみたりとっか、お店にもう一度足を運んでみたりしなかった。

 

「女は待つもの」というプライドが心のどこかにあったんですね。それを彼に見透かされたのかもしれません。そんなプライドに負けて、彼にちゃんとアタック出来なかった自分が悔しい。ちゃんと恋愛したいと思いました。全身全霊で相手にぶつかってみたいと思った。まだまだ肝心なものから逃げていて、ちゃんと恥をかきたいと心の底から思いました。

 

今なら、お酒に負けても、好きな気持ちを隠さない女性はとても素敵だと、声を大にして言うことができます。謙虚なふりなんかしないで、一か八かで体当たり出来る精神力が欲しい。私にとって、恋愛とは、体育会系の部活のように、日々の練習で鍛え上げるものだということを学びました。

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2017-03-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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