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「通勤電車の中で読書をすることだけは、絶対にやめておいた方がいい」


記事:南下 三郎(ライティング・ゼミ平日コース)

私は毎日、片道2時間、往復で4時間電車通勤をしている。
電車に乗っている間はほとんど本を読んでいるからこそ、私はみなさんにお伝えしたい。
「通勤電車の中で読書をすることだけは、絶対にやめておいた方がいい」。

電車の中で私が読んでいる本は、最近話題になっている本が中心だ。

例えば、村上春樹「騎士団長殺し」。
タイトルを聞き、装丁を見ただけでは、どんな内容なのか、全く想像もつかない。
上下二巻でそれぞれ500ページ以上あるというボリューム感のあるハードカバー。
持ち運ぶには1巻ずつでも決して軽くはない。
メタファー?
イデア?
そもそも騎士団長ってなんだ?
西洋の話?
しかし読んでみると、なるほど、春樹ファンなら大満足といえる内容だった!

直木賞と本屋大賞をW受賞した、恩田陸「蜜蜂と遠雷」。
国際的なピアノコンクールを舞台に、3次予選から本選に至るまでの模様が描かれている。
まるで会場にいて実際に演奏を聴いているような臨場感。
自宅にピアノがないという天才少年。
かつて天才ともてはやされながらも、あることをきっかけにしてピアノが弾けなくなった少女。
以前はピアニストを目指していた楽器店に努めるサラリーマン。
この本も500ページ以上というボリュームで、しかも上下二段組み。
本をいれるとカバンの中でかさばってしまうが、読み始めるとその世界に吸い込まれるように、あっという間に読み終えてしまった。

トーン・テレヘン「ハリネズミの願い」。
去年の夏に発売されて、ファナティック読書会で紹介されたときには、「そのうち読もう」と思っていた。
しかし先日行われた書店員×図書館司書対抗ビブリオバトルでも取り上げられことで、「読んでみよう」と思った。
これまで日本ではあまり知られていなかったオランダの作家による大人向けの童話だ。
「親愛なるどうぶうつたちへ。
ぼくの家に遊びに来るよう、キミたちを招待します。
……
でもだれも来なくても大丈夫です」
ハリネズミはその身体にあるハリのために、他のどうぶつと友達になれない。
あー、私の身体もハリだらけなので、友達がいないのかも。
私のハリって何だ?
でも読んでよかった!とFacebookに感想を書いたら、その日発表された本屋大賞で翻訳部門第1位という快挙! なんという偶然!
今年はアニメ「けものフレンズ」も話題になったし、どうぶつをテーマにしたコンテンツが流行するかもしれない。

こだま「夫のちんぽが入らない」。
なんというハレンチなタイトル!
普段の私なら、書店で見かけてもスルーしていた。
しかしとある紹介記事を読んで、手にとってみた。
……。
なるほどそういう描写もあるが、全体のテーマはもっと深刻で、ジャンル的には純文学といえるだろう。
表紙を見ただけでは、すぐにはタイトルを読み取りにくいデザインの装丁になってはいるが、電車の中で他人に見られたら恥ずかしい書名ではある。
このタイトルを見た何の前知識もない女性には
「電車の中でこんなイヤらしい本を読むなんて、セクハラっ!」と怒られてしまうかもしれない。
下手をすると、駅員に突き出されてしまうかもしれない。
こういう刺激的なタイトルの本は、カバーをつけて読むほうがいい。
天狼院書店の、あのシックな黒いデザインのカバーからは知的な雰囲気が漂っている。
このカバーさえつけていれば、何の本を読んでいるか周囲にはわからないはずだ。

普段私は、マンガはあまり読まない。
しかし、施川ユウキ「バーナード嬢曰く」は面白かった!
高校の図書館に集まってくる生徒たち。
ほとんど本は読まないが、周囲から読書家と思われたい主人公。「チーズはどこへ消えた」など、少し前のベストセラーを読むことが好きな男子。
SF大好き少女。
シャーロキアンな図書委員。
特にSF大好き神林しおりのセリフには、本好きならニヤニヤしてしまうような名言が多い。

「本は読みたいと思ったときに読まなくてはならない。
その機会を逃がし、『いつか読むリスト』に加えられた本は
時間をかけて『読まなくてもいいかもリスト』に移り
やがて忘れてしまうのだ」

あー! ホント、これ! うちの部屋、積読だらけだし。
本を読むスピードより、本を買うスピードのほうが絶対速いし!
これって、本好きあるあるだよねーと思って電車の中で周囲に人がいるにもかかわらず、
声を出して笑いそうになった。
やばい、こんなところを人に見られたら恥ずかしすぎる……。

 

 

このように、おもしろい本を読んでいる間は時間が経つことが物凄く速い。

通勤時間の2時間、あるいは4時間もほんの数分のように感じられる。

これまでにも、本の世界にどっぷり浸かっているうちに、職場の最寄り駅を乗り過ごしたり、
トートバックや傘、出張先からのお土産など、電車の中に忘れてしまい、終点の駅まで取りに行ったことが何度もある。

だから、私はもう一度言っておきたい。

「通勤電車の中で読書をすることだけは、絶対にやめておいた方がいい」。

 

 

***

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2017-05-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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