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ふるさとグランプリ

自分の「個性」を受け入れる


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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寝耳に水とはこのことか……
 
「よめぞう……めっちゃ訛ってるよね」
 
ということを言われるまでは、まさか自分が訛っているだなんて思ってもみなかった。
 
子供が寝静まった後に、寝室のテレビをつける。そしてPlayStation4のを立ち上げる。起動するまでの間にリビングへ飲み物を取りに行き、同様にリビングでPlayStation4を起動する旦那に「今から行くわ」とアイコンタクトを取る。
手にした飲み物をテーブルに置き、ヘッドホンと眼鏡を装着して準備完了。
 
「お疲れ様でーす」
 
「お、きたきた。お疲れ様です」
 
「はいどーも」
 
「お疲れっすー」
 
朝目覚めたら顔を洗うように、ご飯を食べたら歯を磨くように……
夜な夜なゲームをするのは私にとって「当たり前の日課」になっていた。
特にここのところは「オンラインプレイ」で、家にいながら違う場所にいる人達と会話をしながらゲームをしている。偶然にも東北と関東の人と旦那と一緒にほぼ毎日、あーでもないこーでもないと言いながらゲームに興じているのだ。
 
こうやってゲームをしていると、たまに思わぬ事態に遭遇することがある。
 
「くそーやられた! バリ腹たつわー」
 
「……やっぱ、バリって使うんだねえ」
 
え? バリとか普通でしょ? すごく腹たつわーって言ったら腹たってる感ないやろ(笑)それに、ラーメン屋行ったら「バリカタで」とか言わんと?
 
「あ、ここ穴ほがしとって大丈夫ですかー?」
 
「え? なになに?」
 
「ほがすう?」
 
あれ、おかしいぞ……。
ほがすってあけるって意味なんやけどなー。
 
私が「訛っている」という事実。
言われるまで認めたくはなかったけれど、実は薄々気づいていた。
 
私は、今まで生活拠点を地元から外に移したことがない。
生まれも育ちもずっと福岡に住んでいる。
 
だから、自分が話している言葉や自分の周りの人が話している言葉は「あたりまえ」であって「標準」なのだ。私が「あたりまえ」に話している「博多弁」はあくまでも「方言」なのであって、決して「標準語」ではない。けれども30年近く福岡にずっと住んでいるとどうしても「博多弁」があたかも「標準語」のように思えてしまうのだ。
 
それに「訛っている」だなんて、まるで田舎もんみたいじゃないか。
福岡って確かに田舎もあるけど、どちらかといえば都会だ。それに、福岡に住んでいる人に「日本の三大都市は?」と聞くと本当は「東京、大阪……福岡!」と答える人が意外にも多いとテレビでやっていた。本当は「名古屋」だけど。それくらい、福岡の人は「福岡は都会だ」と思っている。そんな「自称都会っ子」が「訛っている」と言われると「え? そうなの?」と思っても仕方のないことなのだ。
 
だから、初めのうちは「自分が訛っている」ことを受け入れることがどうしてもできなかった。田舎もん、かっこ悪いもん。
 
けれども、会話をしながらゲームをしていくうちにつれて、どんどん「訛っている」という事実は目の前に突きつけられてしまう。話せば話すほど、どんどんボロが出てしまう。自分が発した言葉が、他の県では通じない言葉、標準語では使わない言い回しということに気づかされてしまうのだった。
 
なんだか恥ずかしいな、と思うことも正直あった。
けれどもそれ以上に「訛っている」という事実は揺るがないものになって行った。そうしているうちに、段々と私の中で変化が起きた。
 
「方言女子……美味しいじゃないか」
 
方言も立派な個性だ、と思えるようになってきたのだ。
田舎もん臭は拭えないものの、私のことを知ってもらうには立派なチャームポイントだ。
 
特に、相手の顔がわからないオンラインプレイで仲良くなるために相手に「認知」してもらうのは必要なことだ。ゲームプレイが無茶苦茶うまいとか、声にしっかりとした特徴があるとか、話が面白いとか……悲しいかなどれにもあまり属せそうにない私にとって「訛っている人」というのはある意味、私のことを覚えてもらうにはうってつけだったのかもしれない。
 
そう思うようになって、元々好きだった福岡のことがさらに好きになった。
「あたりまえ」じゃないことが、自分には普通にできている……
「博多弁」を話せる自分自身が少し、誇らしくも思えた。
 
ほんの少しだけ、標準語を話せるようになりたいと思う時期もあったけれど、もうそんなことどうでも良くなった。きっと、福岡に住み続けている限り、私は「博多弁」をやめることはないし、今後もきっとお世話になり続けていくだろう。
 
「方言」は自分の個性を引き立てる「アクセサリー」のようだ。
これからも「方言女子」であることに誇りを持って「方言女子力」を磨いていきたい所存だ。
 
さて、今日はなんて言い回しに「うわー! これ方言やったと!?」って驚かされるっちゃろー?
まだ、お昼やけど「ちかっぱ」ワクワクしてきた。
 
 
***

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