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もし、私が43歳になれなかったら、棺を生クリームで満たしてください


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:あやっぺ(ライティング・ゼミ平日コース)

享年42歳。
もし、私が本当にこの年齢で死亡するならば、この記事を書いている時点で、既に余命1ヶ月を切っていることになる。
幸い、私は今、何か重い病にかかっているわけではない。
生命の危機を感じるような自覚症状もない。
しかし、私はこれまでの人生で2度、42歳で死ぬと診断を受けている。
私の生年月日は、1974年6月5日。
その“X-DAY” は刻一刻と近づいてきているのだ。

小さい頃から、私は自分が長生きできないと思っていた。
特に病弱だったわけではない。難病を抱えていたわけでもない。
それなのに、なぜだかわからないが、根拠もなく自分は短命だと心のどこかで思い続けていた。

学生時代、友達と遊ぶ時の定番は、ケーキバイキングやランチを楽しんで、腹ごなしにカラオケに行くというパターンが多かった。行き先は、京都の繁華街・河原町近辺がお決まりだった。
今みたいにスマホなど便利なものは無い時代だ。待ち合わせ場所に少し早く着きそうな時は、ゲームセンターで時間を潰していた。私は占いやクイズが大好きだったので、ゲームセンターでもそういったものをよく選んだ。

未だに忘れられないのが、「余命検索サービス」なるゲームだ。
このゲームでは、まずプレイヤーは現在の年齢と性別を入力する。そして、ジャンル別に出される普段の生活についての質問に、「はい」または「いいえ」で答えていく。
途中、クイズやルーレットなどもあり、ゲーム終了後に「生存残日数」が表示されるというものだ。

私はこのゲームを、日を変えて2度やってみたのだが、2度とも余命は42歳という結果だった。
その時に発行された、生存残日数が書かれた「生存証明書」はもう手元には残っていない。
なので、正確な生存残日数が42歳と何日だったのかは思い出せないが、2度とも42歳だったことだけは、今でも鮮明に覚えている。

この話をすると、

「たかがゲームセンターのゲームじゃないか」
「そんなものを気にする方が体に悪い」

そう言って、皆が私のことを笑った。
もちろん、私だって、診断結果を真に受けて、四六時中このことで思い悩んでいたわけではない。
例えば、高熱で何日も寝込んだ時とか、車とぶつかりそうになってヒヤッとした時。
日常生活でそんな危険を感じた時に、「いくら何でも、まだ早すぎるわ!」と思うことがあった。その程度のことだ。

ところが、30代半ばあたりから、誕生日を無事迎えるたびに、何とも言えない安堵感を覚えるようになってきた。
別に長生きがしたいわけではない。ただ、42歳はさすがにちょっと早すぎる。
60歳くらいまでは待ってほしいなと思う。

実は昨年11月末頃、右腕の肘付近に原因不明のしこりができた。
鈍い痛みと腫れが続き、心配になって整形外科を受診したところ、悪性腫瘍の疑いがあるので大きな病院で精密検査を受けるようにと言われた。
精密検査の結果が出るまでの間、もしかして私は本当に42歳で死ぬのかもしれないと、不安に襲われた。
もし悪性だったら、死ぬまでにもう一度会いたいと思っていた、人生で一番愛した元カレに何とかして連絡が取りたい。
そんなことまで真剣に考えた。

結果は、「神経鞘腫」という良性のもので、下手に手術をしたら神経を損傷して、
麻痺が出る可能性もあるため、よほど大きくならない限り、そのまま経過観察で良いと言われた。
そして、年内には一体どこにしこりがあったのか自分でもわからなくなるくらい、跡形もなく消えていた。
本当に不思議な症状だった。

これまでの人生、いろいろ回り道をしながらも、好きなこと・やりたいことはそれなりにさせてもらってきたと思う。
でも、これから叶えたい夢もやりたいことも、まだまだたくさんある。

缶詰料理クリエイターになって、缶詰と言葉で世界を変えるHAPPYな魔法をかける。
そんな現代の魔女のような、小料理屋の女将として小さな店を切り盛りする。

これは、4月から受講している「天狼院リーディング・ゼミ」で、私が掲げた夢だ。

レシピ本をはじめとした料理関係の本をたくさん読む。
缶詰料理のオリジナルレシピをどんどん生み出す。
手相占いやタロット占いを勉強する。

夢を叶えるためにやるべきことは山積みだ。

人間の致死率は100%である。
どれだけ医療が発達しても、寿命が延びたとしても、人はいつか死ぬ。
それがいつなのかは誰にもわからない。
しかし、永遠に生き続けるということはない。いつか必ず死ぬのだ。

人はなぜ死ぬのか?
この問いに、とある塾の塾長はこう答えられた。

「もし病気だけが原因なら、殺人、自殺、事故、災害などで死ぬ人の説明がつきません。
どのような死に方にも共通の条件があるとすれば、それはたったひとつ。
何らかの理由で、生命維持に必要なエネルギーを天から受け取れなくなった時、人は死ぬのです。これ以外に、説明のつく理由はありません」

なるほど。確かに、そう言われるととても納得できた。
生かされているというのは、まさにこういうことなのだろう。

「キラキラの野心で、ひと・もの・ことを再生する魔法使いであること」

これが、私の人生のあり方。
そして、選択基準はいつも「魂の喜ぶ方へ」が大原則。

私は修行の足りない弱い人間なので、つい楽な方へ流されてしまうことがある。
大人の事情で、選択基準を曲げざるを得ないような場面もある。
しかし、そんなことを慢性的に繰り返していたら、魂を本当にキラキラと輝かせることができなくなり、生命維持に必要なエネルギーを天から受け取れなくなる日が、どんどん早まるような気がする。
42歳最後の日がもうすぐそこまで来ている今だからこそ。
日々のひとつひとつの選択を、これまで以上に、丁寧に大切にしていきたいと思う。

生存残日数のカウントダウンではなく。
大好きな仲間達に囲まれて迎える、43歳の誕生日へのカウントダウン。

今年、無事に43歳の誕生日を迎えることができた暁には、30歳の誕生日にも40歳の誕生日にも実現し損ねてしまった、知る人ぞ知る私の“あの願望”。
「顔面からダイブしたいくらい大好きな、生クリームまみれになって記念写真を撮る」
というバカ騒ぎを、今年こそは実現させたいと企んでいる。

万が一、43歳になれなかった時には、棺の中を花ではなく生クリームで満たしてほしい。
これが私の遺言とならないことを願いつつ、43歳の誕生日へのカウントダウンを続けよう。

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2017-05-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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