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メディアグランプリ

花見は雨の日にやってもいいんじゃないだろうか。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:まつしたひろみ(ライティング・ゼミ日曜コース)

「あーあ。雨、降っちゃったな」

朝一で名古屋を出て京都にいた。JRから京阪の乗り継ぎで電車を待っていた。
電車を待つホームで、空を見上げる。家を出た時は降っていなかったが、だんだん雨脚が強くなっている。
雨が降りそうな時に長い傘を持っていると雨が降らないので、荷物になるけれど折りたたみ傘ではなくて長い傘を、わざわざ持ってきたのに。私の中の勝手なジンクスでなんだけど……。

一週間前から、暇があると天気予報とにらめっこをしていた。
一週間前の今日の予報は、雨。春の天気予報は当たらないから、晴れることを期待していた。遠足前の小学生のように、てるてる坊主を本気で作ろうかと思った。空を見上げながら、作ればよかったと後悔をした。
昨日の天気予報では、曇り。昼間だけは、という時間制限付きで。昼間でも雨が降らないでいてくれればよかったのに。

「雨が強くなってきたので、お花見は室内に変更いたします」
やっぱり。
室内でのお花見って、桜見えないじゃん。でも、この雨の中で花見をするのも無理だしな。
京都天狼院の大お花見大会に参加する為に、京都に来た。
さすがに雨じゃ、花見じゃなくてただの飲み会だよね。天狼院に桜が咲いているわけでもないし。
でも、ここまで来たら行かないわけにもいかないし。

「じゃあ、これから自己紹介をしながら、桜の下で読みたい本の話を……」
しまった。
花見をする気満々で、ビールを飲んで花見してればいいやと思って、何もネタを考えてなかった。
挨拶もそこそこに話に巻き込まれていった。室内で円になって、自己紹介は一人一人進んでいく。私は順番からいくと、最後になりそうだったのでゆっくり考えながら他の人の話を聞くことにした。
読んだことのある本、タイトルだけは知っている本、全く知らない本。話を聞いていると、大きな本屋で多くの本から選ぶよりも、アマゾンであなたにおすすめの本と出されるよりも、読んでみたい衝動が掻き立てられるものが多い。
聞いているだけでもすごく参考になった。

「次! フォト部です!」
なんとか雨も上がったみたい。
外にみんなで写真を撮りに行くのかな。
本当なら青空と桜の写真が撮りたいけれど、それは無理そうかな。
身支度をするために、みんなが席を立つ。

「先に講義をしてからいくので、一旦座ってください」
この講義がすごかった。
ワンポイントアドバイス! で終わるかと思ったら本格的な講義で。
技術やカメラ自体の話かと思っていたけれど、写真を撮る心を教えてもらえた。
講義の後は実践。一眼レフを持っている人たちを羨ましく眺めながら、久々登場の、相棒であるデジカメとの撮影。
撮影後はみんなでお披露目をした。なんだかいつもより上手に撮れた気がする、と自分の写真を見ながら、内心ニヤニヤしていた。

「雨が止まないので、戻りまーす」
フォト部で外で撮影をしている時は大丈夫だったのだが、雨が再び降り出した。雨が止んだ時に外での宴も用意されてたのだが、撤収となった。

桜を見ながら散歩はできたし、桜を見ながらの宴ができないのがすごく心残りではあるけれど、仕方ないねと再び京都天狼院へと戻った。

「改めまして、かんぱーい!」
宴が本格的に始まった。桜のない、室内での宴。
「トランプでもやりますか?」
お酒を飲みながら、ババ抜きをする。もう一つのテーブルでは違うカードゲーム。単純なババ抜きでもなかなか盛り上がる。
しばらくすると、
「面白いゲームがあるんです」
と、家まで取りに帰った女の子がいた。
いやいや、そこまでじゃないでしょ。と、思っていたのは私だけじゃないだろう。しかし、期待を大きく裏切ることとなる。このカードゲームをやって徹夜してしまった、と持ち主は言っていたが、それがわかった。
そのゲームを始めると、「あと1ページだけ」と読むのを止められない小説を読んでいるかのようだった。その1ページだけというのが何人かいれば、それは止められなくなるだろう。

1日が終わる頃には、花見に来たこと、桜が目的だったことはすっかり忘れていた。
なんだか、修学旅行に来た気分だ。
知っている間柄でも、会った直後はちょっと緊張する。それをほぐすかのように共通の話題を話す。それが今日は本のことだった。「桜の下で読みたい本」だけではなく、好きな本や最近読んだ本で、どんな人かが想像できて、キャラが作られる。
勉強の時間もあった。講義を受けて、オリエンテーリングみたいな感じの実習があって。最後には成果をみんなで見せ合って。
そして一番の楽しみが、宿での自由時間。カードを持っている時は、なんだか小学生に戻ったような気分になった。
本当の修学旅行だったら、お酒を飲んでたら怒られるんだろうなー。

京都という場所も、修学旅行のような感じにさせてくれたのだろうか。

帰るまでが修学旅行ですよ。という声が聞こえたのか、大お花見大会を終えてホテルへ向かう。

「雨、降っちゃったなー」
という朝の気分はどこかへ行ってしまっていた。
デジカメで撮った写真を見返し、パソコンへ取り込んだ。

「すごい綺麗……」
デジカメの小さい液晶で見ていた時はわからなかったが、花たちが輝いていた。
雨の日だからある、雫。
雨の日の曇り空だから、背景の白と映えるピンクの色。
雨の日だからこそ見せる、生き生きとした表情。

できれば、晴れていてほしかった。
青空と桜が見たかった。

でも……。

「雨の日の花見、最高じゃん」

一人呟いていた。

***

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2017-05-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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