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ライティングはスイミングと似ているか?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:ノリ(ライティング・ゼミ)

プールの授業をサボったことのある人は多いだろう。
「水が冷たい」
「濡れるのがイヤ」
「水着姿が恥ずかしい」
「体を見られるのが苦痛」
「ムダ毛が気になる」
「水泳は苦しい」
「泳げない」
「生理だから」
水泳をやりたくない理由は、挙げればきりがない。
とかく水泳はハードルの高いスポーツだ。
しかし、そんな水泳しか、できなかった人もいる。

私は小学校5年生から中学、高校と、ずっと水泳部だった。
理由は人並みにできたのが、水泳しかなかったからだ。
陸上競技も球技もからきしダメ。音楽や美術など、文化部の才能も興味もない。
かといって、帰宅部になる勇気もなかった。

きっかけは、小学3年生のときだった。
学校で水泳大会があるというので、夏休み、町民プールで泳ぎを練習した。
その甲斐あってか、クラスのリレーの選手に選ばれ、活躍することができた。
小学5年生で、クラブ活動に積極的な小学校に転校すると、自然な流れで水泳部を選んだのも、そうした思い出が後押ししてくれたと思う。
入部した水泳部では、夏に行われる市の大会に向けて、夏休みもほぼ毎日練習があった。
練習はきつく、毎日クタクタになっていたけれど、仲のいいクラスメイトと一緒に、毎日タイムを少しずつ縮めたり、大会で自己ベストを出したりするのはうれしかった。
卒業文集にも水泳部での思い出を書いた記憶がある。

しかし、中学になると、同じ水泳部だった友だちは陸上部やバドミントンなど、それぞれ好きな部活に入り、水泳しかできない私だけが、相変わらず水泳部だった。
小学校では大人数だった水泳部が、入学した中学校の水泳部は、3年生まで合わせても10人にも満たない少なさだった。
さらに中学では、体育の水泳の時間も休む人が増え、私は水泳があまりメジャーなスポーツではないことを自覚さざるを得なかった。

高校になると、さらにそれが際立ってきた。
運動部の花形は、野球やサッカー、ラグビー、バスケットボールにバレーボールなどの団体競技。個人競技でもテニスやバドミントンが華やかで人気があった。
水泳に似ているが、陸上競技は別格だ。
速い、高い、遠い、強い。牛丼屋ではないが、わかりやすく身体能力を競うスポーツは、体育で取り組む時間も多く、親しみが深い。
文化部を見てみても、吹奏楽部、合唱部などの活躍は、入学式や卒業式、運動部の応援団として、学校生活では欠かせない。いつもはスカして見える軽音楽部だって、学校祭ではスポットライトを浴びる。

しかし、水泳部はどうだろう。
金管楽器のチューニングがこだまする放課後の校舎から離れ、砂にまみれて青春しているグラウンドからは遠く、ボールの弾む音と掛け声がにぎやかな体育館の裏にあるプールで、バシャバシャしている。
しかもかっこいいユニフォームでもなく、安全のための防具でもなく、わざわざ裸に近い状態になって競うとは。

それでも水泳しかできない私は、仕方なく水泳を続けてきた。
しかし、長い間、泳いできて、知っていることもある。

「ねぇねぇ、どのくらい泳げるの?」
「どのくらいって?」
「何メートルくらい泳げるの?」
「うーん、やったことないけど、多分、やめ! って言われるまで泳げると思うよ」
「えー! 何それすごーい!」
気付かされたのは、高校の友人との何気ない会話だった。

水泳は、一度泳ぎ方を覚えれば、長く泳ぐのは難しくはないのだ。
もちろんタイムは別だ。
友人たちはみんな驚いていたが、長く泳ぐということは、息を止めることとは違う、苦しさに耐えることとも違う。自分のペースで運動を繰り返す、それだけのことだ。

そのためには、基本を身につけること。
水泳は、プールに水着と、ちょっと非日常なスポーツだけれど、水をかいて、水をけって、それだけを繰り返す、実に地味なスポーツだ。
だから自由形(クロール)、平泳ぎ、バタフライ、背泳ぎ、それぞれの種目の手の動き、足の動きである「フォーム」を確実に身につけることが大切だ。
身につけるには、とにかく泳いで練習するしかない。
泳ぎながら、水の中で前進するための、自分の手の動きのタイミング、足の動きのタイミングをつかんでいく。
一つ一つは小さく感じるが、積み重なることで、確実に結果につながっていく。
それは一つの編み目は小さいが、繰り返すことで大きな作品になる編み物のようでもある。

水泳のテレビ中継でも、初めは横並びだったレースが、後半になって大きな差がついているのを見たことがあるだろう。
あれは全部、手のひとかき、足のひとけりの積み重ねから生まれた差だ。

「あれ、これって、ライティングに似ている?」

私は今、天狼院書店のライティング・ゼミで勉強している。
数ヶ月、学んでいくうちに、ライティングは、スイミングと似ているのではないかと思うようになった。

確実なフォームを身につけること。
それを繰り返し、試行錯誤しながら、身につけていくこと。
そうした地道な積み重ねが、大きなものを形作ること。

ライティング・ゼミで学んだABCユニットは、ライティングの基本だという。
それは水泳でいったら、手の動き、足の動きと同じ、基本のフォームなのかもしれない。
水泳は慣れてくると余計な力が入らなくなり、どこまでも泳げるようになる。
ABCユニットを無意識に使えるようになったら、私はライティングでどこまで距離を伸ばせるだろうか。
これから証明していこうと思う。

***

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2017-03-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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