ふるさとグランプリ

佐賀をさがさないでください《ふるさとグランプリ》


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記事:ちくわ(ライティング・ゼミ日曜コース)

 

実に中途半端すぎる。

佐賀県の人口は全国42位。そして、2016年魅力度47都道府県ランキングでは38位。2015年は46位と、どれもニュースにはなりにくい順位だ。

 

佐賀県で幼少期を過ごした私は、現在も実家は佐賀にある。親戚もほぼ佐賀にいる生粋の元県民であるが、地味で目立たないことは、強く認識している。せめて何か1位になるランキングはないものか・・・・・・

 

そんな折、NHKおはよう日本で、佐賀県が1位という特集が組まれていたことを知った。しかも全国放送パートの1コーナー。佐賀もやるときはやる!

ところが目に飛び込んできたのは

「一生行くことがなさそうな都道府県、第1位は佐賀県です!」

・・・・・・不名誉すぎる。言葉がない。全国放送で堂々と、佐賀の不人気ぶりを強くアピールされてしまった。特集の内容は、悪い印象で突き放すのではなく、佐賀県に対し、「こんな不人気県とは言われてしまっているけれど、観光するには安上がりだし、いいところもありますよ。盛り上がっていますよ」と温かかった。むしろその優しさに切なくなったのは、私だけではあるまい。

 

私が東京に出てきてからよく言われるのは、まず

「どこにあるの?」

もしくは、

「福岡から長崎にいくときに通ったことあるよ!」

「交通の要所だよね!」

「サッカーチームがあるよね!」

 

終了。基本これで会話は網羅される。話がその後、あまり広がらないことが特徴だ。しかも私自身がサッカーファンでないため、サガン鳥栖の話題も提供できない。

 

そして、なんとか、気を遣って時間をかけ、ひねり出してくれるのは

「SAGA(エス・エー・ジー・エー)の、はなわさんかな・・・・・・」

皆さんは覚えているだろうか。佐賀のあること・無いことを歌った「佐賀県」という曲を。ベース片手に、お笑い芸人のはなわさんが歌っていたこの曲のリリースは2003年。それだけ強烈だった、はなわさんありがとう、という気持ちは本当に強い。ただ正直にいって、14年前からアップデートされていないこの厳然たる事実は、時に凶器となって、心に突き刺さる。

 

田舎とよばれる他の地域には、少なくともパッと思い浮かぶ観光名所や特産物がある。しかし佐賀には・・・・・・ない。本当にない。しつこいがない。周辺地域を見渡すと、先ほど出た「福岡から長崎」を含めた北九州は、観光地の宝庫だ。

 

福岡はいわずもがな、博多から小倉や太宰府、柳川など個性が強く、福岡ソフトバンクホークスやHKT48などもあり、さらに九州の大きなイベント行事は、福岡で実施されることが多い。長崎は、歴史的建造物もたくさんあり、坂が多い街の地形や雰囲気も独特。ハウステンボスや、原爆ドーム、稲佐山の夜景も美しい。大分も、湯布院・別府温泉という世界に名が知られている超特大級観光地がある。城島高原パークという遊園地もあるし、高崎山動物公園もある。同じ北九州なのに、佐賀は、頑張って吉野ヶ里遺跡だろうか。弥生時代だからアトラクション施設も何もない。あるのは、ただ高床式倉庫と、遺跡、そして草花。書いていて寂しくなってきた。

 

ともあれ東京が佐賀の近隣になかったことが救いだ。きっとものすごい劣等感に襲われ、日々穏やかに過ごせていない。福岡と長崎という、ほどよく自然が織り交ぜられた素晴らしい観光地に囲まれていたので、車でも電車でも必ず通る交通の要衝になりえている。土地があり、地価も近隣に比べると安価であるため、物流倉庫が沢山でき、雇用もうまれている。また佐賀県外でもよく目にするようになった佐賀牛や、みつせ鶏も、広々とした土地があるから、のびのび育っているのではないか。年に一回ある最大のお祭りバルーンフェスタも、建物が多く建ちすぎず、平野が広がっているので100機近くあるバルーンを一挙に飛ばすことができている。有田焼、伊万里焼など焼き物を作りこめる環境があるのも、開発がガンガン進まない佐賀だからではないか。

 

つまり佐賀は、近隣地域ができないことを受け入れ、邪魔しない、いわば究極の黒子役といえる。地味で目立たないかもしれない。どこにあるか知らないかもしれない。でも、その他の都道府県をささやかながら魅力的にうつすことには成功している。そう考えると、中途半端なことも、なんだか悪くないと思えてくる。

 

「佐賀をさがそう」

こんなキャッチコピーもあるが、これからはあえて無理にさがさないでほしい。黒子役に徹した佐賀県を、どうかこれからもあたたかく見守ってほしい。

 

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